エピローグ
二か月後。
「伊織くーん!」
「どうした?」
「聞いてくれ。昨日、新しい洋服を買ったんだ。……次のデートで見せる為の」
「まじか、早く見たい。てか、早くデートしたい」
「私もだ」
教室で繰り広げられるイチャイチャにクラスメイトはもう慣れたと言わんばかりに呆れているようだ。あれから二か月、俺と湊は正式に付き合うことになり、今では学校一のバカップルと呼ばれている。
「二人とも良く飽きないにゃ」
「本当にな」
近くの席で俺たちを見ている凛とユウキ先輩も付き合いたての頃はからかっていたが今では意味がないと察したのか、ただ見守るだけになった。
「伊織君、今日も一緒に帰ろう?」
「当然だ。湊ともっと一緒にいたいからな」
「やった! 今日の晩御飯は私が作るぞ。……お風呂一緒に入っちゃう?」
「まだ早いんじゃないか? 俺は入りたいけど」
「そ、そうだな。私も入りたいけど」
「……入る?」
「……うん」
『リア充爆発してくれ』(クラスメイト一同)
SNSで繋がった犬猿の仲の二人。
出会いこそ最悪だったかもしれない。だが、本当の相手を知って過ごして。
学校一の相容れない二人は、学校一の夫婦になったのだった。




