01 プロローグ
「……はっ!? どこだ、ここ!!」
周りを見回しても何もない、真っ白だ。
『───申し訳ない……お主の魂を間違えて回収してしもうた』
「───!!」
どこからか俺に声が掛けられた。
いや、内容!
間違えて回収したってどういうことだよ!?
『お主は本来、死ぬことはなかったはずじゃが……新米の死神が瀕死だったお主の魂まで持ってきてしまったんじゃ』
なにぃぃぃいいっ!!
元の身体に戻してくれよ!!
『───それはできぬ』
あれ?
喋らなくても俺の思考を読み取られてる!?
「じゃあ何で、できねぇんだよ!!」
『お主の肉体は焼却されてしまったからじゃ』
な、ななんだってーーーーー!!
何とかしろよ!!
『お主への救済措置……いい条件で転生させてやろう! ワシ、神様だし』
救済措置? いい条件? ……って何だそりゃ!?
『魔法が使える世界、と言ったら分かるかのう? ただし、野獣や魔物もおる。お主のスキルは強運なヤツしか持たぬ。その名も【九死に一生】じゃ』
えーーーっ!?
それ、他のお願いは叶えてくんないの?
例えば、かわいい女の子たちに囲まれてウハウハとか、世界一の大富豪にしてくれるとか。
「…………異論は認めん」
あーーー!!
無視しやがったなジジイ、このやろう!
『お主らが勝手に神様を老人の姿と偶像化しとるだけで、ワシはどんな姿にも変化可能なのだ。では、よき旅を送るようにの、さらばじゃ!』
辺りが一瞬で真の闇になった。
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