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これは“世界”を救う物語。  作者: 高平めめこ
ヒトトセヤクロトイフモノ
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0-2-13 魂の鑑定

最近寒いですよね。

 なんやかんやで二週間が経った。

 基礎的な魔術は抑えられたと思う。日本の勉強と違ってゲームの攻略本みたいでめっちゃ楽しかった。まだまだ読み込んでいけば新たな発見がありそうだし、射程も二十五メートルくらいに伸びた。

 これで大抵の近接はどうにかなる。ちなみに踵爆裂キックをクローディアさんに見せたら面白い魔術の使い方だと褒められた。どうやら杖やら手やらで発動するのが一般的過ぎて考えた事もなかったそうだ。


 今覚えてる魔術は本当に基礎的なものでしかなく、『魔術の矢』系統と『魔力砲』系統だ。

 これらは頭に太いとか強いとかが付く派生があり、また属性派生もある大変基礎的な魔術となっている。これ知ってれば泥竜の頭打ち抜けた気がする。


 さて、今日はというと教科書の読み込み、ではなく検査の日だ。何故俺が近づくと泥竜が活性化したのかをクローディアさんに診てもらう。

 場所はここ最上階の執務室――ではなく地下の実験室。因みに地下の存在は公には公表されておらず、時のクローディアが人体実験するために増設したそうだ。曰く付きの場所だが、魂を視るから誰にもバレない地下で、ということらしい。


「お待たせしました。それじゃあ此処から地下に行きましょう。最初は怖いと思いますけど、慣れれば大丈夫ですよ」

「滑ってくんだな十階分も」

「階段より効率的で、出口も仮眠室なので安心です」


 螺旋滑り台を滑ること数分、地下室に辿り着く。中は魔力灯で照らされており、埃もなく清潔だ。

 とても人体実験していた場所には思えない。血の跡もなく、想像していたよりも綺麗で、何もないただ広い部屋だ。


「人体実験してた割には綺麗なんだな」

「時のクローディアは魂を専属に扱おうとしてましたから、死罪の決まった人間を此処で使っていたみたいですよ」

「そういえばクローディアさんは23代目なんだよな。そういう事を引き継いで43代目の黄泉比良坂の巫女になったのか?」

「私の場合は特例ですよ。検査が終わったら後回しにしていた事を全て話しますね」


 どうやら黄泉比良坂の巫女にはなるべくしてなったという訳ではなさそうだが、今は検査だ。


「それじゃあ失礼しますね」

「え、このままやる感じ?」

「はい。大人しくしててくださいよー」


 クローディアさんの右腕がぼんやりと光る。待て、それをどうするつもりだ。突っ込むのか!? 突っ込むよな!? それ、だって遠距離用の魔力放ってないもん!


 ズブリと腕が胸を貫くが、不思議と痛みは無かった。いや、痛くないが説明してよ。これめっちゃ怖いから。腕が胸に沈むってなに? そんで引き抜いた手にはなんか光る球持ってるし。

 それ、俺の魂じゃないよね? 死んじゃうよ、俺。


「うーん、多少の欠損があるのは何故でしょう? あ、此処が初代様の残滓と似てるから、発動したのかな? あの泥竜の魔術式にも初代様の名残があったから、多分それに反応したのかなぁ」


 なんか言ってますけど置いてけぼりです。


「それ以外は目立ったモノもないですし、多分そういうこと、だとしか思えませんね。あ、初代様の残した起動式が起動したらその証明にもなるかも」


 初代様って事は初代クローディアの事だよな。え、そいつと魂似ちゃってる感じか? そんで残したテクノロジーを俺が起動出来ちゃう的なやつか? 迷惑なんだが。

 クローディアさんが魂と思われる光る球を丁寧に戻してポーチの中を探る。


「えーと、起動式は確かこの辺に……あ、夜黒さんこれ触れてみて下さい」


 其処には一枚の紙。

 表面には墨で書いたような紋様があり、それがさっき言っていた起動式だと思われる。


「なんも分からんが、えい」


 触れただけでそれは起動した。

 見事に折り畳まれていき、最期には折り紙の鶴の形になる。これは見事な技だなぁー。


 証明されちゃったねぇ……初代クローディアの残したテクノロジー起動するって証明しちゃったねぇ……。


「わぁ、やっぱり。夜黒さんは初代様の因子を持ってるんですねぇ」

「因子?」

「魂は一つの塊ですけど、死んで輪廻に組み込まれるとバラバラになる、というのが現在の魂についての最新の見解です。初代様は気の遠くなる昔に亡くなっているので、その因子が混ざったのかもしれませんね」


 異世界の因子が世界を渡れる、新たな発見です! とクローディアさんは大はしゃぎだ。いや、いいよ? でもさ、それってことは残された泥竜みたいなやつと戦う場合も出てくるって事だよね。


 全く嬉しくないんだが。


 だがこれだけの魔術適正を持ってるのも納得がいく。あの神がここまでの事をするとは思えない。多分だがあれは成長を見て楽しむタイプだ。例え今際の際でもそれは変わらないだろう。

 だからこその純白適正。そう考えれば、そう考えなくてはやってられない。

 今回は単体で、しかもクローディアさんが居たから助かったが、もしこれが竜の群れを起動していたらとんでもない事だ。


「そんな顔しないで下さい。それに、初代様の残した術式は多分ですけどもうないと思いますよ。もしあれば黄金の魔力草みたいな魔力を素に形成される物体が定期的にとれる事になります。そういった事例は他に聞きませんから」


 なら、安心してもいいのだろうか。


「それにしても夜黒さんは綺麗な見た目通り綺麗な魂でしたね! 何か秘訣とかあるんですか?」

「いや知らんが」

「初代様については殆ど謎なので、これからも定期的に魂を見させてもらいますね」

「一度には見ないのか?」

「一応魂なんで。長時間抜けてると死んじゃいますよ?」

「あ、そうなのか」


 殺されかけたんだが。そしてこれからも定期的に死と隣合わせの実験するらしいんだが。いやまぁ、クローディアさんには逆らえないし、命救ってもらってるから気にしないけども。


 そんな訳で今日やるべき事は終わった。

 魂とか訳分からん世界の話は専門家に任せよう。


 あとは地下室から出るだけだ。

 地下室の奥に階段があり、天井に引き戸みたいな窪みがある。クローディアさんがそれを引くと天井が開き、仮眠室に出られた。

 よかった。誰もいなくて。


「それじゃあまた私の執務室で、色々とお話ししましょうか」

ブックマーク、感想、評価の方よろしくお願いします。

この時間は僕寝てるので本当に予約投稿ありがたいです。、

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