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10.五月雨

 五人組はカウンター席で飲んでいた客たちを店から追い出した。


「やっぱり、この席が落ち着くぜ」強面の男が話した。


「おい、ねーちゃん。人数分のビールを頼む」男が注文をした。


「は、はい、直ぐに持って来ます」店員の女の子は怯えていた。


「何だ、あの連中」ししゃもが呟いた。


「あれは五月雨さみだれの連中ですね」隣のテーブルに座っていた男がししゃもに耳打ちをした。


「クォーツの冒険者なんですけど、評判は悪いですね」男が話した。


「誰も文句を言わないのか」ししゃもが尋ねた。


「そんな事をしたら殺されますよ。関わらないのが一番です」男が話した。


「よし、俺が文句を言ってこよう」ししゃもが立ち上がった。


「旦那、よした方が良いですよ」男は慌てていた。


「社会の何たるかを教えてやる」ししゃもが酔っぱらっていた。


 ししゃもはカウンター席に一人で向かった。


「お前ら、迷惑なのが分からないのか」ししゃもが説教をした。


「あ、何だ。人間なのかお前」男が話した。


「このカエル野郎、ぶっ殺すぞ」強面の男がこちらを睨んだ。


「みんな、楽しく飲んでいるんだ。お前らも大人しく飲め」ししゃもが話した。


「度胸は認めるが、あんまり調子に乗るなよ」リーダー格の男が話した。


「何だと、調子だと、お銚子なら遠慮なく飲むぞ」ししゃもが話した。


「この酔っ払い馬鹿なの」女が話した。


「カエル野郎、表に出ろ。ぶちのめしてやる」強面の男が話した。


「暴力は良くないぞ、それより、お銚子一本だ」ししゃもが話した。


「酔っ払いめ。外に出ろ、目を覚まさせてやる」リーダー格の男が話した。


 ししゃもは店の表に出た。


「いいぞ、やれ」「どっちが勝つんだ」「五月雨だろう」「いや、カエルがやるんじゃないか」酔っ払いたちが騒いでいる。


「俺様が相手になろう」強面の男が前に出てきた。


「カエルちゃんの強さを見せてやる」ししゃもが前に出た。


 二人は睨み合いになった。先に強面の男が拳を振り上げる。ししゃもは腕を交差させてガードの構えになった。拳がししゃもに当たると強面の男は手ごたえを感じた。


「カエル野郎、どうだ。ガード越しでも効いただろう」強面の男は余裕の表情だった。


 次にししゃもが動いた。素早く拳を構えると相手の腹を殴った。今度は男がガードを構えたが、拳が腹に当たると男は後ろに吹き飛んだ。


「な、何が」強面の男は腹を押さえて悶絶していた。


「カエル野郎、マイガ様が相手になってやる」リーダー格の男が前に出た。


「オーダイがやられた。相当、手強いぞ。このカエル野郎」男の一人が話した。


 次の瞬間、マイガは手元にあるカードを使用した。「バトルカード」そう言いながらししゃもの顔面を右手で殴った。ししゃもはその攻撃をかわした筈だったが、何故か右手の拳が顔面に当たっていた。


「何だ、今のは」ししゃもが目を丸くしていた。


「倒れないのか、相当、タフなんだな。お前」マイガが話した。


「今のは一体、何なんだ」ししゃもはマイガに尋ねた。


「バトルカードだよ。知らないのか、カエル野郎。どこの田舎者だ。お前」マイガは笑っていた。


 その瞬間、ししゃもは素早い動きでマイガの顔面を殴った。マイガが吹き飛んだ。


「さて、次は誰だ」ししゃもはファイティングポーズを取った。


「ま、待て、降参する。俺たちでは敵わない相手だ」男がししゃもに話した。


「大人しく飲むか、どうなんだ」ししゃもが尋ねた。


「大人しくするよ」男が肩を落としていた。


 それから五月雨のメンバーは大人しくカウンターの席に戻った。


「体は大丈夫か」ししゃもが何故かカウンターの席に座っていた。


「はい、大丈夫です」強面の男が話した。


「お前たち、名前は」ししゃもが尋ねた。


「俺は五月雨のオーダイです」強面の男が話した。


「私は五月雨のクリネ」女が話した。


「俺は五月雨のオウドです」男が話した。


「私は五月雨のキネスと申します」男が話した。


「俺が五月雨のリーダー、マイガです」リーダー格の男が話した。


「折角だ、共に飲もう。お前たちの奢りで」ししゃもが笑った。


「旦那、好きな物を頼んで下さい。俺たちの完敗です」マイガが話した。


「そうか、ならビールを貰おう。おねーちゃん。ビール頂戴」ししゃもは遠慮せずに注文をした。


「先ほどのバトルカードは一体何なんだ」ししゃもが尋ねた。


「バトルカードは十五分ごとに使える魔法のカードです」キネスが話した。


「道具屋で販売していますが、中身は何が入っているのか分かりません」オウドが話した。


「十五分ごとに使えるのか、それは便利だな」ししゃもが話した。


「俺が使用したカードは『必中』です。必ず攻撃が当たります」マイガが話した。


「拳を使った戦闘に必中は無いからな」ししゃもが話した。


「これを差し上げます『スタミナ回復①』です」キネスがバトルカードをししゃもに渡した。


「そのカードは疲労度を一段階回復します。便利なカードですよ」


「おぉ、これは有難い。ありがとう」ししゃもはお礼を言った。


「旦那は一体、何者なんですか」オーダイが話した。


「その強さ、只者では無いですよね」キネスが話した。


「あのテーブル席の団体が俺の仲間だ。傭兵団をやっている」ししゃもが指を差した。


「みんな、強いぞ。百戦錬磨の達人たちだ」ししゃもが話した。


「旦那は下手をしたらダイヤモンドクラスだと思うんですが」マイガが話した。


「今日、登録したばかりなんだ。フローライトだから君たちの後輩になる。よろしくね」ししゃもがお辞儀をした。


「いえ、こちらこそ。良かったら俺たち五月雨と同盟を組みませんか」マイガが話した。


「ん、どういう事」ししゃもはビールを飲み干した。


「フローライトの依頼なんてたかが知れてます。同盟を組めばクォーツの仕事が出来ますよ。手伝いって事で」オーダイが答えた。


「先ほど、店に来て機嫌が悪かったのには実は理由があります」キネスが話した。


「現在、受けている依頼なのですが、モンスターが異常な程に強くて、我々はそれから逃げて来たんです」キネスが話した。


「おねーちゃん。ビール頂戴」ししゃもは追加でビールを頼んだ。五月雨のメンバーはみんな真剣な顔でししゃもを見つめていた。

◆登場人物


◆ししゃも 物語の主人公。【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のリーダー。


つばめ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。


毒蛇どくへび【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のサブリーダー。


◆うすしお【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


たけ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


緑川みどりかわ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆ああああ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆とんかつ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆麦茶【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


小麦こむぎ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆とろろ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


森羅万象しんらばんしょう【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


七味しちみ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆こてぺそ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


阿修羅あしゅら【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆ふみふみ【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆りこっち【バトル・オブ・ザ・フロッグス】のメンバー。


◆マイガ【五月雨】のリーダー。


◆オウド【五月雨】のメンバー。


◆キネス【五月雨】のメンバー。


◆オーダイ【五月雨】のメンバー。


◆クリネ【五月雨】のメンバー。


◇設定資料


◇【ソランの町】ヨームの村から南東にある町。


◇【冒険者ギルドランク】ダイヤモンド、コランダム、トパーズ、クォーツ、フェルスパー、アパタイト、フローライト。モース硬度がランクを示す。最高ランクはダイヤモンド、最低ランクはフローライト。


◇【バトルカード『必中』】攻撃が必ず相手に当たる。


◇【バトルカード『スタミナ回復①』】疲労度が一段階回復する。

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