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始まり

主人公の名はジャック。

年は30で、薬剤師をしている。

この男にはある異名があった。


「黒い薬剤師」





ガタン、ゴトン……

列車に揺られ、ジャックは眠りに落ちそうになっていた。

時刻は夕方の6時。


「やることがなさ過ぎる」


田舎へ帰る道中、毎回この列車を使うが、たどり着くまで1日以上はかかる。

ジャックは立ち上がって、食事を取ろうとレストランに向かった。

この列車には長旅に備え、レストランや宿泊するための個室がある。

移動は快適だが、その分料金も高い。

この列車を利用するのは金持ちがほとんどだった。


レストランに到着し、ウェイトレスの案内に従う。

席に通され、メニューを読む。


「ワインに合う肉料理にしよう」


「かしこまりました」


「あとピーナッツ」


しばらくすると、ステーキとピーナッツが運ばれてきた。


「何だこれは? 俺はピーナッツなんて頼んでないが?」


すると、ポリポリとそれをついばむ何かが目に入った。


「……?」


そこには、赤い体をした手のひらサイズの鳥の雛がいた。

そして、その雛は流暢にしゃべり始めた。


「1個なら食べてもいいですよ!」


ジャックは窓を開け、雛を掴み取ると外に放り投げた。


「ビエエエエエ……」


鳥の断末魔が一瞬聞こえたが、気にせず食事の続きを始めた。

すると、またしても邪魔が入った。


「すいません、赤い鳥の雛を見ませんでしたか?」


白い服を着て、腰に剣を携さえた男がそう訪ねてきた。


「……あなたのペットか?」


「ペットというよりは、商品ですね。 どうやら籠から抜け出したらしいのです。 とても珍しい品種の鳥でして」


「……知りませんね」


まさかさっき列車から放り投げたやつか……

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