16.道連れ
総勢百名を超える憲兵が円を囲む様に二人を包囲している。
「さて、お前たちは事件の事を知っているのか」ししゃもが尋ねた。
「一体、何の話だ」一人の憲兵が話した。
「ここに資産家のベルダンが残した直訴状がある」ししゃもは手紙を取り出した。
「町長と憲兵隊の癒着事件だ。数年前から人件費を水増し請求している」ししゃもが話した。
「お前が犯人だ。ボウド」ししゃもはボウドを睨んだ。
「で、どうするんだ。捕まえるのか」ボウドが話した。
憲兵隊の連中がししゃもを見てニヤニヤと笑っている。
「ボウドさんには皆、お世話になっているんだ。カエル野郎」一人の憲兵が話した。
「お前を始末すれば何も問題は無いな」もう一人の憲兵が話した。
「お前たちに正義は無いのか」ししゃもが尋ねた。
「憲兵なんて安月給なんだ。誰もお前の話は聞かないよ」別の憲兵が話した。
「そうか」ししゃもがため息をついた。
「まぁ、力の差を見せつけるしか無いな」ししゃもは暗黒騎士にクラスチェンジした。
ししゃもは暗黒騎士のスキル【ダーク・フィア】を唱えた。
「か、体が」憲兵の一人が体を硬直させた。
「な、何だ。こ、これは」別の憲兵も動きが止まった。
「これは恐怖を与えるスキルだ」ししゃもが説明をした。
「さて、一人ずつ拘束していくか」
「お、お前、い、一体何者なんだ」ボウドは恐怖で冷や汗をかいている。
ししゃもはボウドの質問に答えなかった。
「わ、分かった。ひ、百万ピクスでどうだ。み、見逃してくれ」ボウドが話した。
「無理な話だ。諦めて罰を受けるんだな」ししゃもが話した。
「牢屋はどこだ」ししゃもは憲兵の一人に尋ねた。
「し、宿舎の地下に牢屋があります」憲兵の一人が話した。
「お、お前、仲間を売るのか」別の憲兵が話した。
「お、俺には家族が居るんだ。ボウドの事は本当に知らなかった」憲兵の一人が話した。
「懸命な判断だ。それなら処罰される事は無いだろう」ししゃもが話した。
「お、俺も関係が無いぞ」別の男が声を上げた。
「お、お前ら、裏切るのか」ボウドが叫んだ。
「ボウド、諦めろ。もうお前に味方する奴は居ないだろう」ししゃもが話した。
ボウドは青ざめた顔で下を向いている。
「隊長のダーク・フィアは凄いですね」燕ちゃんが話した。
「低レベルのモンスターに恐怖を与えるスキルだが、かなり有効だな」ししゃもはそう言いながら背後に人の気配を感じた。
「隊長、町長のハマンを連れて来ました」毒蛇さんが後ろに現れた。
「ボウド」ハマンはボウドを見ている。
「私は罪を償う。許して下さい」ハマンが話した。
「ところで二百万ピクスはどこにある」ししゃもが尋ねた。
「ボウドの家の地下倉庫に隠してあります」ハマンが答えた。
「お、お前も裏切るのかハマン」ボウドが話した。
「ど、どいつもこいつも裏切りやがって」ボウドは懐から薬を取り出した。
ボウドは薬を飲み込んだ。ボウドは体が大きくなると大きな声で叫んだ。
「お前ら、殺してやる」ボウドの目が赤く染まっている。
「ほぅ、ダーク・フィアを解除したな」ししゃもは興味深くボウドを見ていた。
「この薬は飲むと三十分後に死ぬ。だが、お前たちも道連れだ」ボウドが話した。
「先ずはお前だ。カエル野郎」ボウドは拳を握りしめた。
「ステータスはどうなっている」ししゃもは知者の眼鏡を取り出した。
「成程、レベルが二百五十レベルだ」ししゃもが話した。
「死ね、カエル野郎」ボウドはバトルカード【必中】を取り出した。ボウドの固い拳がししゃもの顔面に直撃した。
「死んだかカエル野郎」ボウドは大きな声で笑った。
「次はお前らだ」ボウドは動けない憲兵たちを睨んだ。
「まぁ、待てよ。ボウド」ししゃもがボウドの腕を掴んだ。
「もっと遊ぼうぜ」ししゃもが笑っている。
ボウドの顔が一気に青ざめた。「な、何で生きているんだ」ボウドは心の奥から恐怖を感じた。
「その程度の攻撃では何も感じないぞ」ししゃもがボウドの腕を握りしめた。
次の瞬間「ギャアァア」ボウドの腕が引き裂かれた。
「な、何者なんだ。お前は」ボウドは腕を押さえている。
「せ、せめて、こいつらを道連れにしてやる」ボウドは片腕で憲兵の顔を殴りつけた。憲兵の首が折れた。
ボウドは動けない憲兵を一人ずつ殴り殺した。
ボウドは泣いていた。
「お前らの事は信じていたのに」ボウドは泣きながら憲兵の顔を殴った。
「ハマン、あの薬は一体なんだ」ししゃもが話した。
「あれは、多分。ご禁制の鬼人薬だと思います」ハマンが話した。
「ご禁制という事は禁止されている薬なのか」ししゃもが尋ねた。
「はい、あの薬はどの国でも禁止されています」ハマンが答えた。
「何故、ボウドがその薬を持っているんだ」ししゃもが話した。
「私には分かりません。ですが、裏で流通していると話に聞いた事があります」ハマンが話した。
「ステータスの伸び率が異常ですね」燕ちゃんが話した。
「レジェンダリー装備に匹敵するかも知れないね」ししゃもが話した。
「隊長のユニーク装備には到底、勝てませんよ」毒蛇さんが話した。
「ところで、あいつを止めないんですか。隊長」森羅万象さんが尋ねた。
「もう少しで終わるよ」ししゃもが時計を見ながら話した。
ボウドは憲兵隊の三分の一を殺すと地面に倒れた。もう二度と起き上がる事は無い。
「さて、ハマン。ベルダンの二百万ピクスは報酬で貰う事になっている」ししゃもが手紙を見せた。
「そうですか、私は罪を償います」ハマンは肩を落とした。
◆登場人物
◆ししゃも 物語の主人公。【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のリーダー。
◆燕【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。
◆毒蛇【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。
◆うすしお【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆岳【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆緑川【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆ああああ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆とんかつ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆麦茶【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆小麦【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆とろろ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆森羅万象【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆七味【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆こてぺそ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆阿修羅【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆ふみふみ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆りこっち【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆マイガ【五月雨】のリーダー。
◆オウド【五月雨】のメンバー。
◆キネス【五月雨】のメンバー。
◆オーダイ【五月雨】のメンバー。
◆クリネ【五月雨】のメンバー。
◆ハマン【ソランの町】町長。
◆ベルダン【ソランの町】資産家。
◆ボウド【ソランの町】憲兵隊の幹部。
◇設定資料
◇【ピクスの価値】百円=一ピクス、千円=十ピクス、一万円=百ピクス、十万円=千ピクス、百万円=一万ピクス。




