プロローグ
目指すはチャリティイベントだ。
この世界はくそだ。
カネ、カネ、カネ、カネだ!
金の為に働いて、金の為に生きる、金持ちが貧乏人を見下し、金の為犯罪を犯す、この世界がカネが憎い。
こんな世界にした神を怨むわ、まじで。
こんなくそったれな世界をもう愛せる訳がない。
「……父さん、母さん、ありがとう、ごめんなさい」
ユーマ、マッケンジーは家族と友を苦しめ、潰した、カネとカネに支配された世界と神を怨みながら崖に身を投げた。
――俺は、いきてる、のか――
「うああぁ〜ん、ごめんなさいぃ」
何なんだよ、くそっ。 頭痛いし、泣き喚いてやがるし。 俺、生きてるし……
「何なんだ、くそっ、ちょっと、おい、お前泣くな、頭に響くだろうが!」
「うぅ〜、だって嫌われてるから……」
訳が分からん、まず何処だここは。
「お前が俺を助けたのか?」
体に怪我が無い、あの高さから落ちたのに。
「うぅん、死んじゃったの、うぐ〜」
そっか……
「じゃあ、お前が神か?」
もしそうなら、八つ当たりだと分かってても腹が立つな、一言物申したい。
「神って呼ぶ人も居るけど……」
ちっ、くそっ、好みのタイプでいい女だなと思ったけど。
「素晴らしい、世界をありがとうございました! どうぞ早く消して下さいませ!」
くそっ、もう誰も恨みたくないんだよ
「ひぐっ、貴方の事、守れなくてごめんね、あたし達にもっと力があったら」
……達か、沢山いるのか、ってうぉー!
「めちゃくちゃいるんですけどー!」
「うん、皆あたしの家族! 皆達の半身だよ」
見渡す限り、物凄い数の神様? が鬼の形相でパソコンの様なの弄ってる、皆めちゃんこ忙しそうだな。
「お、おい、大丈夫なのか、これ」
何か問題でもあったのかこれ、尋常じゃない様子だ、世界の危機的な何かか? ま、まぁあんな世界にもう未練は無い、が……
「うん、平気平気、いつも大体こうだからね」
……神様思ってたより、めちゃくちゃハードだな……ちっ
「そっか、八つ当たりしたな、俺が悪かったよ、ごめんな」
神様、半泣きで頑張ってるのかよ、まじでか……。
「まぁ、あれだ、出来たら、もうちょっとだけ皆に平等に優しい世界をよろしくな、神様」
これ以上頼むと倒れそうだ、まじブラックだな。
「ぐすっ、あたし達も祈る事しか出来ないの、あたし達に出来るの事は愛する半身の自動化だけなの」
……ん? 愛? いやいや自動化?
「お、おぅ?……お前の半身、おれか?」
「むぅ、お前は嫌、ユナだよ、ユーマの半身だよ、すべての魂に一人ずつ愛してるからね」
まじかーユナかーまじで? どストライクです、愛か〜まいったな。
「もっと早く出会いたかった、って自動化?」
寝てる間に勝手に動くのか、やだな。
「うんうん、寝てる間に息したり、心臓動かしたり、普段無意識でやってるのをこうポチポチとね」
…………………………
……………………………………………………へ?
つ、つまりなんだ筋肉や脳の信号的な動きをしてくれて、下さっていたのか、……休みなく無償で……俺達の為にか。
「な、なんで泣いちゃうの、泣かないで」
「ああ、いや、ぐっ」
……俺らはこんなにも愛されて……なんだよ、神様まじかー皆様めちゃくちゃすげぇな、ブラックとか思ってすいません!
「おれ、し、しんでごめんな、あんなめちゃくちゃ頑張ってくれただなんて、知らなくて、そのうえに、ユナ様に八つ当たりを……」
「大丈夫だよ、泣かないでユーマ、もう一度なんとかね……」
そこで俺の意識は途切れた。
皆家族に