第七問 合格試験偏2
なぜかなかなか戦闘に入らない(苦笑)
第七問 合格試験偏2
ドンドン(何かが叩く音)
「候補生の諸君静かに」
不安と困惑でざわめいていた候補生たちの耳に、入学式で長ったらしい話をしていた学院長の声が聞こえた。
「うむ。突然の事で不安や困惑するのは分かるが……しかし、ここは最高峰の魔法学院である。そのことを忘れては困る。
それにのう。ワシはあいさつでこうも言った。よくぞ来られた一次試験合格者にして候補生よ……とのう」
『『『………』』』
よく聞こえる声で候補生たちに話かけていた。
それでいて威厳のある声で有無を言わせなかった。
「さて、早速だが二次試験の内容を説明しよう。
ルールはしごく簡単。魔法や札術を使いこの校庭にいる三人の先生に一発当てる事。
無論強化魔法を使っての攻撃もありじゃ。
ただし、三人の先生の中で一度だけ魔法を吸収する先生がおる。
その場合もう一回当てないと判定にはならぬから気をつけるのじゃ」
「始める前に質問は良いか?」
ルール説明をする学院長に陸は気になる事があるのか質問をしていた。
「誰じゃ?」
「……候補生の海谷陸」
「ほう? それで質問は何じゃ?」
誰が質問をしたのか気になった学院長は名前を聞いて来たので、
めんどくさそうに答える陸。
その名を聞いた学院長は興味深そうに陸を見ながら聞いてきた。
「質問は二つ。一つはチームを組んでも大丈夫か?と言うこと。
もう一つは武装強化はありか?と言う事だが返答は?」
「ホ――ホッホッホ。当然ありじゃ。それくらいしないと先生たちには当たらんからのう」
陸の質問に当然と答える学院長。
いやむしろそれくらいしないと合格できないと言っている。
『お、おいどうする?』
『下らん。実力が無いから纏まるしかないんだ。俺は一人で十分だ』
当然学院長の答えに周りはざわめく。
「もう質問はないな」
「ああ」
「では、開始!」
そう言って学院長は消えて……「おっとそうじゃった。」……消えてなかった。
「試験時間は1時間。それまでに当てるようにな♪」
楽しそうにそう言って消えていった。
『『『……』』』
しかし、候補生たちは一部を残して留まった。
どうせまた現れるだろうと思っているから。
「さて、これからどうするかだが」
「……(何の作戦もなしじゃ危ないしね)」
試験官を探すために場所移動をしながらも龍星達は話しあっていた。
「そのことだがさっき風で調べたが試験官は三か所に居る」
「となるとこっちも二手に別れたほうが効率が良いな」
陸の情報に腕を組んで結論をのべる龍星。
「ああ、俺もそう思う」
頷く陸だが
「……(そうなの?皆で攻撃した方が簡単だと思うけど)」
「わふ~シロもそう思うですの!」
「あたしもそう思うよ」
「そうだよ。分かれてなんて危ないよ」
そんな話し合いの中で龍星と陸の意見に芹香達は反対をしていた。
「ま、今は置いとくか。まだ俺達は試験官が誰なのか知らないからな」
「……そうだな。うかつに分散して倒されでもしたら眼もあてられたもんじゃないしな」
それを聞いてその作戦を諦めることにした陸と龍星。
「……(そうだよ。りゅうくんは接近戦に強いし陸くんは中・遠距離。
私は遠距離だしシロちゃん中距離、ひばりちゃんとつぐみちゃんは回復系。
これを二手に分けるのはどうかと思うよ?危険にさらすようなものだからね?)」
「わきゅ~確かにですの。お兄様やシロやお姉さまだと怪我とかしたら大変ですの」
芹香と白姫は陸を見つめてパーティの状況を考えろと忠告している。
「そうだよ。それにリッくんの場合自ら突っ込んでく癖があるんだから」
「お兄ちゃんなら安心できるけどリッくんはハラハラするんだよ」
ひばりとつぐみも同意するように陸を見て告げる。
どちらも陸を心配してのことだった。
「……ちっ」
「これは一本取られたな」
「……(そうだね)」
「わうん♪」
龍星の言葉にしぶしぶ納得する陸に芹香やつぐみたちの説教も加わり何も言い返せないため舌打ちをする陸だった。
それを見て笑う龍星と芹香さんと白姫。
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