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ロハン

お読み頂きありがとうございます。ロハンサイドのお話です。妹に激甘な兄の目で書いてみました。

いつもより短めです。

 僕の妹ミルフィアは予知夢を見る。災害を当て領地の役に立ち、鑑定という素晴らしい能力で本物が見分けられるのだ。素晴らしいとしか言えない。これは家族だけの秘密だ。


ミルフィアにはずっと家にいて欲しいが、貴族令嬢には酷な話だ。行かず後家だとか、貰い手もないとか散々なことを言われる。他人のことはほっといてくれと思う。 

好きな男なんて考えたくもないけど、結婚しても近くに住んでくれたら最高だ。


ミルフィアは子どもの時にサライと婚約して冤罪をかけられ破棄されるという夢を見たらしい。

熱を出し三日間寝込んでいた後に泣きながら話してくれたのでよく覚えている。


 

そんな事が起きるはずがないと思っていた家族だったが、僕が八歳の時にサライがやって来た。父上の友達の子供だった。


ミルフィアの予知夢通りに事が起きるのか?僕は遊んでやりながら、サライの性格を観察した。真面目そうな奴なのに、大きくなる途中でおかしくなるのか?なんとも言えない感じだった。


ミルフィアの弾くピアノの音色に導かれるように奴と後ろに行ってしまった時に、妹の怯えたような顔を見て、しまったと思ったが遅かった。


なんとそれから奴はお見合いまで父親に頼んだ。妨害してやろうと思っていたのに、父上に阻止された。

ミルフィアは父上の顔を立てるためにその場に向かった。子供なのに血の気のない顔をしていた。


その時初めて父上に殺意を覚えた。もちろん実行はしないけど。


ミルフィアが嫌がったので、婚約はしないことになった。

父上も予知夢の話を聞いていたのに見合いをさせた。大人の付き合いってやつか?可哀想過ぎるだろう。


ミルフィアは制服を着ても可愛い。ドレスもいいのだが、制服は清純さが引き立つ。シスコンの極みとでも思ってくれたらいい。


図書館で偶然アーサーに声を掛けられた。ミルフィアに興味を持つなよと牽制しておいた。妹にしたいなんていうからだ。

兄は僕だけなんだよ。



ミルフィアは潰れかけた時計屋をアドバイスだけで復活させ、宝石職人まで見つけてしまった。ついにアクセサリーが出来ると喜んでいた。


そんなとき学院でミルフィアが怪我をしたと急ぎの知らせを貰った。兄だからね。

聞けば本を何冊も積んで歩いてた馬鹿な令嬢が落とした本が、ミルフィアの柔らかな足を直撃したというではないか。

周りにいた生徒に聞くと壁際に避けていたミルフィアのところでよろけて落としたように見えたらしい。

ありえない、廊下は広く出来ている。貴族が通う学院だ、色々配慮がされている。


取りあえず医務室まで走っていった。そこにサライがいた。何故、お前がここにいる?助けて頂いた?後で礼はしておこう。借りは作りたくない。



急いでミルフィアを連れて帰ることにした。


本を落とした女の名前を聞くと身体が小さく震えだした。これはサライ絡みかと思っていたら当たりだった。


屋敷に帰りお抱えの医者に診てもらうと、足が熱を持っているので、痛みが出るだろうと言った。痛み止めの薬を処方して貰い飲ませた。許してあげてとミルフィアは優しいから言ったが、許すはずがない。

謝りにも来ないものをどうやって許せばいい?侯爵家から抗議を入れたよ。礼儀を教えているのかと。



侯爵家の影によると、高位貴族狙いらしく色々な令息とお楽しみだったらしいが、ミルフィアに手を出した以上黙っているわけにはいかないからね。


修道院へ強制的にご案内コースだ。少しだけ子爵を脅してね。


侯爵家を敵に回すということがどういうことかわからせてあげたよ。


これでミルフィアの悩みが一つ消えた。サライは悲しんだのか喜んだのかわからないけど、もしも付き纏うようなら考えるよ。彼の顔を見るだけであの怖がり方だよ。認めるわけがない。




ミルフィアと一緒にアクセサリーを置く店舗を見に行った。凄く喜んでくれた。兄冥利に尽きる。


大きな玩具だ。楽しく遊ばせてやりたい。婚約破棄の影に怯えて遊んだことなどない妹だ。思う存分甘やかそう。


店は改装に取り掛からせている。三ヶ月もすれば使えるようになるだろう。

アーサーにも知らせておこう。良い宣伝になる。時計屋に男女どちらの学生でも使える時計を作ってもらおう。それも置いたら売れるんじゃないかな。


ミルフィアには影を付けることにした。父上の許可は取ってある。ダリアはあの時呼び出されてはいたが、教師ではなかった。では誰が?あの女だとは思うが後ろに協力者がいるかも知れない。油断は大敵だ。



誤字脱字報告ありがとうございます。助かります。

ロハン君の腹黒さがわかる回になりました。腹黒系男子好きなので、書いてみたいと思っていました。念願がかなって良かったです。

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