第二問 クラス分けと苦い思い出
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第二問 クラス分けと苦い思い出
体育館での長たらしい入学式も終わり。
クラス分けを発表され陸達は指定されたクラスに向かった。
「今回は芹と同じクラスだな」
「……(うん。 私もりゅうくんと同じクラスは、初めてだから嬉しいよ)」
あま~~~い空間が2人の間に起きている。
「はぁ……。相変わらずの仲の良さなことで」
二人の仲のよさに陸や二人のちびっ子ズは呆れながらも距離を取っている。
「ホントお似合いだよね。龍兄や芹ちゃんは」
「そうだね」
そんな二人を嬉しいような寂しいような複雑な顔をしているチビっ子ズ。
「……」
そんな二人を見ながら陸は思いだしていた。
回想
とある幼稚園で
陸が本を読んでるときに二人の女の子が声をかけてきた。
「「ねぇねぇリッくんリッくん!」」
「あん?なんだひばりにつぐみ」
にこにこ笑顔な2人に不思議そうに問いかける陸。
「あたしね、大きくなったらりゅうにいのおよめさんになるんだ」
「ずる~い。それはあたしだよ」
そんな仲の良い二人を見ながら陸は本を読んでるのを邪魔された事も合って適当にあしらっていた。
「ふん、そうか。ならしずかになるな。りゅうせいもきのどくに」
そんな陸の反応に面白くなさそうな顔をして二人は、ふてていた。
「「ふ~んだ。あたしたちはしあわせになるもん」」
それから時が立ち龍星が中学のときにひばりやつぐみを不良から守って大怪我をおい入院をすることに。
病院の前で
「……いつまでここでいるつもりだ?」
「だってあたしは……」
「そうだよ。あたしにそんな資格はないよ」
呆れた様子で2人を見て問いかけるが、なかなか2人は行動をとろうとしない。
「龍星の行動は間違ってない。大切な幼馴染を守るための行動だ、そのことにお前らが気に病む必要はない」
きっぱりと陸がそう言ったが
「でも……」
「会わせる顔が」
2人は俯いたままで行動が取れない。
頭では理解しているのだが、怖くて行動ができないのだろう。
「行くぞ! 時間は有限だ。うじうじしてる暇があるのならさっさと会って礼を言って謝ってこい」
そう言って陸は二人の腕を掴んで龍星の病室に向かった。
するとそこには見知らなぬ少女と龍星が楽しげに会話をしていた
「悪いな迷惑をかけて」
「……(ううん。そんなことない。私がしたいからしてるだけ)」
苦笑いしながら謝る龍星に首を横にふって笑顔で言う少女。
「「「……」」」
それを3人は黙って眺めていた。
「……邪魔しちゃ悪いな」
「「……(コクコク)」」
陸が小声で言うと2人は小さく頷いた。
病室から出て屋上に来た陸達。
「龍星もやるねぇ~。あんな綺麗な子と知り合いとはな」
「そうだね……リッくんも……やっぱり……綺麗な子が好きなの?」
しんみりとした空気を吹き飛ばそうとしながら言う陸にひばりが問いかけた。
「あん?」
「答えて…リッくん」
それに不思議そうに聞き返す陸だが、つぐみ達の目は真剣だった。
「……わかんねぇな。俺には震えながら聞いてくる意味が」
「「……」」
頭をぼりぼりとかいてそう言うと2人は気まずげに俯いた。
自分達にもよくわからないだろう、今の感情についていけないのだろう。
「だが……どうしてもって言うのなら俺は、気にいった女が好きだ。見た目だけで決めるつもりはねぇな」
「「……」」
陸はそれに気づいているのか、淡々とそう告げた。
2人を傷つけないように、それでも正しいと思える返答を言ったのだ。
「さて飲み物でも買ってくるか」
そう言って陸は屋上から出ていった。
回想終了
「……(柄にもなく感傷に浸ってるな)」
苦笑いしながら歩いていると
「お、着いたな。魔法科コース1-Bに間違いないな」
「……(ここが私たちのクラスだね)」
立ち止まって龍星がクラスを確認すると芹香も笑顔で確認していた。
「それじゃ入るとするか」
「そうだね」
「最初が大切だよね!」
そう言ってちびっ子ズが先に入ると……。
「何で小学生がここに入ってくるんだ?」
胸糞悪い言葉を耳に届いた。
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