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パストラドゥガ・レミニセンス  作者: ラピス
第一章~Changing every day ~
9/34

8.

筐体から出ると夜神らしき人が筐体から出てくるところだった。

らしきというのは大会で見た人よりも随分小さかったからだ。

とりあえずお礼をいう事にした。

「さっきは助かった

改めてありがとう」

「いいいい、いえ、不正はその、みみ見逃せない性格なので」

なんだろう。先ほどとはギャップがある。

「人前に出るの、苦手なのか?」

「ひぅ、は、はひぃ

そそ、そうなんです……」

「まあ、礼といっちゃなんだけど、今度機体の整備とか調整でも手伝おうか?」

「かか、可能なんですか?」

「俺MBS職人だから」

と話していると、真也がやってきた。

「健司…スマン」

「おごるのなしな」

「わかってる

てか、さっきのはヴァンダルギオンだったよな?

てことは夜神がいるのか?」

「まあな」

「どこにだ?

姿が見えねぇけど」

夜神は俺の背中に隠れていた。

顔を合わせたくないらしい。

「あれ?

さっきまでそこにいたと思ったんだけど」

「くあー残念だな

機体をじっくり見せてもらいたかったのに」

「また機会があるって

それより、お前はもう行った方がいい

厄介事に巻き込まれるぞ」

「…ああ、そうしとく

じゃあな、死ぬんじゃねぇぞ」

「このムードで言うか

死にはしねぇよ」

そう言って真也は走っていった。

その直後に黒服たちがやってくる。

「渡してもらおうか

その機体を」

「勝負に負けておいてよこせといいますか」

案の定予想していた言葉を言われ、身構えると、背中から声が聞こえる。

「君は?

姿を見せなさい」

「あなた方に見せる姿はありません

ズルをしておきながら負けた負け犬さんには渡すものはありません

一昨日来てください」

「棗さん

さっきの機体はヴァンダルギオンでした

おそらく夜神満空かと」

「なるほど

なら今回は夜神くんの顔を立てるか」

その男たちの後ろから別の男が現れた。

「り、リーダー……

よろしいので?」

「さすがにここで奪い取るわけにはいかん

元々騒ぎを大きくするつもりはなかったのだ

これ以上大きくする訳にはいかない」

「はっ」

上司に言われれば引き下がらずおえなかったのか、相手は素直に引き下がった。

「少年、名を聞こうか」

「櫟原健司」

「そうか、では櫟原くん

次は容赦はしない」

そう言って黒服たちは立ち去っていった。

「夜神、また助けられたな」

「いえ、その機体、大事にしてください」

「ああ、預かりもんだし、誰かに渡す訳にはいかないからな」

と背中合わせのままで会話をする。

まあ、こっちの方が話しやすそうだからな。

「それで、あなたの職人名は…なんというんですか?」

「クローバだ

俺の正体を知ってる奴は少ないからあんまり言わないでくれよ」

「あ、あなたが…これからお世話になることがあると思います」

「それはどういう?」

「いつまでもここにいるわけにも行かないので、失礼します」

タッタッタッと遠ざかって行く気配がした。

「あ、次会う約束してないな

ま、なるようになるだろ

夜神もまた会えるみたいなこと言ってたし」

そうして、俺もこの場を後にするのだった。

この出会いはまさに運命的なものになるとはこの時の俺は知る由もなかった。

とりあえず第一章まで。

最後まで読んでくれた方はありがとうございます。

次は感想がある程度溜まってから投稿しようかと考えています。よかったら感想を書いて行ってくれると嬉しいです。

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