表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

作戦決行 後編

次に向かったのは中流階級の者の住む区画である。

ここにシロフクロウと恋人の住む家がある。

ここでシロフクロウとばったり会ったらまずいが、赤い雛を捜索中とジャックは踏んだ。

家をノックすると、若い女性が現れた。


「どちら様ですか?」


「初めまして。 シロフクロウ殿の住まいはこちらでしょうか?」


「シロフクロウ? あ、はい。 そうですが……」


シロフクロウとは職場での呼び名だが、彼女はそれを察したようだ。


その瞬間、ジャックは鋭い一撃を彼女のみぞおちに見舞った。


「ぐっ……」


気を失った彼女をかついで部屋の中に入り、ベッドに寝かせた。

すぐさま隠れ家から調達した青い薬を通常の3倍、彼女の口に含ませ盛った。

この量を人体に盛ると、仮死状態となり、赤い薬を飲まなければ元に戻らない。


ジャックは紙とペンを取り出し、シロフクロウ宛に書き置きを残した。





シロフクロウへ


彼女は息絶えた。

もし生き返らせたければ、タマネギの元に行き、赤い雛を取ってこい。

その血で彼女は元に戻る。





タマネギの元に赤い雛が渡ったため、捜索は打ち切られる。

シロフクロウは間もなくこの手紙を読むはずだ。


ジャックは家の近くに張り込み、シロフクロウが帰ってくるのを待った。

予想通り、シロフクロウが家に帰ってくると、血相を変えて家から飛び出してきた。


「手紙を読んだな」


すかさず、ジャックは家の扉にもう一枚の書き置きを貼り付けた。





シロフクロウへ


彼女は赤い雛の血では目覚めない。

俺の持つ赤い薬が必要だ。

夜中の10時に酒場に来い。

赤い雛と薬を交換してやる。





ジャックは酒場へと向かった。

シロフクロウが赤い雛を取ってこれなければ、本末転倒だが……


ジャックが酒場で待っていると、シロフクロウは現れた。

雛の入った籠を持っている。


「赤い薬を渡せ!」


「雛が先だ」


籠を受け取ると、赤い薬を渡した。


「粉のまま口に含ませろ。 そうすれば仮死状態が解ける」


「……お前は恐ろしいやつだ」


後ろから衛兵が現れ、2人の元にやって来た。


「タマネギ殺害の容疑でシロフクロウ、貴様を連行する」


シロフクロウは、その前に寄りたい所があると言ってその場を去った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ