2021年10月19日放送 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日 八巻和行の七転び八巻 妄想【愛の劇場】#6 焼き鳥
サクソフォン奏者八巻和行さんのラジオ番組
こうのすFM フラワーラジオ
フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日(午後4時~午後6時)
八巻和行の七転び八巻
というラジオ番組の投稿コーナー
妄想【愛の劇場】
毎週パーソナリティ八巻さんから出題される【作品のテーマ】を小説風に書いた作品を投稿するコーナー。
小説の書き方を知らないシロウトが投稿コーナーに参加。
そのコーナーに投稿した作品をこちらに投稿しています。
妄想【愛の劇場】のコーナーで、絶賛!妄想仲間を募集中!!
こんな感じで大丈夫なので、コーナー投稿に興味がある人がいてくれると嬉しいです!
《番組への参加方法》
①フラワーラジオが聴けるように、ListenRadioのアプリをダウンロード
フラワーラジオを選局して、お気に入り登録
②パーソナリティ八巻さんのTwitterをフォロー
③毎週日曜日の夜に、八巻さんのTwitterから【作品のテーマ】が発表
④八巻さんのTwitterのダイレクトメールから投稿
※番組放送当日の火曜日午後6時頃までに投稿できれば、コーナーの時間に間に合います。
※何故か八巻さんが初見で読むルールのようなので、漢字には「ふりがな」をふって下さい。
小説の書き方を意識しながら文字おこしをしています。
文章はできるだけ、投稿当時のままにしています。
言葉が二重になるのが気になるところは、手直しをしています。
サイト投稿回数 第7回目の今回は………
2021年10月19日放送。
妄想【愛の劇場】#6 焼き鳥
奏と八巻シリーズの第六回目
さわやかに晴れた青空には、少しの曇りもなかったが、広々とした空には一点の黒い影があった。
それは大きな翼を広げて、それを上へ下へと動かしては、悠々と羽ばたいて行くように見える。
どんなに勇ましい鷹か鷲が羽ばたいているのだろうか。よくよく顔を見てみる。
八巻だ。
八巻は夢を見ていた。
ちょんまげを振り乱しながら風を感じ、空を悠々と羽ばたく夢を見ていた。
「なんと気持ちの良いものだろうか!」
腹の底から、広々とした空に輝く太陽に向かって叫んだ。
気持ちは良いが、何故ひとりでいるのだろうか。
ひとりで空を翔ばずとも、夢の中なのだから自分の背中に恋人の奏を乗せて、空を翔ぶ夢を見ても良さそうなものを。
ふと、八巻は寂しく思った。
忙しい毎日の中、自分ひとりでのんびりと過ごす時間が欲しい。
そういう思いが夢になったのかもしれない。
八巻は前向きに考えた。
しかし、空はなんて気持ち良いのだろう。
大きな羽根を思い切り上下に動かす。
何のシガラミもなく、スーっと前に進んで行く。
「ただ前に進んで行くだけでなく、体をクルクルと横回転させて進めば、もっと気持ち良くなるのではないかな?」
八巻は頭の中で体を回転させるイメージをする。
床体操のムーンサルトみたいなイメージで、体を捻って回転を試みる。すると、上手に体を横回転する事ができた。
なんて気分が良いのだろう。
空を切り裂く様に前へと進んで行く。
ひとしきり空の遊泳を楽しんだ八巻は、陸に降りて休む事にした。
「上手く着陸できるだろうか」
少しの不安があったが、足からゆっくり着地するイメージをする。
イメージ通りに陸へ降りるために、体の力を少しづつ緩めていく。
地面に直接足を着地させないように、腹筋に力を込めて、両足をくいっと意識しながら少し浮かせるようにする。
少し踵を陸に滑らせるように上手に着陸できた。
「簡単だな」
八巻は得意げに口角を上げた。
陸に体を預ける様に八巻は座った。
空を見上げる。
さっきまで自分が羽ばたいていた空は、なんて広いのだろうかと改めて思う。そして奏も一緒だったら、もっと楽しい空の旅ができただろうと、再び寂しい気持ちになった。
ガサガサと音がした。
ガサガサ、ガサガサと再び音がした。
八巻は音のする方へ視線を向けた。女性の姿が見えた。
「奏ッ!!」
想い人の思いがけない登場に、八巻は名前を呼んだ。
八巻に奏と呼ばれたその女性は、八巻に視線を向けてにっこりと優しく微笑んだ。
八巻が奏の方へ近寄ろうとした瞬間、優しく微笑んでいる奏は八巻に向けて火炎放射器を向けてきた。
「奏?何で?奏?何で?」
八巻はパニックになっている。
何故、奏は俺に火炎放射器を向けているのか。
何故、奏は俺に火炎放射器を向けてくるのか。
優しく微笑んだ奏は、優しい微笑みを一切吹き消して、高らかに叫んだ。
「ファイヤーーーーーッ!!!!」
火炎放射器から真っ赤に輝く火炎が八巻に向かって放射される。
「アツイ、アツイ、アツイ、アツイ、アツイ!熱いよ奏!!」
八巻は逃げ出す。
「何で?何で俺は火炎を浴びせられてるの?!奏さん!!!」
逃げる八巻を軽快なフットワークで追いかける奏は、八巻に火炎を浴びせる事を忘れない。
逃げる八巻。
追う奏。
逃げる八巻。
放射される火炎。
逃げる八巻。
追いながら、火炎放射器から火炎を放射する奏。
逃げる八巻に、奏の放射する火炎がヒットした。
「アツイ、アツイ、アツイ、アツイ、アツイ、アツイーーーーーッ!!!」
燃え盛る八巻。
燃え盛る八巻を満足げに見つめ、高らかに笑う奏。
「さあ!今日の夕飯は、この怪鳥に決まりだ!上手く焼けたら、皆で好きに分けて食べな!」
奏は大きな声で、隠れているらしい仲間に声をかけた。
八巻は燃えながら、この女性が奏ではない事をやっと認識した。そして、気を失った。
八巻の目覚めは悪かった。
空を旅する悠々とした夢から、最後には奏に燃やされたという最悪なシナリオに、脂汗をかいた。
「なんて夢だよ……」
八巻は独り言ちながら、時計を見やる。
どのくらい眠っていたのだろうか。外は、茜空に染まっていた。
ピンポーン!と、軽快にインターフォンが鳴る。
ドアホンを覗くと、奏は何かを大事そうに抱えながら、鼻の頭を真っ赤にしてドアの前で立っていた。
外は思った以上に寒くなっていたらしい。少し震えながら、佇む奏の姿が愛おしい。
「可哀想に、寒かっただろ。今、開けるよ」
八巻は鍵を開けると、奏はエレベーターで部屋までやって来て、再び八巻の部屋のインターフォンを鳴らした。
「合鍵で入って来れば良かったのに」
玄関ドアを開けながら、八巻が言う。
「八巻くんが居るのに、合鍵を使うの?」
奏はいたずらっぽく笑っている。
八巻はそんな奏を可愛いと思った。
リビングに入るなり「おみやげがあるのよ」と、嬉しそうな奏。
「友達がアルバイトをしているお店のテイクアウトなの。とっても美味しいのよ。夕飯のおかずにしましょう」
奏は、大事に抱えていた物を八巻の前に広げた。
焼き鳥だった。
八巻は気分ではなかった。できれば見たくなかった。
夢の中の我が身。
焼き鳥をお皿に移しながら嬉しそうにする奏には、先程見た夢の話はできないなと、八巻は思った。
そして、この焼き鳥をどうするべきか……。
答えを出すべく、八巻は頭を巡らせた。
ありがとうございました。
次回もラジオ番組の投稿コーナー
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妄想【愛の劇場】#7「カラオケ」




