29.八百長試合
ししゃもと燕ちゃんは選手部屋の隣にある空室で話をしていた。
「一体、何事だ」ししゃもが尋ねた。
「うすしお君が誘拐されました」燕ちゃんが答えた。
「どういう事だ」
「これを見て下さい」燕ちゃんは手紙を取り出した。
(うすしおと言うお前たちの仲間を誘拐した。返して欲しければ、我々の命令に従え、命令は追って伝える。下手な動きをしたらうすしおの命は無いと思え)
「一人で行動させたのか」
「すいません。お祭り気分で警戒を忘れていました」
「成程、これは緊急事態だな」
「どうしますか、隊長」
「一先ず、命令に従おう。その間にうすしお君を救出するんだ」
「行動するメンバーは二、三人だな。相手に気づかれない様にしろ」
「誰を向かわせますか」
「森羅万象さん、阿修羅さん、ああああさんだ。その三人なら上手くやる」
「分かりました。必ず、うすしお君を助け出します」燕ちゃんが部屋を後にした。
薄暗い部屋の中でうすしお君がロープに縛られていた。
「お前ら、こんな事をして唯で済むと思うなよ」うすしお君が五人組を睨んだ。
「うるさいんだよ。少し黙れ、この野郎」男がうすしお君の背中を蹴った。
「調子に乗んじゃねーよ。雑魚が」女がうすしお君の顔をビンタした。
「こっちだって命懸けでやっているんだ。後には引けない」背の高い男が話した。
「何が目的なんだ。俺が何かしたのか」うすしお君は大声で話した。
「俺たちの目的は金だ。大会の賞金が欲しい」背の高い男が話した。
「正々堂々と戦えば良いだろう」うすしお君が話した。
「お前は馬鹿なのか、勝てる相手じゃ無いからお前を捕らえたんだ」女が話した。
「お前たちのリーダーは化け物クラスだからな」背の高い男が話した。
「試合が終わるまで大人しくしていろ。雑魚」女が睨んだ。
闘技場では既に予選が始まっていた。燕ちゃんは三人にししゃもの命令を伝えた。
「了解した」ああああさんが話した。
「では、行くか」森羅万象さんが話した。
「先ずは聞き込みをしよう」阿修羅さんが話した。
三人は闘技場から外に出ると出店の主人に話を聞いた。
「さぁ、分からないね。人ごみが多いんで多少の事は気が付かないよ」主人が話した。
「そうか」森羅万象さんが話した。
「別の出店でも話を聞こう」ああああさんが話した。
三人は色々と聞き込みをしたが誰も誘拐の事は知らなかった。
「誰も見ていないのか」ああああさんが話した。
「どうやって探せば良いんだ」阿修羅さんが話した。
「何か手を考えないと」森羅万象さんが話した。
一方その頃、ししゃもは大会の予選に出ていた。
「おい、カエル野郎。よそ見しているとは良い度胸だな」相手の選手が話した。
「なに、すぐに終わる」ししゃもはスキル【影移動】で相手の後ろに立つと手刀を食らわせた。相手の選手が目を見開きながら地面に倒れた。
「どこかにうすしお君を誘拐した奴が居る筈だ」ししゃもは会場を眺めている。
「見つからないな。だと、あのプレイヤーの二人組か」ししゃもは呟いた。
ししゃもは選手部屋に戻ると部屋の端にいる二人組に声を掛けた。
「お前たちが誘拐したんだろう」ししゃもが話した。
「何を言っているのか分かりませんね」男が話した。
「お前たちの要求は飲む。だから、うすしお君を無事に返せ」ししゃもが話した。
「あなたが人格者で助かります。我々も事を大きくしたくないですから」もう一人の男が話した。
「目的は賞金か」ししゃもが尋ねた。
「そうです。我々と試合になったら降参して貰います」もう一人の男が話した。
「お前、話し過ぎだぞ」男がもう一人の男に注意した。
「そうですね。後で手紙が届くと思いますのでそれに従って下さい」もう一人の男は口を結んだ。ししゃもは選手部屋を出て会場に向かった。
救出組の三人が出店の通りで会話をしている。
「良い案が浮かんだぞ」阿修羅さんが話した。
「どんな案だ」ああああさんが尋ねた。
「犬だよ、宿屋に居る犬だ」阿修羅さんが答えた。
「名前はポロだったか」森羅万象さんが話した。
「うすしお君はポロと仲が良いんだよ」阿修羅さんが話した。
「犬の嗅覚ならうすしお君を追えるかもな」ああああさんが話した。
三人はポータルを使って宿屋に向かった。
「かなりの額を稼げたな」岳ちゃんが話した。
「岳さんの狙い通りでしたね」こてぺそちゃんが話した。
「序盤の試合は稼ぎ時だからな」岳ちゃんが話した。
「しかし、救出組はどうなっているんでしょうか」緑川さんが話した。
「あの三人なら心配は無いでしょう」毒蛇さんが話した。
「みんな、状況は」ししゃもが話した。
「隊長、賭け事は順調です」ふみふみさんが話した。
「うすしお君は見つかったか」ししゃもが尋ねた。
「まだですね」りこっちが答えた。
「連中の狙いは金だ」「誘拐犯の仲間が大会に参加している」ししゃもが話した。
「そうでしたか、成程。辻褄が合いましたね」毒蛇さんが話した。
「まだ、予選だから時間はある」ししゃもが話した。
「無事に済むと良いんですが」緑川さんが心配をしていた。
「何、万が一の時は試合を放棄する」ししゃもが話した。
「隊長」緑川さんがため息をついた。
「うすしお君はそんなに軟じゃないから心配をするな」ししゃもが話した。
「連中は賞金を手に入れたら消えるつもりなんですかね」毒蛇さんが話した。
「そうだろうな」岳ちゃんが話した。
「次の予選があるから俺は戻る。何かあったら知らせろ」ししゃもは急いで選手部屋に戻った。
◆登場人物
◆ししゃも 物語の主人公。【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のリーダー。
◆燕【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。
◆毒蛇【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。
◆うすしお【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆岳【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆緑川【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆ああああ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆とんかつ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆麦茶【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆小麦【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆とろろ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆森羅万象【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆七味【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆こてぺそ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆阿修羅【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆ふみふみ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆りこっち【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆エリザベール ダイヤモンドの冒険者。別名、赤の閃光。




