0-2-5 先達の教え
ギルド系のテンプレとは……?
そういえば第二章は平均2500字程です。
目を覚ます。
木枠の窓からは程よく朝日が入り、寝覚は最高とも言える。ベッドもそこそこ柔らかく寝やすかった。
「歯磨き……は洗浄の魔術でいいか」
口の中に洗浄の魔術を使い、何度かうがいをして朝のルーティンを終わらす。
今日から冒険者デビューねぇ。とりあえず戦闘は避けたい、というか此処に金を全部使ったから装備を整える方法がない。いくら避けられても攻撃出来なきゃ意味がない。
そんな訳で当面の目的は武器の購入の為の資金稼ぎ。戦わずとも稼げる事はギルドの受付係から聞いている。
「薬草の採取とかがベターなんだが、依頼を見ないと分からないな」
「お食事になりまーす」
「あぁ、どうも」
てことは今は朝の六時か。幸いこの世界の時間の進み方、一年の日数は地球と変わらない。少々早い気もするが、良い依頼の取り合いでもある朝に出遅れる訳には行かないとのことで、この時間らしい。
その辺は自分に今は関係ないから良いが、その内パーティを組んだりするのだろうか。自分が? いやないな。確かに回避盾として優秀かもしれないが、仲間の攻撃に当たりそうだ。いやそんな事はないんだが。
「ヤクロさん、いってらっしゃい!」
「あぁ女将さん。行ってきます」
冒険者ギルドに着くと依頼表の前が凄い事になっていた。日本のタイムセールでも此処までの死闘は起こらないだろう。
「あ、テメェそれは俺達んだ!!」
「これもらうぜぇ!!」
「このヤロ横から取るな!!」
「あー!! 昨日目ぇ付けてたのなぁい!!」
なんというか、すごい。
とりあえず夜は酒飲みの席になるテーブルに腰掛けてその様子を見守る。
「おや、新人さんかい?」
「あ、はい」
右目に大きな傷跡をつけ、眼帯をした人物から声を掛けられる。先に座ってた人物であり、此方を見てなかったから一瞬惚けてしまった。
「いやぁ、これは毎朝恒例でね。残るのは採取系とか割に合わない討伐系、後は個人依頼とかなんだよ」
「やっぱりギルドからのじゃないと受けないんですね」
「そりゃそうさ、俺の右目も個人依頼でやられた口さ。先輩としての忠告として、個人依頼は受けない方がいい。ギルドからの信頼はギルドの依頼で満たせばいいのさ」
「それじゃあ困ってる人達は……」
「本当にヤバかったら騎士様達がお動きになるのさ。国も税金の為なら騎士様を動員する。早く動けばいいのにねぇ。困った話だよ」
この都市はアテナ王国という国の一都市に過ぎないらしい。東西に分かれた大陸の東大陸で最も大きな国、それがアテナ王国。
昨日の受付係からその辺の話は聞いており、騎士なる存在が戦闘のエリートであることも聞いている。
「まあ本格的にヤバいやつ――竜種の群れなんかはクローディア様や七騎士様なんかが相手にする。そんで昨日、クローディア様が来たってわけよ」
「やばい依頼があると?」
「そ、とびきりやばいのだ。黒竜の討伐。昔から黒い存在は嫌われててね。おっと、お前さんは黒髪黒目だったな。お貴族様には気をつけな」
「……忌み子の様なものですか?」
「まあお貴族様はその辺に厳しいのさ。髪色を変える染料とかあるから、お貴族様の依頼の時は髪だけでも変えときな。まあ俺ら冒険者は気にしない――おっと、お喋りが過ぎたなパーティメンバーが呼んでら」
「お気をつけて」
「おう、お前さんもなー」
黒髪黒目は忌み嫌われている。
この事実を知れたのは大きいな。それに貴族について少し。先輩冒険者と仲良くするのはアリかもしれないな。名前を聞きそびれたが、あれだけ特徴のある人だ。またいずれ会えるだろう。
さて、依頼表をみるが、本当に良さそうな依頼は一切ない。あるのは採取系と、ゴブリンの巣の根絶に、怪しげな個人依頼。
ふーむ、この依頼とかいいんじゃないか? 魔術協会からの依頼で黄金の魔力草一本の採取。銀貨三十枚も貰えるし。
……一本てのが引っ掛かるが、まぁ、今日中に果たせなくても問題はない。依頼に期限が書かれていない限りは無期限として扱っていいそうだ。
「これを」
「こ、これですか?」
明らかに顔色がよくない。そんなに割に合わない依頼なのだろうか。それとも魔術協会があまり良くない組織なのか。
昨日の受付係の話では協力体制にあるって聞いてたから良いと思ったんだがな。
「採取ならなんとかなるかなって」
「昨日登録された方ですよね? 当ギルドとしてはあまりお勧めしませんが」
「戦闘がなければ大丈夫かと」
大分悩むな。
今からでも変えて、他のにすべきか?
「魔術は扱えますか?」
「一通りなら」
「……それでは、受領します。お気をつけて」
おお、通ったぞ。
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変に絡まれ無くて良かったね。夜黒くん。
ちなみに夜黒くんは基本的にTRPGで言うところの成功ないしクリティカルです。運が良い男ですね。




