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2薬草探しと魚

 朝、起きたらリルルがいない事に気が付いた。


「目が見えない癖にうろちょろと」


 少し心配になり、下のカウンターに行く。


「おい、婆さんリルルを見なかったか?」


 居た、なんだ、婆さんの肩を叩いている。


「おい、婆さん、なんだ孫が欲しくなったのか?」


 凄い似合ってるな。


「馬鹿言うんじゃないよ、リルルが何か手伝いたいって言うからさね」


 婆さんが顔を赤くして仕事料の百円と二人分の食事を渡してきた。


「リルル、ありがとうね、いい腕だよ、またお願いするね」


「リルル、ユーマと一緒、お金嫌い。 お金欲しいからやったんじゃない」


 くっ!? ちくしょう、泣かんぞ。


「そ、そうかぃ、ありがとうね、リルル」


 ははっ、鬼婆の目に涙か。


 二人で朝飯を食べながら、リルルを撫でる。



「よし、さっさと飯食って、森に行って来るからな」


「森?」


「あぁ森で、薬草採ったり、肉探したりな」


「リルルも行く」


 さて、面倒臭い事になったな、ほっといて、うろちょろされても困るし、かといって森は魔物も弱いが出るらしい、危険性はあるな。


「分かった、うろちょろするなよ」


「うん」


 尻尾を見ると感情が一目瞭然だな、ぶんぶんしすぎだろ。




 さて、森に来たのはいいが薬草が見当たらない。


「おっ、やっと一個ゲットだ」

 薬草は必要だ。


「ゆーま、リルルが持つ」


 リルルに薬草を渡したら、薬草の匂いを嗅いで四つん這いになった。


「くんくん」


 ははっ、警察犬の様だ。


「おいおい、無理すんな」


「くんくん、無理じゃない」


 四つん這いリルルの後を歩いてると、不思議な気分になるな。


「……首輪が似合うな、きっと」


「ゆーまは変態」


「失言だ、忘れろ」


「薬草あった」


 本当に見つけるとは、確かに薬草だ! 


「凄いな、びっくりだぞ」


「むふん、ご主人様ほめて」


「俺が悪かったよ、頼むから忘れてくれ」



 その後、薬草探しはリルルのおかげで、ノルマ以上に見つける事が出来た。




《装備:》

《持ち物:薬草26》

《ペット:リルル》




――2――




「リルル下がってろ!」


 ようやく食料が見つかった、でかい猪だ。


「悪いが食わせもらうぞ!」


 猪に突進して顎を頭突きでかち上げて、喉に噛み付く。


「がぁああああ」


 お前の命を奪う、神様すまねぇ!


「んぐぁああああああ」


 喉を噛みながら全力で猪を振り回す。


 昨日より体に力が入る、猪は直にビクンと痙攣し死んだ。


「顎が痛い、しかしでかいな」


 リルルがぽかーんとしてる。


「終わったぞ、帰ろう」


「ゆ、ゆーまは獣人より獣人」


 なんだそりゃ、あぁ。


「やめろ、照れるだろうが」


「褒めてな……格好いい」


「複雑な気持ちになったがまぁいい、それより見えない癖に格好いいは無いだろが!」


「見えないけど、リルルも獣人レベル2、音の反響で大体わかる」


 凄いな獣人。 


「えっへん」


「褒めてねぇから」


「むぅ」


 見えないと思ってはっちゃけすぎたな、昨日の晩の、あんな事やこんな事もばれてるかもしれんな。


「よいしょっと、さぁ帰るか」


「うん」


 スラムに戻ったら子供らが集まって来た。


「ゆーまにいちゃんだ!」

「凄い、大きい!」

「すげえ!」


 ははっ


「おい、お前ら調理手伝え! 皆で食うぞ」


「「「おおーっ!」」」


 ガキはこうでなくっちゃな。


「あのーあたし達もいいでしょうか?」


 子供等の親かな? これまた、がりがりな女達だ。


「あぁ、料理は任せる、ガキらの分優先で余ったら皆で好きに食え」


「あ、ありがとうございます」


 あっ、婆さんの分、何か欲しいけどな。


「なら、解体は俺らに任せるてくれ」


 うわぁあああ、なんて凶悪、そうなでかい二人組だ。


「お、おう、任せるわ、ちゃんと仲良く分けろよ」


「おう、ありがとよユーマ」


「お、おう、俺はちょっと出掛けるから、リルル見ててくれ、おいリルルもちゃんと食えよ」


「ゆーまと一緒がいい」


「野暮用だ、すぐに戻るいい子にしてろ」


「むぅ、わかった」




 一人森の方に向かう、森の途中の川が目当てだ。


「この辺でいいか」


 よし水浴びだ、思い切り川に飛び込む、中々気持ちがいいな。


 水浴びの途中で偶然魚もゲットしたしな、ふふ、ルンルンで街に戻る。




「おせえぞユーマさんって、どうしたんだよ!?」


「あぁ風呂に入りたくてな」


 全く俺も日本人だな。



「ゆーま! 真っ青!」


「ゆう坊、何してんだい!」


「婆さん、居たのか、いや体洗いたくてな、ついでに魚もとれたぞ、ほれ婆さんは魚でも食ってろ。 く、食えるよな、この魚?」


 毒ないよね?


「この真冬に川なんぞ入る馬鹿がおるか!」


「俺の故郷は綺麗好きで、風呂好きなんだよ」


 おぉ肉料理だ、うめぇな。 


「ゆーま、体冷たい」


「リルルはあったかいな、ぎゅっとしてて、いいぞ」



 宿に戻って体をお湯で拭きリルルとまったりしてると、婆さんが乱入して来た。


「ゆう坊、魚はもういいからね」


「何だ美味くなかったのかあの魚」


「あほか! 美味しかったよ、他のご飯が食べれ無くなっちまったらどうしてくれるんだい」


「知るか!」


「暖かくなったら、また頼むよ」


「あぁ」


 全く、なんてわがままな婆さんなんだ。




《装備:》

《持ち物:薬草26》

《湯たんぽ:リルル》


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