14.手紙
「警備の依頼か」ししゃもは冒険者ギルドの掲示板を見ていた。
「こっちは荷揚げの依頼ですね」燕ちゃんも依頼を見ている。
「報酬が百から百五十ピクスだな。何だか日雇い労働者みたいだ」ししゃもが話した。
「まぁ、一番下のフローライトですからね。我儘は言えませんよ」燕ちゃんが話した。
「これなんか子守だよ。まいったね」ししゃもが項垂れていた。
「子守とか隊長に似合ってますよ。その依頼を受けましょう」燕ちゃんは笑っている。
「報酬は」ししゃもが尋ねた。
「半日で三十ピクスですね」燕ちゃんが答えた。
「うーん、燕ちゃん。からかっているだろう」ししゃもは苦い顔をしていた。
二人で掲示板を眺めていると受付嬢のリーネが話しかけて来た。
「ししゃもさん、依頼を探しているんですか」リーネが話した。
「そうなんだけど、どれも似たり寄ったりでね」ししゃもが話した。
「フローライトの依頼は難易度が低いですから」リーネが話した。
「何か良い依頼は無いのか」ししゃもが尋ねた。
「この依頼なんかどうですか、新しい依頼なんですけど」リーネが話した。
「どんな依頼なんだ」ししゃもが尋ねた。
「報酬が三千ピクス、フローライトの依頼です」「依頼内容は直接会って話をするそうです」リーネが答えた。
「この報酬だと冒険者が殺到しますよ」リーネが話した。
「よし、その依頼に決めた」ししゃもは書類にサインを書くとリーネに手渡した。
「即断でしたね」リーネが笑っていた。
「簡単な地図を描いてくれないか、この町の地理に疎くてな」ししゃもが話した。
「良いですよ」リーネは簡単な地図を書いてししゃもに渡した。
「では、頑張って下さい」リーネが二人を見送った。
「町の西側か」ししゃもは依頼主の住所に向かった。
「隊長、どんな依頼なんでしょうね」燕ちゃんが尋ねた。
「うーん。直接、依頼主に聞くしか無いだろうな」ししゃもが答えた。
町の大通りから外れた場所に大きい屋敷が立っていた。大きな鐘を鳴らすと屋敷から使用人が出て来た。
「お客様、何用ですか」年配の女性が尋ねた。
「ギルドで依頼を受けて来た。場所はここの筈だが」ししゃもが話した。
「そうですか、では、屋敷の中へ。案内をします」年配の女性が話した。
屋敷の中は豪華な作りだった。所々に配置された装飾品が良い色合いを見せている。
「こちらです」年配の女性が話した。
ししゃもが部屋の中に入ると初老の男が待ち受けていた。
「依頼を見て来たのか」初老の男が尋ねた。
「はい、ギルドで依頼を受けて来ました」ししゃもが話した。
「そうか」初老の男が話した。
「それで、どんな依頼なんですか」燕ちゃんが尋ねた。
「この手紙をある人物に届けて欲しい」初老の男が話した。
「それだけですか」ししゃもが話した。
「それだけだ」初老の男が答えた。
「今日の夜、二十三時にここで待ち合わせだ」初老の男がメモに簡単な地図を書いた。
「了解です」ししゃもがメモを受け取った。
「先に報酬を支払っておく」初老の男がピクスを数えている。
「三千ピクスだ。無事に終わったら、もう三千ピクスを上乗せする」初老の男が話した。
「手紙を渡すだけで六千ピクスですか、羽振りが良いんですね」燕ちゃんが話した。
「大事な手紙だ。必ず相手に届けるんだ」初老の男が話した。
「何か気を付ける事はありますか」ししゃもが尋ねた。
「手紙を渡すだけだ。難しい事では無い」初老の男が答えた。
「成程、では失礼します」ししゃもがお辞儀をした。
二人は屋敷を出ると会話を始めた。
「隊長、良い話でしたね」燕ちゃんがご機嫌だった。
「あぁ、手紙を渡すだけで六千ピクスだ」ししゃももご機嫌だった。
「しかし、この手紙は何なんだろうな」ししゃもは手紙をくるくると回している。
「大事な手紙なんですから、大切にして下さい」燕ちゃんが話した。
「そうだな。無くしたりしたら大変だ」ししゃもはバックパックに手紙を入れた。
「隊長のバックパックなら世界で一番安全ですね」燕ちゃんが話した。
「時間までどうする。宿屋に戻るか」ししゃもが尋ねた。
「折角ですし、お散歩でもしましょう。カフェも行きたいですね」燕ちゃんが答えた。
二人は時間が来るまで町の中で暇を潰していた。
「そろそろ、待ち合わせの場所に向かうか」ししゃもが話した。
「そうですね」燕ちゃんが時計を見ている。
「相手は誰なんだろう」ししゃもが呟いた。
「初恋の相手とか」燕ちゃんが話した。
「初老の男が初恋の相手に手紙を送るとかありそうだな」ししゃもが頷いている。
「でも、それなら本人が渡した方が良いんじゃないか」ししゃもが話した。
「不器用な所が良いんですよ」燕ちゃんが答えた。
二人は町の大通りから路地裏に入ると、人通りが少ない公園に辿り着いた。
「まだ、時間まで少しあるな」ししゃもが話した。
「隊長、あれ、何でしょうか」燕ちゃんが指を差した。
薄暗い公園の中で人が倒れていた。
「大丈夫ですか。あれ、依頼主じゃないか」ししゃもが目を細めた。
初老の男が死んでいた。胸に刃物が突き刺さっている。
「どういう事だ。何故、依頼主が死んでいるんだ」ししゃもは慌てていた。
「即死ですね」燕ちゃんが初老の男を見ている。
「お前たち、動くな」大人数の憲兵隊が公園を取り囲んでいた。
「殺しの現行犯だ」憲兵隊の一人が話した。
「ま、待て、俺たちは殺していないぞ」ししゃもが話した。
「俺たちが目撃しているんだよ。お前らが犯人だ」憲兵隊のもう一人が話した。
「私たちは依頼でこの公園に来たんです」燕ちゃんが話した。
「言い訳をするな、この人殺しが」憲兵隊はあっという間に二人を取り囲んでいた。
ししゃもは何が起きているのか、この状況が理解出来なかった。
◆登場人物
◆ししゃも 物語の主人公。【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のリーダー。
◆燕【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。
◆毒蛇【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。
◆うすしお【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆岳【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆緑川【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆ああああ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆とんかつ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆麦茶【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆小麦【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆とろろ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆森羅万象【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆七味【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆こてぺそ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆阿修羅【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆ふみふみ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆りこっち【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。
◆マイガ【五月雨】のリーダー。
◆オウド【五月雨】のメンバー。
◆キネス【五月雨】のメンバー。
◆オーダイ【五月雨】のメンバー。
◆クリネ【五月雨】のメンバー。
◇設定資料
◇【ピクスの価値】百円=一ピクス、千円=十ピクス、一万円=百ピクス、十万円=千ピクス、百万円=一万ピクス。




