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2.知らない空

「ここはどこだ」ししゃもは頭を押さえながら周囲を見渡した。複数のプレイヤーが地面に倒れている。よく見るとギルドメンバーの仲間だった。


「さっきまで三人だった筈だ。どうしてみんなが集まっている」


「新手の魔法か、いや、そんな魔法があるのか」ししゃもは自問自答していた。アンダー・ザ・グラウンドの世界では転移魔法は存在しない。転移ポータル間を移動するからだ。


「様子がおかしいから一旦、ゲームを終了させてみようか」


「何だ、ログアウトの表示が消えている」


「運営への緊急連絡はどうだ。これも無くなっている」


「一体全体、どういう事だ」


「隊長、おはようございます」そう言いながら燕ちゃんが目を覚ました。


「どうなっている」「何だ、ここは」「何が起きた」他のメンバーも次々と起き上がった。


「よし、十七名、全員起きたか」


「緊急事態だ。よく聞いてくれ。俺たちは今現在、ゲームからログアウト出来ない状態にある」「原因は不明だ」「何か気が付いた事はあるか」


「マップの画面が消えていますね」もう一人のサブリーダー、毒蛇さんが答えた。


「このバックパックは何なんですかね」とんかつ君が話した。


「何だ、これは」ししゃもは背中にある黒いバックパックの中を調べた。


「これはイベントリだ。中にアイテムが入っている」


「アバターの変更も出来ませんね」七味さんが首をかしげている。


「隊長、おしっこして来ます」阿修羅さんが森の茂みに向かった。


「まて、おしっこなんて機能は無いぞ。一体何なんだ」ししゃもはため息を付いた。


「隊長、大変です。ドルの項目がゼロになっています」ふみふみさんが慌てていた。


「本当だ、俺の十億ドルはどこへ消えたんだ」


「ドルの項目がピクスに変わってますね。表示はゼロですけど」ああああさんが答えた。


「運営は対処してくれるのかな、俺の三十億ドル」岳ちゃんが呟いた。


「問題が山積みだな」ししゃもは一先ず、冷静に考えた。


「とんかつ君、探検家のスキルでこの辺りを探索してくれないか」


「はい、行ってきます」


「森羅万象さんも同行をお願いします。一人で動くのは危険だ」


「分かりました。とんかつ君を護衛しますよ」二人は探索に出かけた。


「隊長、我々は異世界に転移したんじゃないですか」りこっちが話した。


「馬鹿を言うな、そんなの漫画の話だ」


「でも、さっきからお腹が減るんですよ。何かおかしいです」


「なら、そこの草を食べてみよう。それではっきりする筈だ」ししゃもは草を口の中に入れた。苦い、とても苦かった。


「味覚がある、体も少し寒いし、何より手の感触がある」


「五感を感じているのか、みんなはどうだ」


 ししゃもの問いかけに呼応してみんなが頷いた。


「参ったな、食料を探さないと、十七人分の食料だ。小麦ちゃん。狩人のスキルで獲物を捕えてくれるか」


「はーい、お姉ちゃんも一緒で良いですか」


「小麦ちゃん、麦茶さん。二人で行動してくれ」


「行ってきます」二人が狩りに出かけた。


「うすしおさん、緑川さん。ちょっと来てくれるか」


「何でしょうか」緑川さんが話した。


「二人にこれを預けておく、命の石だ。君たちは低レベルだから万が一の時にこれを使え、現状を見極めて逃げるんだ」


「この世界で死んだ場合、どうなるか分からないからな」


「ありがとうございます」うすしおさんと緑川さんがお礼を述べた。


「岳ちゃん、一応、死人を召喚してくれないか、ギルド戦だと思って」


「良いけど、どうするつもりなんだ」


「この森に死人を配置して攻められた場合、それを感知して欲しいんだ」


「分かった。さっそく召喚するよ」岳ちゃんは死人を召喚した。


「ああああさんと、とろろ君は装備を固めて伏兵として森の中に隠れるんだ」


「了解です」二人は森の中に消えていった。


「みんな、聞いてくれ。未知の世界だ。何が起きても対処が出来る様にする」


「そして、この世界に転移して来たのは俺たちだけじゃ無い筈だ」


「常に緊張感を持て、そして未知なる敵と戦え。俺たちなら出来る」そう言いながらししゃもは自分自身に喝を入れていた。


「成程、他のプレイヤーが居たら襲ってくる可能性がありますね」毒蛇さんが話した。


「隊長、ギルドルームとマイルームも項目が無くなってます」こてぺそちゃんが話した。


「了解、だと倉庫機能も無くなっているだろう」


 ししゃもは空を眺めた、大空に太陽が二つあった。どこの惑星なんだろうか。少しの間、考える事を止めた。


「他のプレイヤーも慌てているんじゃないですか」燕ちゃんが話した。


「そうだろうね、誰もが戸惑うだろうね」毒蛇さんが答えた。


「その中で先手を打っておけば有利に戦える」毒蛇さんはバックパックの中を確認している。


「こちらから襲う事も出来ますよね」


「先手必勝ですね」


「二人とも、あくまで敵対する者と戦おう。中には一人で心細い奴もいるだろうから」ししゃもは真面目な顔で二人に話した。


「俺たちは国内ギルドランキング第三位のバトル・オブ・ザ・フロッグスだ」「正々堂々、敵を迎え撃つぞ」


「そうですね。間違っていました。ごめんなさい」燕ちゃんが謝った。


「少し、臆病風に吹かれていました」毒蛇さんが反省した。


「それより、食事の準備に取り掛かろう。俺は薪を集めて来るよ」


「緑川さん、必要な物はあるか、料理人のスキルで美味い物を頼むぞ」


「はい、食材を見て考えます」緑川さんが話した。


 とんかつ君と森羅万象さんが戻って来た。


「隊長、早速ですが商人を捕まえて来ました」

◆登場人物


◆ししゃも 物語の主人公。【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のリーダー。


つばめ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。


毒蛇どくへび【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。


◆うすしお【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


たけ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


緑川みどりかわ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆ああああ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆とんかつ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆麦茶【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


小麦こむぎ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆とろろ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


森羅万象しんらばんしょう【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


七味しちみ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆こてぺそ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


阿修羅あしゅら【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆ふみふみ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆りこっち【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◇設定資料


◇【ネオ・スチーム・ブイアール】人間の意識とゲーム世界を繋げる新世代のゲームハードウェア。これによりユーザーはよりリアルなゲーム体験を手にすることが出来る様になった。


◇【アンダー・ザ・グラウンド】世界中で一千二百万人のプレイヤーがいる大人気オンラインゲーム。多彩なジョブシステム、経済システムが豊富でプレイヤーの生活コンテンツも充実している。ギルド戦、レイド戦ではネオ・スチーム・ブイアールの機能で本格的な戦いを体験する事が出来る。そしてアンダー・ザ・グラウンドは無限の可能性を全てのプレイヤーに与える。


◇【バトル・オブ・ザ・フロッグス】ししゃもが設立したギルド、総勢百五十名。六つの領地を持つ中型ギルド。国内ギルドランキング第三位。世界ギルドランキング第八位。

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