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2021年10月19日放送 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日 八巻和行の七転び八巻 妄想【愛の劇場】#6 焼き鳥

掲載日:2023/07/09


 サクソフォン奏者八巻和行(やまきかずゆき)さんのラジオ番組

 こうのすFM フラワーラジオ

 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日(午後4時~午後6時)

   八巻和行の七転び八巻

 

 というラジオ番組の投稿コーナー

  妄想【愛の劇場】

 毎週パーソナリティ八巻さんから出題される【作品のテーマ】を小説風に書いた作品を投稿するコーナー。


 小説の書き方を知らないシロウトが投稿コーナーに参加。

 そのコーナーに投稿した作品をこちらに投稿しています。


 妄想【愛の劇場】のコーナーで、絶賛!妄想仲間を募集中!! 

 こんな感じで大丈夫なので、コーナー投稿に興味がある人がいてくれると嬉しいです! 

 《番組への参加方法》

 ①フラワーラジオが聴けるように、ListenRadio(リスラジ)のアプリをダウンロード

 フラワーラジオを選局して、お気に入り登録

 ②パーソナリティ八巻さんのTwitterをフォロー

 ③毎週日曜日の夜に、八巻さんのTwitterから【作品のテーマ】が発表

 ④八巻さんのTwitterのダイレクトメールから投稿

 ※番組放送当日の火曜日午後6時頃までに投稿できれば、コーナーの時間に間に合います。

 ※何故か八巻さんが初見で読むルールのようなので、漢字には「ふりがな」をふって下さい。


 小説の書き方を意識しながら文字おこしをしています。

 文章はできるだけ、投稿当時のままにしています。

 言葉が二重になるのが気になるところは、手直しをしています。


 サイト投稿回数 第7回目の今回は………

 2021年10月19日放送。

 妄想【愛の劇場】#6 焼き鳥

 奏(かなで)と八巻シリーズの第六回目


 さわやかに晴れた青空には、少しの曇りもなかったが、広々とした空には一点の黒い影があった。

 それは大きな翼を広げて、それを上へ下へと動かしては、悠々(ゆうゆう)と羽ばたいて行(ゆ)くように見える。

 どんなに勇ましい鷹(たか)か鷲(わし)が羽ばたいているのだろうか。よくよく顔を見てみる。

 八巻だ。

 八巻は夢を見ていた。

 ちょんまげを振り乱しながら風を感じ、空を悠々と羽ばたく夢を見ていた。

「なんと気持ちの良いものだろうか!」

 腹の底から、広々とした空に輝く太陽に向かって叫んだ。

 気持ちは良いが、何故ひとりでいるのだろうか。

 ひとりで空を翔(と)ばずとも、夢の中なのだから自分の背中に恋人の奏(かなで)を乗せて、空を翔ぶ夢を見ても良さそうなものを。

 ふと、八巻は寂しく思った。

 忙しい毎日の中、自分ひとりでのんびりと過ごす時間が欲しい。

 そういう思いが夢になったのかもしれない。

 八巻は前向きに考えた。

 しかし、空はなんて気持ち良いのだろう。

 大きな羽根を思い切り上下に動かす。

 何のシガラミもなく、スーっと前に進んで行く。

「ただ前に進んで行くだけでなく、体をクルクルと横回転させて進めば、もっと気持ち良くなるのではないかな?」

 八巻は頭の中で体を回転させるイメージをする。

 床体操のムーンサルトみたいなイメージで、体を捻(ひね)って回転を試みる。すると、上手に体を横回転する事ができた。

 なんて気分が良いのだろう。

 空を切り裂く様に前へと進んで行く。


 ひとしきり空の遊泳を楽しんだ八巻は、陸に降りて休む事にした。

「上手く着陸できるだろうか」

 少しの不安があったが、足からゆっくり着地するイメージをする。

 イメージ通りに陸へ降りるために、体の力を少しづつ緩めていく。

 地面に直接足を着地させないように、腹筋に力を込めて、両足をくいっと意識しながら少し浮かせるようにする。

 少し踵(かかと)を陸に滑らせるように上手に着陸できた。

「簡単だな」

 八巻は得意げに口角を上げた。

 陸に体を預ける様に八巻は座った。

 空を見上げる。

 さっきまで自分が羽ばたいていた空は、なんて広いのだろうかと改めて思う。そして奏も一緒だったら、もっと楽しい空の旅ができただろうと、再び寂しい気持ちになった。


 ガサガサと音がした。

 ガサガサ、ガサガサと再び音がした。

 八巻は音のする方へ視線を向けた。女性の姿が見えた。

「奏ッ!!」

 想い人の思いがけない登場に、八巻は名前を呼んだ。

 八巻に奏と呼ばれたその女性は、八巻に視線を向けてにっこりと優しく微笑(ほほえ)んだ。

 八巻が奏の方へ近寄ろうとした瞬間、優しく微笑んでいる奏は八巻に向けて火炎放射器を向けてきた。

「奏?何で?奏?何で?」

 八巻はパニックになっている。

 何故、奏は俺に火炎放射器を向けているのか。

 何故、奏は俺に火炎放射器を向けてくるのか。

 優しく微笑んだ奏は、優しい微笑みを一切吹き消して、高らかに叫んだ。

「ファイヤーーーーーッ!!!!」

 火炎放射器から真っ赤に輝く火炎が八巻に向かって放射される。

「アツイ、アツイ、アツイ、アツイ、アツイ!熱いよ奏!!」

 八巻は逃げ出す。

「何で?何で俺は火炎を浴びせられてるの?!奏さん!!!」

 逃げる八巻を軽快なフットワークで追いかける奏は、八巻に火炎を浴びせる事を忘れない。

 逃げる八巻。

 追う奏。

 逃げる八巻。

 放射される火炎。

 逃げる八巻。

 追いながら、火炎放射器から火炎を放射する奏。

 逃げる八巻に、奏の放射する火炎がヒットした。

「アツイ、アツイ、アツイ、アツイ、アツイ、アツイーーーーーッ!!!」

 燃え盛る八巻。

 燃え盛る八巻を満足げに見つめ、高らかに笑う奏。

「さあ!今日の夕飯(ゆうめし)は、この怪鳥(かいちょう)に決まりだ!上手く焼けたら、皆で好きに分けて食べな!」

 奏は大きな声で、隠れているらしい仲間に声をかけた。

 八巻は燃えながら、この女性が奏ではない事をやっと認識した。そして、気を失った。


 八巻の目覚めは悪かった。

 空を旅する悠々とした夢から、最後には奏に燃やされたという最悪なシナリオに、脂汗(あぶらあせ)をかいた。

「なんて夢だよ……」

 八巻は独(ひと)り言(ご)ちながら、時計を見やる。

 どのくらい眠っていたのだろうか。外は、茜空(あかねぞら)に染まっていた。

 ピンポーン!と、軽快にインターフォンが鳴る。

 ドアホンを覗くと、奏は何かを大事そうに抱えながら、鼻の頭を真っ赤にしてドアの前で立っていた。

 外は思った以上に寒くなっていたらしい。少し震えながら、佇む奏の姿が愛おしい。

「可哀想に、寒かっただろ。今、開けるよ」

 八巻は鍵を開けると、奏はエレベーターで部屋までやって来て、再び八巻の部屋のインターフォンを鳴らした。

「合鍵で入って来れば良かったのに」

 玄関ドアを開けながら、八巻が言う。

「八巻くんが居るのに、合鍵を使うの?」

 奏はいたずらっぽく笑っている。

 八巻はそんな奏を可愛いと思った。


 リビングに入るなり「おみやげがあるのよ」と、嬉しそうな奏。

「友達がアルバイトをしているお店のテイクアウトなの。とっても美味しいのよ。夕飯(ゆうはん)のおかずにしましょう」

 奏は、大事に抱えていた物を八巻の前に広げた。

 焼き鳥だった。

 八巻は気分ではなかった。できれば見たくなかった。

 夢の中の我が身。

 焼き鳥をお皿に移しながら嬉しそうにする奏には、先程見た夢の話はできないなと、八巻は思った。

 そして、この焼き鳥をどうするべきか……。

 答えを出すべく、八巻は頭を巡らせた。


 ありがとうございました。

 次回もラジオ番組の投稿コーナー

 妄想【愛の劇場】へ投稿した作品の投稿になります。


 妄想【愛の劇場】#7「カラオケ」

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