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これは“世界”を救う物語。  作者: 高平めめこ
ヒトトセヤクロトイフモノ
70/260

0-2-?? Claudia's point of view

クローディアさんのざっくりした視線です。

 初めて彼に会った時、見た目で物腰の柔らかそうな人だと思いました。中性的な見た目、此方への話しかけ方、不器用にも敬語を扱う姿勢。困っている様子は見た目の年齢相応で、異世界人のセオリーを遵守しているとも言えました。と言っても、私が異世界人と出会うのはこれで二回目、一回目は私の力を奪おうとした輩だったのでこの世から抹消しましたが、この眼で見た限りでは彼はこの世界に来たばかりで間違いない。読み取れない情報も多くありますが、この世界に来る以前の事なので知れなくても関係ありません。間者である線が消え、純粋に異世界人を見れたのは初めてだったので少し感動したのは良い思い出です。

 異世界の人――夜黒さんはとても強い魔力を持つ人でした。十数代前のクローディアとなら肩を並べられると言っても過言ではありません。それほど、漏れ出る魔力は濃く、強いものでした。

 この数年でそれは磨かれ、私程とは言いませんが、七騎士を二人相手取るなら夜黒さんに軍配が上がる様にも見えました。本来は戦いを好まないからと、私が誘ってもてこでも動きませんでしたね。

 強制的に戦わせていたら、彼の評価が上がったかもしれません。そして、安易にもあの地へ送るなんて事は――いや、それでも私はきっと送り出していたと思います。それまでは然程脅威として捉えていませんでしたから。


 彼と接する様になったのは初代様の術式が施され、運悪く初代様の因子を持っていたが為に起動した泥の竜との戦いの後から。

 彼なら倒せてもおかしくないと思っていたのですが、詳しく話を聞いてみれば遠距離不適正だそうで。初代様の因子があるのにそんな不適正を持っている事に大変驚きました。もしかすると、初代様も遠距離不適正だったのか、それとも初代様の因子のお陰で30メートルまで射程を伸ばせたのか……分かりませんね。


 魔術適正を測ると曇りなき純白。

 純白適正とも呼べるソレは何色にも染まらない故に全ての魔術を、魔力に関わる技術の全てを扱えるという事を示していました。

 本人も望むままに魔術を扱えたと言っていたので、この適正なら頷けます。エルフだったら次代のクローディアに選んでいたかもしれませんね。

 魂を鑑定させてもらうと、多少の欠損はありましたが――今思えば“魔法”の行使で欠損したのでしょうか――初代様の因子や、汚れのない綺麗な魂。何者かに後から付随された害の無いよく分からないモノがありましたが、恐らく異世界人の言う神様からの贈り物なのでしょう。あまり弄ってはどうにかなってしまうし、魂が抜けて死んでしまうからその日は軽い鑑定で終わらせました。


 魔術協会の職員として無理矢理採用して、不定期的にその魂を観察して初代様の秘術に迫ろうとしましたが、結局分かったのは魔力行使の際に『ナニカ』を混ぜ込むくらいしか分かりませんでした。

 今となってはそれを知れないので、夜黒さんやシュレディンガーさんの言う通りなら魂の欠片を入れるという話ですが、私はソレは本来の導き方では無い様に思えます。


 そういえば私が開発した『転移魔術』も瞬きの様な時間で習得し、彼は改善点を示してより使いやすくしていましたね。

 その後は面倒――魔術協会員ではどうしようもない依頼を任せていましたが、魔術学園の一つで魂が抜き取られる事件が発生しました。禁術とも言えるソレが一生徒に扱えるとは思えませんが、夜黒さんになら頼めると思い依頼した結果、エスグリミスタという存在と戦う事になりました。

 エスグリミスタという自称神なる存在との戦いでは私でも見た事のない魔力の運用をしていました。後に“魔法”と呼ばれる技術のソレを夜黒さんが扱えていなければ、私も少しは戦い方を変えていたかもしれませんね。

 神域展開という技術はその残滓すらなく結局分からず終いでしたが、魔力とは別の力が関係しているという推測です。“魔法”も関わっているのかは分かりませんが、少なくともエスグリミスタは魔力では無い力で、ソレを行使していました。

 分からない、はもやもやしますが仕方ありませんね。


 その後は夜黒さんにエルフの里を探すついでに適当な仕事を任せて私の負担を減らしていたら、どうやらエルフの里を見つけたみたいです。

 どうやって見つけたのか気になりますが、そこでは精霊が活発になっていたみたいです。後から聞いた話では精霊王がその場に居たとか言ってましたね。


 その後も凍結案件を解決させていたら、シュレディンガーさんの訃報を聞きました。

 それからの夜黒さんは復讐に燃える存在とも言えるほど『黒の魔人』について詳しく調べていました。

 かつて目の前で自力脱出した女の子が敵となるとは思ってもみなかったのか、記憶を手繰り、情報を掻き集め、精霊王と共に行動していました。


 勇者召喚でも私の補助をし、運がいいのか悪いのか夜黒さんの知り合い――どうやら世界線は違うそうですが――を召喚して、面倒そうな導入が楽になりました。

 勇者様方にも魔術のコツを教えるなどしていましたし、仲は悪くないみたいですね。


 夜黒さんには本当に驚かされる毎日でした。そんな彼が、今はもういない。魂も輪廻に帰ることなく囚われている。

 力の一部が冬美さんに継承されたみたいですが、彼とは知らない仲ではありません。アルマ様そして勇者様方と黒の魔人を倒そうと、改めて決意しました。

 クローディアとなってからは久しぶりの激情とも呼べますね。何がなんでも、その気持ちで黒の魔人を狩らさせて頂きます。たかが二十年程度の小娘に負ける程、私は弱いクローディアではありません。


 アルマ様といい、夜黒さんといい、私の心をざわつかせるのはとても、特異な人の様ですね。

ブックマーク、感想、評価の方よろしくお願いします。

これで二章は終わり、明日から第三章を毎日一話ずつ投稿していきます。

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