27.闘技場
「無事に帰って来たか」タリバンが工房で二人を出迎えてくれた。
「では、指輪にフェイクの魔法を掛ける」タリバンは懐から小さい杖を取り出すと魔法を掛けた。
「これで一先ず、安心だ」タリバンは二人にお茶を出した。
「買い付け用の三十万ピクスは報酬だ。遠慮せずに受け取ると良い」タリバンは煙草に火を点けた。
「随分、稼いでいるんだな」ししゃもが話した。
「まぁ、これでも有名な呪術師だからな」タリバンが話した。
「お前さんの頭は一体どうしたんだ。呪いか」タリバンはお茶を飲んだ。
「これはこのままで良いんだ。気に入っている」
「少し聞きたいんだがガイアは何故、封印されたんだ」ししゃもが尋ねた。
「世界を滅ぼそうとしたからだ。他にも解釈はあるがどれも似たり寄ったりだな。でも、女神マリアが裏切ったという説もある」タリバンが答えた。
「そうか、あれはマリアか」ししゃもはガイアの記憶を思い出していた。
「しかし、お前さんたちは強いんだな。闘技場の大会に出てはどうだ」タリバンが煙草を灰皿に捨てた。
「闘技場か、面白そうだな」ししゃもが話した。
「上手く行けば賞金の他に爵位を与えられるぞ」タリバンが話した。
「まぁ、ギルタス・グラムの気分次第だがな」
「ギルタス・グラムか、どんな人物なんだ」ししゃもが尋ねた。
「生まれは貧乏な貴族だが、腕一本で今の地位を獲得した豪傑だ」タリバンが答えた。
「成程」ししゃもはお茶を飲み干した。
「じゃ、俺たちはそろそろ行くよ。お茶、ご馳走様」ししゃもが話した。
「そうか、何かあったらまた頼むよ」タリバンが工房の前まで見送ってくれた。
「燕ちゃん、報酬だ」ししゃもは十五万ピクスを燕ちゃんに渡した。
「ありがとうございます」燕ちゃんがピクスを受け取った。
「隊長、闘技場に行きませんか」燕ちゃんが話した。
「そうだな。一度、覗いてみるか」ししゃもが話した。
二人はポータルを使って都の中央にある闘技場へ向かった。
「近くで見ると大きいな」ししゃもが話した。
「随分と立派な闘技場なんですね」燕ちゃんが話した。
「あれは岳ちゃんとふみふみさんだ」ししゃもは闘技場で二人を見つけた。
「何をしているんだ」ししゃもが岳ちゃんの肩を叩いた。
「お、ししゃもさん。賭け事をしているんだよ」岳ちゃんが答えた。
「そう言えば岳ちゃんはギャンブラーのジョブを持っていたな」ししゃもが話した。
「そうそう、それで金を稼いでいるんだよ」岳ちゃんが話した。
「流石だな。幾ら稼いだんだ」ししゃもが尋ねた。
「もう、十万ピクスは稼いだかな」岳ちゃんが答えた。
「結構、面白いんだよ。ししゃもさんもやってみたら」岳ちゃんが話した。
「どんなルールなんだ」ししゃもが尋ねた。
「簡単なルールだよ」岳ちゃんが説明を始めた。
「黒い色の選手に賭けるとオッズが低いからあまり儲けにならない」
「白い色の選手が勝つと儲けは大きくなるが負ける可能性の方が高い」
「黒が強い方で、白が弱い方。こんな感じかな」
「後は試合を見るだけだよ。これが結構、面白いんだ」
「成程、楽しそうだな」ししゃもが話した。
「次の試合は白が勝つよ」岳ちゃんが話した。
「ギャンブラーのスキル【勝利の気配】を使っているのか」ししゃもが尋ねた。
「そうだよ。七割の確率で当たるスキルだね」岳ちゃんが答えた。
「この世界ではまさにチート級の能力だな」ししゃもが話した。
「さぁ、賭けようぜ」受付で四人それぞれが白のチケットを購入した。
四人は試合が始まると闘技場の中にある観客席に座った。
試合が始まると黒の選手が先に攻撃をした。白の選手がそれを避けると後ろに下がった。
「やっちまえ」「殺せ」観客席から大きな野次が飛んだ。
黒の選手が白の選手を攻撃している。白の選手は攻撃を避けるのに手一杯だった。
「白が不利だな」ししゃもが呟いた。
「まだまだ、これからだよ」岳ちゃんが話した。
突然、黒の選手の動きが鈍くなった。スタミナを切らしている様だ。
「お、行けるぞ」ししゃもが呟いた。
白の選手が黒の選手の後ろ側に回ると攻撃を繰り出した。黒の選手はそれを避けると再び攻撃をしたが、白の選手がそれをかわして黒の選手に攻撃を当てた。黒の選手が地面に蹲った。闘技場はとても大きな歓声で溢れた。
「おぉ、白が勝ったな」ししゃもが話した。
「ふぅ、危なかった。当たって良かったよ」岳ちゃんが話した。
「オッズは三倍だ。俺は一万ピクス賭けたから三万ピクスだな」ししゃもが話した。
「岳さんのスキルは凄いですね」燕ちゃんが話した。
「まぁ、ギャンブル関連なら負けは無いな」岳ちゃんが話した。
「私も三万ピクスを賭けていたので大儲けです」ふみふみさんが話した。
「あの張り紙は何だ。所々に貼ってある」ししゃもが尋ねた。
「あれは四年に一度ある、大きな大会の案内だよ」岳ちゃんが答えた。
「優勝すると賞金が百万ピクスか、面白そうだな」ししゃもが呟いた。
「ししゃもさん、出てみたら」岳ちゃんが話した。
「うーん、どうしよう。あまり目立つのも何だかな」ししゃもが話した。
「参加しましょう。私たちも隊長に賭ければ儲かります」燕ちゃんが話した。
「有名になるとその手は通じないからな、今がチャンスだろう」岳ちゃんが話した。
「久しぶりに隊長の雄姿が見れますね」ふみふみさんが話した。
「うーん、まぁ出るか。負けたら恥ずかしいな」ししゃもが話した。
「隊長が負ける事は無いと思います」ふみふみさんが話した。
「でも、各地から猛者が集まるだろうから何とも言えないよ」ししゃもが話した。
「取り合えず、手続きしないとね。大会は一週間後だから」岳ちゃんが話した。
ししゃもは受付で参加手続きをすると四人でカフェに向かった。
◆登場人物
◆ししゃも 物語の主人公。【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のリーダー。
◆燕【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。
◆毒蛇【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。
◆うすしお【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆岳【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆緑川【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆ああああ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆とんかつ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆麦茶【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆小麦【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆とろろ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆森羅万象【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆七味【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆こてぺそ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆阿修羅【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆ふみふみ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆りこっち【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆タリバン【水の都オーハン】の呪術師。




