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12マックスとバンガイン

明けましておめでとうございます。

 今日は子供達と大人達で弓矢部隊を結成した、その数およそ30人、中々の数だ、頑張って弓矢作ってくれた源さん達に感謝だな。

「よし、十人ずつ横に並んで、三列作ろう」


「こんな感じっすか?」


「いい感じだ、これで先頭の列が矢を放ったら、次の列が先頭になり矢を放つ、この繰り返しだ」


「つまり矢を放ったら後ろに下がり準備するのね」


「流石はアルル、その通りだ」



 森で練習する事一時間中々形になってきたと思う。


「さぁ、ダンジョンに行って皆レベルアップ、魔石もゲット作戦だ!」


「リルル、がんばる」 「がんばるわ!」


「アニキ、俺達は護衛って感じなんですよね」


「横と後ろの敵は俺達で殲滅すんぞ」


「アニキ、こりゃあすげえ作戦だぜ!」

「……ドゴンがんばる!」



 早速ダンジョンに到着、みんなノリノリだな。


「よし、ユーマの陣、開始だ!」


「「「おぅ」」」


 スライムが現れた瞬間十の矢に貫かれ魔石になった、そして子供二人がレベルアップした。


「うわっ、やった〜」

「わわっ、光ったよ」


 思ったより上手く行きそうだな。


 そう思ってたが、どうやら問題児を発見してしまったようだ。


「なんだよ、弓なんか、つまんねぇ俺も剣の方がいい!」



「あいつは悪ガキのマックスっすよ」


 悪ガキか、俺もよく言われたな。


「俺達と一緒じゃねぇか」


「ま、まぁ、そうなんですがね、あいつは手癖が悪いというか」


 ははぁーん盗みか。


「なんだ、威勢のいいガキじゃねぇの」


「はぁ〜、あいつはちょっと問題児で冒険者から剣を狙うんすよ、この前もボロボロになって逃げ帰ってきやがって」


 ほぅ〜



「おいっ、マックスちょっと来い!」


「な、なんだよ?」


「お前、剣が欲しいんだってな、なんでだ?」


「えっ? だって格好いいじゃねぇか!」


「なんだ、冒険者になりてぇのか?」


 マックスが何故か泣きそうで怒ってやがる。


「違う! 俺は剣をもっと見たいんだ!」


 ありゃ、違うのか、剣が見たいか。


「なんで剣を見たいんだよ?」


「うるせぇ! 関係ないだろ!」


 ぷっちーん


 いやいや大丈夫、ユーマくんはクールでしょ、あんな子供に怒ったら駄目だよ。


「くそったれがあああああああ!」


「あ、アニキ!」

「……逃げろ」



 ちっ逃げられたか



 結果、弓部隊はなかなかの成果を上げた。


 そしてスラムの飲みアジトである。


「……がじがじ」


「アニキよく魔石なんてかじれますね、しらふで」


 なんか、まずいのが癖になってきた、珍味みたいなもんかね?


「で、あのガキは?」


「だ、駄目っすよ、いじめちゃ」

「……はらはら」


 イジメるか!


「なんで剣が見たいんだろうな?」


「……あぁ〜」


「知ってんのか? アドン?」


「まぁ、多分ってか、あいつ両親居ないんで」


「ほぅ、んで?」


「あいつの親、元鍛治師でしたから……」


 ふ〜ん、なるほどな。


「そうか、よし分かった、ちょっと出かけてくらぁ」


「アニキ、駄目っすよ、マックスびびって本気泣きしてたっすから!」

「……マックス、にげてー!」


 なんで今の話聞いて、追い討ちかけるんだよ!


「アホ、ちょっと野暮用だ、マックスに怒った事なんか無いわ」


「えっ?」

「……」

「ゆーま……」

「びっくりしたわ!」




 さて、ぶらぶらと街をぶらつく、そういえば初めてだな、こういうのもなかなか悪くない。


「よぉ、なかなかいい剣だな、この街の武器屋で買ったのか?」


「なんだお前は?」


「いや、見事だな剣だと思ってな、俺もそんないい剣が欲しくてよ、教えて欲しいんだ」


「えっ、あぁ、そうか? いいぜ、こりゃあな……」



「この街でこの最高の武器屋ってここか?」


「お? おぅ、まぁそうだな、なかなかわかってるな!」


「だがやっぱり高いな、もっと安い武器屋ってあるか?」


「なんだ、しょうがねぇなぁ、それなら……」




 ふぅ、ここが最後か。


「よぉじゃますんぜ」

「帰れ!」


 がっ、こんの糞じじい!


「帰らねぇよ! 剣見せやがれ!」


「ふん! こわっぱに売る剣なぞ無いわ! 帰れ!」


 このじじい、よし、わかった、この勝負受けてやんよ!




――次の日――




 あー昨日は本当にびびったな、まさかいきなり怒鳴られるとは、カルシウム足らな過ぎだろ、魚食べた方がいい。


 さてと今日は森にでも行こうかなと家から出た瞬間、誰かに捕まった!


「だ、誰だ!」


 なんて早業だ、俺を担いで走るだと!?  ヤバい、何者だ! 怪物みたいな力だ!


「ぐっ、はなせ!」


「あぁ、もう着いた、マックス、おはようさん」


 あああああぁああ、昨日の鬼のユーマだ! 絶体絶命だ! 誰か助けて!


「なんて顔しやがる、失礼なガキだ、バンガインさん、このガキがマックス、どうかよろしくお願いします!」


「ふんっ、わかったわい、お前がマックスか、ええじゃろ、覚悟するんじゃな」


「よぉ、マックス逃げれると思うなよ」


 ユーマは俺を睨みつけ何処かに行った。



 な、何がどうなってんの!


「何じゃその顔は、ふむっ、なるほどの、説明無しか、ガハハハ」


「説明も何も、家出たらいきなり拉致されて、俺をどうするつもりなんだよ!」


 バンガインって呼ばれてた恐い爺さんがニヤリと笑う、ひっ、恐い!


「なに、ユーマの頼みでな、マックスお前を一人前の武器職人にしてやるわ!」


 えっ? 俺が剣を作る? そう考えた時にはもう、涙が止まらなかった。




《装備:》

《持ち物:》

《鬼の師匠:バンガイン》

《鬼の様な兄:ユーマ》


今年もよろしくお願いします。

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