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14みんなと風呂

 いゃ〜久しぶりに騒いちゃったな、飲み比べ出来る相手は貴重だな、楽しみが増えた。


 ありゃ珍しくリルルとエルルが寝ぼすけだ、たまにはこういうのも悪くない、内緒だがこの二人結構寝相が悪い、まったくレディーなんだから、ちょっとは俺を見習って欲しい。


 二人をちょっともふもふして布団をかけ直す。



 婆さんに朝飯を頼みに来たら先客が居た、バンガインの爺さんじゃねぇか、もしかしてこの二人、ははぁ〜ん、なるほどね、よし、俺は空気のよめる男、ここは黙って様子を見よう。



「どうだい、新しい住家は」


「ガハハッ、比べ物にならんわ」


「そうかい、それはよかったさね」



 これは、ひょっとしてまじか、と思ってきたら、隣にリルルとエルルがくっついてた、口に指を立て静かにサインを送る。


「ちゅーするかもしれないわ!」


「あほっ……もっと凄い事が始まっちまうかもしれない」


「始まってたまるかい!」


 なんだ、ばれちまったか。


「いやいや、なかなかお似合いで、じゃまかなと思ってな」


 ふぅ〜ひやひやしたぜ。


「で、朝っぱらからどうしたよ、飲みたんねぇのか?」


「グハッ、おぬし実はドワーフじゃあるまいな?」


「ははっ、あの程度の量食前酒だろ?」


「おぬしがドワーフなら恐怖すら感じるわい」



「とりあえず、ばっちゃん飯くれ」


「あいよ」


  飯も食い終り、ダンジョンにでも繰り出そうかと思っていたら、バンガインが、引き止める、やはり何やら話しがあるらしい。


「おぬしに頼みがあっての」


「おっ、なんだよ? 勿体振るな」


「いやいや、なに簡単な事じゃわい、これをやるからダンジョンの壁を持って来て欲しいんじゃよ」


 そう言って、バンガインは物が沢山入る魔法の様な、アイテムバッグ、を渡してきた。


「アイテムバッグの中に必要なツルハシなども入っちょる、何階層でも構わんが下の階層ほどワシが喜ぶぞ」


「ちっ、面倒だが任せとけ、量は適当でいいんだな?」


「うむ、先ずはマックスの修業にヤジリを大量に作ろうかと思っとるが、何か鉄製品が欲しいならいつでも言うとええわい」


「おっ、まじか〜、太っぱらだねぇ〜、今は思いつかねぇけど助かるわ」


 これは面白くなってきたな鉄製の欲しい物か、う〜ん、むむむむむー。


「リルルやエルルは鉄で欲しい物あるか?」


「わかんない」

「そうね、ヤジリがあれば他はわかんないわ!」

「……しゅん」


 じじいが落ち込むんじゃねぇよ、面倒くさいじじいだな。


「そ、そうだなスラムのみんなの欲しいもん頼むわ、源さんわ大工だからいろいろ欲しい道具もあるだろうしな」


 バンガインの瞳に光が戻る。


「おおっ、ワシの住家を作ってくれた者じゃな、早速行ってみるかの」


 ……本当に人ぎらいなのか怪しいな、あの目、さみしがりやの子兎かと思って焦ったわ!



 そしてダンジョンである、今日は弓矢部隊に一階層を任して俺、アドン、ドゴンの三人は下の階層の壁をゲットする事にしよう。


「リルルもついてく」

「あら、私もいくわ!」


 あぶない、ダメに決まってるだろ。


「リルルとエルルは弓矢部隊のリーダーだろ、お前達が抜けてどうすんだよ?」


「むむっ、リーダー?」

「そっ、そうね、そうだったわ!」


 よしっ、勝った。


「あぁ、心強いな、暇があったらみんなこのツルハシで壁、砕いといてくれ、持って帰って鉄にすっから」


「リルルわかった、リーダー頑張る」

「そうね、リーダーとして頑張るわ!」


 さぁ地下二階で腹ごしらえしてから頑張るか、今日は力仕事になりそうだからな。



 ダンジョンの三階の長い蛇、四階のでかい猪をかじりながら壁を採取、思ってたより重労働だ、ついでにレベルが上がったがやはりたいした変化は無い、へとへとになって一階に戻ると弓矢部隊のみんなも頑張りすぎだろってくらいの元壁が山になってた。



「おおっ、スゲーな、今日はもう帰ろうや!」


「うん、つかれた」

「ほんとね、つかれたわ!」



 スラムに帰る途中、食料も確保、いやぁ〜アイテムバッグまじで便利だわ〜。


 我がスラムに到着したら源さんが、子供の様にはしゃいで俺を迎えてくれた、まったく大人げない、そんなに腹減ったなら先食っときゃいいのに。


「こっちこっち、ほら、じゃ〜ん!」


 なんだよ? やけにテンション高いな、子供の様なオッサンである。


「わかったから引っ張る……な?」


 こ、これは!?


「完成したのか! 源さん!」


「あぁ、バンガインさんも協力してくれてね、思ったよりでっかくなっちゃった、勿論男女別で両方あるよ!」


「ひゃっほぉお〜〜、おい風呂だぁ〜〜みんなで入んぞ〜!」


「何? ふろって」


「裸になって湯に入るんだ疲れがふっとぶぞ!」


 ダッシュで男湯に突入、一番乗りである。


「先ずはかけ湯、そして、ダーイブ!」


 ザパーンとお湯と共に疲れが流れていく。


「くぁあああ〜たまらんっ」


 はぁ〜これだよ、一仕事終えた後の風呂は格別だぜ。


「アニキーはしゃぎすぎっすよ、これ入っていいんすか?」


「馬鹿、かけ湯して入るんだよ、早くこい、最高だぞ」


「……ジー」


「ユーマくん、速いよ! この石鹸葉も使うといいよ」


 おおっ、パーフェクトだ!


「おいっ、源さんもバンじいも入れよ、ガキらもはやく来い!」


「わーい」

「はずかしいよー」


「こりゃええわい」


「あぁたまらんっな! 今度風呂入りながら酒呑もうぜ、格別だぞ!」


「なんじゃと!?」


「おーい酒持って来て〜」


「馬鹿、今日はツマミがねぇだろ、明日準備しといてやるから我慢しろって、そうだ、醤油ってあるのか?」


「そりゃあ、あるっすよ」


 あんのかよ、こりゃ〜楽しみがふえたな。




《装備:》

《持ち物:白魔石色々、青魔石少々、アイテムバッグ、ツルハシ》

《お風呂って気持ちいい:リルル、エルル》

《はぁ〜:アドン》

《はわわわ:ドゴン》

《はぁ〜:源さん》

《明日までガマンじゃ:バンガイン》

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