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おじさんの穏やかな日々4

 スノーは順調に教えていく知識を覚えてきたのは、トールに意見を求めてから一ヶ月が過ぎた頃だった。

 父上から書斎にくるように言われ、その言葉に抗うことなく素直にその場所へと向かえば、相変わらずの無表情でおじさんを抱きしめた後、その表情とは正反対の穏やかな声でこう話し始めた。


「クラトルが通うことになる“ハルスノ学園”について話しておこうと思う。

ハルスノ学園は十歳~十二歳の三年間が初等科、十三歳~十八歳の六年間が中等科、十九歳~二十二歳までの四年間の計十三年の教育を受けることが義務化されている学園だ。賢者や勇者……などの役職につきたいものは卒業後、ハルスノ学園の特別学科に入学し直し、三年間を過ごすことが必須条件なことは、竜騎士になりたい君には関係ないかも知れないが……、一応覚えておくと良い。ちなみにハルスノ学園は全寮制だから、寮から通うことになるからな」


 と、そんな父上の説明を聞きながらも、まだ三年近くも入学するまで時間があると言うのに……、何故今から説明する必要があるのかなぁ? と、内心ではそう考えつつも、けして口には出さずに黙って話を聞くことにした。……多分、そのことについてもちゃんと説明してくれると思うから、わざわざ茶々を入れる必要なんてない。

 父上がそのことについて説明してくれなかったら、全ての説明を聞き終わったら聞けば良い話だからねぇ。

 と、そう思っているうちに父上は次の説明について話し出す。


「ハルスノ学園には魔法医師科、魔法騎士科、魔法科、騎士科、竜騎士科、魔法研究科、科学研究科の七つの学科があり、各学年の学科ごとに五人の代表者が事前に選ばれているんだ。

それぞれ五人の代表者には太陽、月、夜、風、水のどれかの称号を与えられることになるのだが……。クラトル、君が竜騎士科の月の称号を与えられることが決まった。選ばれたからには、他の代表者と事前に顔合わせをしなければいけないから……、早めてハルスノ学園について説明をすることになった」


 ここまでの長文を話すことはあまりないのか、父上は数分間の間、一息ついていたその間、その代表者に選ばれることになる基準はどうなっているんだろう? とそう考えていた。

 それと同時に前世の職業柄が未だに影響が残っているのね……と考えていると、先ほどまで内心で疑問を抱いていたことを、父上は先読みしたかのようにこう言った。


「代表者に選ばれるための基準は、太陽の称号は学科ごとの一番の実力者と言う条件で選ばれることが多い。月の称号は冷静さを失うことが少なく、精神的面でも、戦闘的面でもサポートの出来る生徒が必ず選ばれ、夜の称号はもっとも戦闘の場数を経験し、攻撃面が優れていたり、特殊な環境にいた生徒が選ばれる。

風の称号は可能性が秘めた生徒が選ばれ、水の称号は回復系、防御系の魔法が得意な生徒が選ばれることが多いな。……クラトルが月の称号を与えられるのは、審査した全員の意見が一致している。自信をもって、代表者を務める良い」

 長文の説明を話し続ける父上の話を真剣に聞き続けた後、最後の励ましの言葉におじさんは元気よく、「はい!」と返事をするのだった。


◇◆◇◆◇◆


 ハルスノ学園の説明を聞き、一週間後。

 おじさんはハルスノ学園主催の、“学科代表者限定”の社交パーティーに来ていた。……代表者と顔合わせをする意味でも緊張しているけど、お気づきになってるかも知れないけど〜、おじさんは社交パーティーに出るのがこれが初めてなのよねぇ~……。そう言う意味でも緊張してる。

 ……しかも父上は有名人なんだろうねぇ、視線がこちらに集まってるしぃ~。前世、全く目立たない職業についていたおじさんにとっては苦行だわ。

 ……なので、思っていることを誰かに悟られないようにとりあえず、愛想笑いを浮かべておくことにします。



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