カードの力…。
第2話:三位一体の咆哮
夜の路地。月明かりが冷たく差し込む。
颯太は腰のベルトに手を触れ、バックル内のカードを確認する。
爪、牙、影――そしてこれまで倒したモンスターの無地カードが並ぶ。
「……よし、やってみるか」
新たな敵は、異様に大きな怪物。
一撃では到底勝てない相手だ。
颯太は迷わず爪カード・牙カード・影カードを同時に挿入する。
――《カード・イン……クローモード、ファングモード、影モード……》
白い虎、俊敏な狼、漆黒のアサシン――
三つの力が颯太の体に融合し、全身が光と影に包まれる。
腰ベルトから低く囁く声。
『フフフ……三つの力を合わせるか……楽しみだ……』
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必殺技:トリニティブレイク
颯太は倒した敵の無地カードを次々挿入。
モンスターたちの特殊能力が、戦闘に次々と宿る。
爪で敵を裂き、牙で速攻をかけ、影で背後から一撃――
――《トリニティブレイク……カード・イン!》
三体の召喚獣が同時に現れ、力を颯太に宿す。
光と影が混ざり合う中、怪物は咆哮しながら崩れ、無地カードとしてバックルに吸収される。
戦いが終わり、颯太は息を切らす。
だが、腰ベルトの囁きは止まない。
『フフフ……まだ序の口だ……次はもっと強い力を見せてやる……』
不気味さとヒーロー感が同居する戦闘――
颯太は、力を使うたびにその代償を少しずつ感じ始めていた。