表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まえがき ~斑鳩茂市作品集(まえがき部分のみ収録)~  作者: undervermillion
第3章 この桂馬が取られるくらいなら、この勝負負けてしまっても構わない
32/37

31.最後の一文で「どんでん返し」は本当にできるのか?

警告:本文中に国民的アニメについての言及がありますが、決して「実在するアニメ」についての言及ではありません。

また、「実在するアニメ」を見て、本文の内容を想起し、気分を害されたとしても、当方は一切責任を負いません。


追記)作品の冒頭に「どれを読むか迷ったときの助けとして」を追加したため、1話ずつずれました。

読者の皆さんは、推理小説などのアオリ文で、「最後のどんでん返しが凄い!」などという文章が掲載されているのを見たことがあるだろうか?


小説の事前情報をなるべく入手したくない私にとって、その紹介文だけで、気持ちが萎えてしまう。

私の脳裏には、「最後にはどんでん返しが来るぞ!来るぞ!」という声が響きわたり、純粋に小説の内容を追いかけることができなくなるからだ。


それでも、一文でこれまでの小説構造を反転させる試みすべてを否定するわけではない。

本来ならば、ここで一例を挙げるべきであろうが、未読の読者に事前情報を与えたくないため別の話をする事にした。


小説の話ではないが、今年の4月の第1週に、このようなことがあった。



依園よりぞの家を舞台とする国民的アニメを眺めていた時に、兄から、

「「タラコちゃんの本当のお父さんは、波兵衛なみべえ」という事実を知らないのは、松雄まつおさんだけという裏設定がある」

という言葉を聞かされ、しばらくそのアニメが見られなくなった。


後から、友人にその話をしたら、

「そんな設定、ありえないから」

と一蹴された。


私は事実を確認するために、兄を問いつめると、

「俺がその話をしたのは、何月何日か言ってみろ」

と、にやにやしながら返されてしまった。


私は、話をした日を思い出し、そしてアニメではその日をネタにした話をしなかったことを思いだし、怒りに肩を振るわせた。


だましたほうが悪い。

だが、気づくことができなかった自分自身への怒り、「兄の日頃の所業から想定できなかったのか」という反省から、兄に対して無視するという消極的な復讐しかできなかった。


話を本編の内容に戻そう。

本編では、古今東西、八編の小説を題材として、小説の構成や、どんでん返しに至るまでの経過、伏線の挿入方法等を解説し、どのように読者の思考を誤った方向に誘導させ、最後の一文でカタルシスを発生させたのか解説する。


各小説を読んでもらえたらわかるが、効果的な爆破により、ビルを一気に解体する作業職人のような熟練さを見せられるような気分になる。


最後に、ネタバレ防止のために各小説の最初のページは、色を変えており、誤って未読の小説を読まないように配慮した。


もちろん、本書を読む前に該当する小説を一読してもらったほうが解説内容を理解する上でも助かる。







いくらお兄ちゃんのお願いでも、前書きの代筆は今回で最後なんだからね!



~「最後の一文で「どんでん返し」は本当にできるのか?」(2012年斑鳩茂市)~

一件の新着メッセージが届いています。


Re:私の妹について



斑鳩茂市 様


先日いただきました、メールでのご相談について、メールで知りえた内容の範囲内でお答えします。


メールの中で言及されている、「妹」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか?


メールに添付されている写真について、「妹が一緒に写っている」と説明がされています。

しかしながら、私や同僚の医師とも確認しましたが、それらしき姿を確認することができませんでした。


とはいえ、メールの内容だけでは確認できませんので、一度、ご家族と一緒に病院で診断を受けられることをおすすめします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ