第十四話合格試験編9
まだまだ続きます。
ブ―ン(夕季が試験官を蹴る音)
「甘いですよ~?」
ハリネズミの式神ハリーの増殖に試験官は頭を抱えていたもののそれでも夕季の回し蹴りを冷静にかわす。
「そう簡単には当てられませんか…」
「これでも試験官ですからね~」
健二と夕季が試験官と戦ってるころ、光一達が何してるかというと。
健二達の戦いを見ながらも次の戦術の為の準備をしている光一に向かってゆさゆさと揺さぶる綾菜がいた。
「こうちゃん、こうちゃん。あんなに増えたハリネズミさん貰っても良いかな?かな?」
「……一匹だけなら良いがそれ以外は駄目だ」
目をきらきらさせている綾菜に呆れながら光一が答えた。
「ええ~っ!なんでー」
それが不満のようだ。
「それより試験に集中しろ…綾菜」
「……ほ~い」
綾菜に一言言うと光一はスナイパ―ライフルを背負いリボルバーに赤色と黄色の弾丸を装填し腰のホルダに戻し、ポケットから黄色の石を取り出しと石は光だし一言言った。
『戦闘……か?』
「ああっ。大暴れの時間だぜ」
石の問いに光一は答える。
『rogersetup』
石はそう言うと光り出し同時に魔法陣が展開した。
そして魔法陣の中から二つの砲身を背中に背負った白銀の狼が現れた。
「久しぶりだねゴスペル♪」
現れた狼に抱きつく綾菜。
『やれやれあいかわずだな。綾菜は』
突然の抱きつきにも関わらず落ち着いた態度でしゃべるゴスペル。
『さ~て……一仕事でもしますかね。で、どいつが相手ですか?』
「ぶうぶう~…!!あいかわず冷たいよゴスペル~」
「クックッ……分かってるくせに」
文句を言う綾菜を気にすることなく光一に確認をするゴスペル。
そんなゴスペルの行動に光一は楽しそうに笑っている。
なぜならゴスペルは光一に話しかけながらも鋭い目で霧を見ているからである。
「むう~。つまんないよ~…こうちゃん」
ガシッ(光一に抱きつく音)
「よ、よせあや……」
「ムギュウ~♪」
パシパシと光一は綾菜の腕に苦しそうにタップしているのがわかる。
「こうちゃん…ほんといつでも抱き心地が良い♪」
パシ……パシ……とだんだん腕を叩く力が弱っている
『ム、いかんこれ以上は危険だな』
ポ~ンという音と共に綾菜のポケットからカンガルーが飛び出してきた
『はい、そこまで!』
「む? カルちゃんどうしたの?」
綾菜をおしとめるカンガルー。
『そんなことより、私の出番はいつなの?』
「あ、ごめんね!忘れてたよ」
パッと光一を離すと膝をつく光一
「ぜぇぜぇぜぇ。死ぬかと思った」
まだまだ続きます。