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6ダンジョンとカード

「アニキ着きやしたぜ」


 あれ? いつのまにか、着いたらしい、ほほぅ、これがダンジョンか!


「広いな、それじゃあ、はいる?」


「行くっすよアニキ」

「……ワクワク」


 リルルは少し怖がってるのか、俺の背中にしがみついてる。


「アニキ、魔物いるっすよ」


 早速かよ、うおっ、気持ち悪いな、ぐにょりとした青いあれだな、スライムか。


「よし、アドンさん、ドドリアンさん、懲らしめてあげなさい」


「いやっほぅ〜」

「……えっ?」


 リルルは完全に怖がってしまったのか、背中をよじ登り始めた、いや違うな、こいつ遊んどる。


「ていっ」


 リルルを背中から引っぺがして投げて遊んでたら、スライム倒してた。


「アニキ、これが魔石っすよ」


 白くて小さい石だな、これが魔石、カネか……


「ちょっと、焼くか」


「いやいや、ちょっとアニキ、何するんすか!」

「……おいしくない、よ?」


 しかしスライム、思ったより素早くて、ちょっとビビったのは内緒だ。


「お前等、結構やるじゃない、うん」


 力が強いのは知ってたけど、素早さもかなりあるのね。


「へへっ、俺達はネコン族だから素早さは自信あるっすよ」


 ちっ、とうとう、そこに触れちまったか……そう、この二人、この顔で猫耳付いてます。

 ……アドンは、まぁいい、いやいや良くはないけど、まぁ、イラッ、くらいで済むからな、慣れると、むしろ笑ってしまいそうになる時さえある。



「そ、そぅか、頼りになるな」


「へへっ、白はしょぼい魔石で黒になるほど凄え奴っす」


「ほぅ〜」


「これをカードに入れると円になるっすよ」


「……はぁ?」


 カードに入れる? 何言ってんだ、そうか、アドンはちょっと疲れてんだな。


「アドン、わかった、ありがとな、早く帰って休もうな」


「なんすか、アニキ、その目はやめてくれっす! なんか無性にやるせない気持ちになるっすよ!」


「はぁ、お前なぁ、カードに入れるったって」


「ほ、ほら入るんすよ」


 アドンがカードを魔石に触れた瞬間、消えた?

「うそぉ〜」


「ね、入ったでしょ?」


 カードには百円と書いてある


「なんだこりゃ」


「カードに入れたらカードを合わせるだけで買い物出来たりしやすよ」


「そのカード、皆持ってんのか?」


「スラムの奴らは持ってねぇ奴も居ますが基本持ってますぜ、百円で買えますし」


 なんてカードがありやがるんだ……


「ちょっと魔石もっかい見せてくれ」


「いやいやアニキ、一回円にしたらもう戻せませんよ」


「ハァ? つまりはカードに入れるんじゃなくて売ったって事か?」


「そうっす、そうっす、まぁ百円で同じ価値の魔石買えますんで、入れるのと一緒っすよ」


 いや、ちょっと待て、違うだろ……


「おい、あの魔石は何処に行ったんだ?」


「えっ? いや、だからカードに」


「カードに入れたら、取り出せないとおかしいだろ」


「そ、そうなんすか?」


「じゃあ、その円っての見せてくれ」


「へっ? このカードの数字っすけど……」



 見つけたぁああ、わかりやすい俺の敵!

「こんの、クソカードかぁああああ!」


「このカードを作って、魔石を集めてるクソ野郎がカネを作り、人を利用する、この世界で俺の敵だ!」


「あ、アニキ」

「……おにぃ」

「ゆーま?」


「このカード、魔石を集めて、数字を渡す、誰がこんなもん作ったんだよ!」


「あっ!」

「……!」

「ほんとだ」


「これじゃあ、俺が元いた世界と変わらないじゃねぇか! 本来なんの価値も無いナニカに皆、夢中になっちまう」


「こんな数字に意味を持たせるから、駄目になる、お前等はそんな数字の為に苦しみ、絶望する奴らを見てどうよ?」


「なるほどっす、それがアニキの思いですね」

「……まずはカード破る」


 アドンとドゴンが躊躇う事なく、カードを破り捨てた。


「おっ、お前等……」


「アニキの敵、理想、今胸に刻みました」

「……ドゴン、この世、全てのカードを討ち滅ぼす者の名」

「うん、カードだけじゃなくてそのナニカが嫌なんだね、リルルも嫌!」


 きっとカード全てを消しても、その概念は消えない、でも一つずつやろう。



「よし、俺はカネは嫌いだが魔石は気に入ったぜまぁやる事は変わんねぇしな、最高のスラムにしてやろうや」


「おす、帰りましょう、皆に伝えないと」

「……お兄ちゃんの思い、すぐに、届けます!」


「リルルも……」




《装備:》

《持ち物:リルル》

《兎耳:アドン》

《兎耳:ドドリアン》


次はリルル編です。

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