エピソード0 第6話
シオンはこの封印されていたヒトの言葉を聞いて、
「マ、マイハニー!?…ってどういう事!?何でマイハニー!?」
と、言って先程キスされた時以上の混乱状態になったのである。
そんなシオンと封印されていたヒトであったが、この二人の様子を静かに観察していたキマイラが今度はシオンではなく、封印されていたヒトに襲い掛かってきた事で二人のやり取りが一時的に中断する事になったのであった。
こうして襲い掛かってきたキマイラに封印されていたヒトは、
「む、これは合成獣か?どうしてこんなところに…?」
と、言ってキマイラがこの空間に存在している事に疑問を持ったのである。
そうしてその間に目の前まで迫ってきたキマイラに対して封印されていたヒトは特に身動きをしないままキマイラの一撃を食らったのであった。
これに封印されていたヒトは、
「む?腕を食い付かれたか。しかし合成獣よ、その程度では俺の腕を食いちぎる事は出来ないぞ?」
と、言ってキマイラに話し掛けていったのである。
この出来事を見たシオンは、
「…え?なんで合成獣に噛みつかれてるのにあんなに平然としてられるの…?」
と、言って封印されていたヒトを何か違う生き物を見る目で眺めたのであった。
これに封印されていたヒトは、
「マイハニー、マイハニーはここから出なければいけないのか?」
と、言ってシオンに尋ねてきたのである。
この質問にシオンは、
「…え?それは…そうだけど…それよりその…合成獣はどうするつもり…?それになんで私の事をマイハニーって呼ぶの…?」
と、言って答えると続けてなぜ自分の事をマイハニーと呼ぶのかを尋ねたのであった。
この問いに封印されていたヒトは、
「その事か。この合成獣はここで倒す。それとマイハニーをマイハニーと呼ぶのはマイハニーが俺の主になったからだな」
と、言ってシオンの二つの質問に答えたのである。
この答えにシオンは、
「え!?この合成獣を倒す!?どうやって!?…それに…私があなたの主…?ってどういう事…?それにあなたの主って言っても私、あなたの名前も知らないんだけど…」
と、言って封印されていたヒトの話に答えていったのである。
このシオンの返事を聞いた封印されていたヒトはシオンに、
「ああ、そういえばまだマイハニーに名乗っていなかったな。俺の名はヴァール。よろしくな、マイハニー」
と、言って自分の名、ヴァールを教えたのであった。
これにシオンが、
「…ヴァール…?それが…あなたの名前…」
と、呟くと静かにヴァールを見上げたのだった。