第五問 試験偏プロローグ
今回は連続投稿します。
1話、1話が短いから
第五問 試験偏プロローグ
男は魔法使いとしても血統として優秀と自負している。
事実彼の家系は優秀な魔法使いを輩出しておりギルドや国にも一目置かれている。
そんな彼は、魔法学院オ―タルリング最高の魔力を誇るAクラスの代表になってて当然と考えていた。
それが彼の考える理想であり真実だと疑ってなかった。
しかし、実際はどうだろう。
クラスは二番目に優秀なクラスと言われているBクラス入りだった。
最高峰の魔法学院でいくら僕が優秀でもいきなりAクラス行きは難しいと納得出来った。
そう考える事は出来た。しかし彼は納得できない事があった。
何故僕が代表でないのかである。
各クラスには最高成績の生徒には、代表になる事が出来る。
代表になれば学院によっていろいろな便宜を図ってくれる。
例えば国やギルドに許可を求めなくてもいつでも魔法使用許可を持らえるということだ。
いくら魔法使いとはいえ、常につかえるわけではない。
必ず魔法を使う場合はギルドや国に使用許可を求めなければいけない。
そうしなければ未熟な魔法使いによる失敗や危険な事や外道魔法使いがやりたい放題にして迷惑を被るわけだ。
ちなみに学院生は常に魔法使用許可が下りておりいつでも魔法が使える。
ただし、教師がついてない限り使える魔法は制限が掛かっており大きな魔法は使えない。
話は代表になれなかった彼に戻すが彼が予想していた真実と大きく離れた現実に憤りを感じていた。
そのため教師が来たら文句を言おうと構えていた時にひばりとつぐみが教室に入ってきたのだ。
もし彼が、もう少し冷静だったら後に起きる騒動(三話参照)は起きなかったろうと思われる。
「くっそ!どこのどいつだ!この高貴なる僕に地に押し付けた奴は!」
男はプライドが激しく傷つけられたのが許せないのか。周りに当たり散らしている。
「……けっ、自業自得だろうが」
そんな男に陸はこれ以上見たくないのか、
はたまたひばりやつぐみが落ちつくように言ってまた噛みつかれるのが目に見えているのか。
おそらく両方だろう。
陸は喚き散らす男を沈めるために。否、火に油を注いだ。
「! き、君は随分と横柄な口を開くね。どこぞの馬の骨かは知らないけど高貴なる僕に対してそんな……」
「すまないが。俺達の席は何処だ?」
「って聞きたまえ!?」
「ん? 終わったか?」
「貴様!!」
男はバカにされたと思い、陸に噛みつくが、
陸は気にした風もなく唖然としているクラスメイトに席を聞いていた。
その事に気づいた男は陸に呼び掛けるも話を聞く気もない様子に男は怒りに震えた。
「ちょ、リッくん!」
「そうだよ。二人とも落ち着いて!」
男と陸の戦いが切って落とされようとしてるがそれを止めようとするひばりとつぐみ。
「落ち着けひばりにつぐみ。
今の状況で二人が動けば陸が気を散らす。そこをつかれて怪我をしたらどうする。
それにひばりやつぐみが巻き沿い遭ったらどうするんだ。
それに心配しなくても本当に危なくなったら止める」
「「でも!」」
「……(私も同じ二人と同じ意見だよ。確かにりゅうくんが言いたいことは分かるよ。
でも……)」
止めようとするひばりとつぐみに龍星は危ないから下がれと優しく言っている。
それでも納得できない二人に味方する芹香さんは龍星にすぐに二人の喧嘩を止めるように言おうとしたとき
パンパン
「喧嘩はそこまでにしろ。そんなに暴れたいのなら合格試験を受かってからにしろ。
もっとも受かればの話だがな」
何かが叩いた音が聞こえてきたのでそっちの方に向くと、
教室の教卓の前に年老いた無個性なおっさんの姿あった。
その事に驚いたのか場が静まったのを確認するとおっさんは信じられない発言をした。
「ど、どういうことですか?」
「言葉通りだが」
全員の驚きと困惑で周りが騒がしくなる。
「いえ…そうでなくてあたしたちは合格してるのに、
どうしてまた合格試験を受けないといけないんですか?」
「ああ……そのことか」
「最初の分はアレはあくまでもウチに入れるかどうかの魔力の確認と、
どの属性を持っているかの確認だ。お前達は単に一次試験を受かったにすぎない。
これから受ける試験で合格か不合格か決まる」
教師と思われるおっさんの言葉に誰もが驚いていた。
いや、二人ほど予想していたのか驚いてる様子はなかった。
その事に思わず聞き返すつぐみに対しておっさんは言った通りと言う。
言葉が足りないと思ったのかつぐみが気になっていることを質問し直すと、
おっさんは質問の意味を理解したのか、説明をしてくれた。
あまりにも衝撃的な答え付きで。
「これで質問は、ないな。では急いで校庭に迎え」
おっさんはそう言うと姿を消した。
もう一話投稿します。