16.お前は俺の、はかいしん!(斑鳩茂市版)
私の友人作家と酒を飲んだときのことである。
新しく執筆する予定のライトノベルのネタについて、いろいろ話していた。
私が飲みながら話していたネタは、
主人公の家に突然、美しい女神が押しかける。
と思ったら、彼女は破壊神であり、破壊神とはいろいろな物(神によって分野が異なる)を破壊することで、成長していく神であった。
彼女が主人公をねらったのは、彼女の破壊能力が「フラグを破壊する」ものであり、主人公がすぐにいろいろなフラグを立てるからだった。
さっそく、幼なじみや学級委員長、部活の先輩との恋愛フラグを次々とへし折られ、(他にも電車の空席に座れるとか、投げた空き缶が偶然ゴミ箱に入るとか、先生が病気で休講とかのフラグも折られている)意気消沈する主人公。
そこに、世界を破壊する破壊神が地球に舞い降りた。
その破壊神を倒すため、主人公は「自分にかかっている全ての死亡フラグと生存フラグ」を破壊するよう彼女に依頼し、フラグを破壊することで生じた力で、世界を破壊する破壊神を倒すよう彼女に依頼した。
主人公のフラグを全て破壊した力により、世界を破壊する破壊神が倒されたが、主人公の「死亡フラグと生存フラグ」全てを同時に破壊されたので、主人公は不死の存在「破壊神」になってしまう(ここの部分は、破壊神の出生の秘密とともに、続編を出すための設定でもある)。
という内容だった。
そしてタイトルを「お前は俺の、はかいしん!(仮題)」だと話したところで、私は寝てしまった。
数ヶ月後、私は完成した「お前は俺の、はかいしん!」の原稿を出版社に持ち込んだところ、すでに同じタイトルの新刊が、来月発売予定だと聞いて驚いた。
編集者に確認すると、作者は私の友人だった。
私はさっそく友人に苦情を言うと、友人は、
俺の女神(破壊神)様には、なきぼくろがあるとか
世界を破壊する破壊神の背中には、翼が生えているとか
幼なじみの部活は、クリケット部ではなくてラクロス部とか
委員長の髪型が、ストレートではなくて三つ編みとか
全然違うだろうと一蹴した。
全然違うのであれば、私が同じタイトルで出版しても問題ないだろうと指摘すると、
「そ、そうだな」
と快諾してくれた。
だから、私の「お前は俺の、はかいしん!」は決して盗作ではありません。
どうかご安心してお読み下さい。
~「お前は俺の、はかいしん!(斑鳩茂市版)」(2015年斑鳩茂市)~
思いつきだけで、作成しました。
すごく後悔しています。
「お前は俺の、はかいしん!(委員長の髪型がポニーテール版)」があれば、すぐに買いに走りますが。