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22/27

Our small genesis1

 イオがホテルのベランダから飛び立った数刻前。

 

 ――オムニトロンの最深部”クレイドル”。

 そこには夢を見ているかのように目を閉じたジェネシスギア。

 ジェネシスギアの包まれたカプセルの隣には、

 寝台が置かれユリが横たわっている。

 その様子をリナとマキが心配そうな眼差しで見つめていた。

 ベンとタケルはコンソールでジェネシスギアのパラメーターに注視している。

 モニターにユリがディープエンタングルに入った事を示す波形が、

 映し出されていた。

 

 「行ったみたいだね。頼んだよ、ユリ」

 

 ベンは横たわるユリに向かって呟いた。

 

 数か月前。

 ノアとユリが量子フィールドで接触した時のデータをアドは解析していた。

 2人が会話している間、ノアの波長がユリの意識の波長に、

 シンクロしていた事が判明した。

 ユリの思いに触れようとする時、ノアの波長が振動し変化する。

 アドが設計した「位相量子プロセッサー」は、その波長のシンクロを利用し、

 現実で認識できるレベルにノアの存在を安定させる。

 それによってノア自身を量子エネルギーとして起動することが可能となる。

 

 ユリとノアはその為のトレーニングをこれまで積んできていた。

 例えるなら今まで自由にサバンナを駆け巡っていた獣に、

 大都会の交通ルールを理解させ一定のルートを歩かせる。

 そんなイメージだ。

 アドはユリの意識に向かって最後のレクチャーをしていた。


『位相の異なる次元っていうのはまだまだ何も分かっていない。

 今までユリが認識していたのはノアの極一部分っていう可能性もある。

 でも恐れなくていい。ユリは僕の期待を超えた結果を出し続けている。

 ”ノアの全て”を観測し、ジェネシス・ギアに導いていくんだ。

 準備はいいかい?』

 

 今はまだ瞳を閉じただけの暗闇の中。

 その暗闇にアドの声だけがこだまする。


「うん、もちろんだよ!」

 

 ユリは力強く応える。

 ようやく見つけた何に変えても成し遂げたい事。

 皆に沢山無理を言って迷惑もかけた。

 迷いなどあるはずもない。

 

 ユリは意識の中で量子化した自分の瞳をイメージする。

 そしてゆっくりと開いた。

 ビュン、と光の筋が目の前を通り過ぎる。

 

 ビュン、ビュン、ビュン。


 ひとつ、またひとつ。

 数多の光の筋が量子フィールドの至るところからユリを近くを突き抜ける。

 次々に発生する流星のような光。

 あらゆる方向から現れ、彼女の目の前で光の大河のように合流していく。

 やがてそれは幾筋もの川となってユリの方へと流れていく。

 

 眼も眩むほどの光の奔流。無数の河が海に注いでいく。

 そんな光の川と海が生み出す河口にユリは立っていた。

 

「まるで光の洪水だ……これがノアの全てなんだね……すごい」

 

 今まで見てきた小さな可愛い光球のようなノアの姿とはまるで違う。

 しかしユリはその常軌を逸した光景を前に怯まないかった。

 決意を胸に抱いたユリの顔を光の海が照らす。

 

「必ず……私が導くから。行こうノア!」

 

 一方クレイドルでも予想を超える事態が起こり始める。

 

「これは……!」

 

 研究室のモニターに映し出された異常な数値のパラメーター群。

 アドの量子プロセッサーから漏れ出す謎の発光。

 量子プロセッサーからジェンシスギアへとつながる無数の光ファイバーにも、

 その光は漏れ出ていた。


「何が起きてるの……?!」

 

 リナが驚愕した表情でその光景を見つめている。


「分からない……ノアが世界へ生まれ出ようとするエネルギー……。

 足りないのか……この程度の器では……」

 

 ベンの額には汗が滲んでいる。

 

「大丈夫……なんですか……?」

 

 サオリは不安そうにその光景を眺めた。


「きっと……大丈夫」

 

 そう答えたのマキだった。


「うん、ユリならきっとなんとかして見せる」

 

 タケルがそう補足するとマキが頷き二人は拳を合わせる。


「私の相棒はやると決めた事、今まで全部叶えてきた。

 必ずやり遂げるやつなんです。

 私たちはユリを信じて待ちましょう」


 マキも不安がないわけではないだろう。

 しかしそれを上回る信頼で彼女達は結ばれているのだと大人達は感じた。

 ベンは顔を少し伏せると自分をさげすむような笑いを浮かべる。


(状況を把握できない子供の論理……。しかし……一理ある)

 

「それもそうだな……もう始めてしまったことだ。

 あとは天に……いやユリに任せてこちらでやれることをやるだけか。

 タケル、そっちのラジエーター出力をもうちょっとあげてくれ」

 

 「了解です!」

 

 タケルはコンソールへ駆け寄り、ラジエーターのパラメーターの調整に入る。

 サオリもその様子を見て、ユリのメディカルチェックへと戻る。

 それぞれの持ち場で、皆が再び戦い始める。

 リナはその光景を見つめる。

 誰に言うでもなく、自嘲気味に呟いた。

 

「まったく……毎度のことながら……。

 試されているのは、いつも私たちのほうね。」

 

「そうかな、まあ、いい刺激にはなってはいるがね」

 

 ベンは苦笑いを浮かべ想定外だった部分のシステムの補正に全力をあげていた。


 混沌とした光の洪水のただ中。

 ユリはそっと目を閉じた。

 怖さはない。

 むしろ、暖かい。

 無数の流れの1つ1つに、ノアの意志のきらめきを感じて、胸が熱くなる。


(大丈夫。向かべき場所が分かる。

 みんなが待っているのを強く感じられるから)

 

調律チューニング、開始して』

 

 アドの声がユリにそう告げた。

 ユリは両手を胸の前に差し出す。

 心の中で強く、強く願った。


(ノアおいで。私が、あなたをあの場所に連れて行く)

 

 その願いが波動となり小さな世界を震わせる。

 ユリの量子体から生まれた波動が光の海を共振させた。


 ユリの祈りが、再び小さな世界の理を揺るがした。

 アドという量子コンピューターの中。

 肉眼では見ることもできないとても小さな世界。

 その世界に声が響く。

 

 ――ノアは行きたい。

 ――ユリと一緒に。

 

 ノアの声が幾重にも重なり、聞こえた。

 無限に広がる光の海。

 ユリの祈りが、それをたった1つの向かうべき場所へと導き始める。

 ユリの祈りに共鳴するように、無秩序に広がっていた光の海に変化が起こる。

 

 細かな粒子が溢れだす。

 ユリが差し出した両手。

 そこに向かって粒子そろそろと集まり始まる。

 粒子はやがて小さな子供の手の形のようになった。

 キュっとユリの手をつかむ。


 アドの感嘆の声が響く。

 

『光が……人の形を……!』

 

 集まり続ける粒子。

 やがてそれは朧げな形を浮かび上がらせる。

 粒子が少女のシルエットを作り始めた。

 現実世界のベンが呟く。

 

「ノアの意識パターンの収束を確認……初めてだ。安定した形を取り始めた……」

 

 ユリは朧げな少女に優しく微笑む。

 

「ノア、分かる?これから向かう場所……あそこが私たちの戻る場所だよ」

 

 ノアの体に、光の海からエネルギーが注がれていく。

 足が生まれ、腕が形作られ、顔の輪郭ができていく。

 足元に広がっていた光の海。

 いまやそのほとんどがノアの体として消費された。

 

 ――うん、分かる……ユリから感じる。あそこがノアの居場所……。

 

 クレイドルでも異変が起きていた。

 まるで水辺にいるようなひんやりとした空気。

 床のタイルが仄かに鳴動している。

 アドのプロセッサーからははらはらと光の粒子が舞い上がる。

 それが無数のホタルが飛び交うがごとき幻想的な様相を作り上げる。

 

 光ファイバーには閃光のような光が走る。

 そこにつながるジェネシス・ギアが青白く発光しはじめる。

 銀髪だった髪がファイバーから流れ込む光を吸い込み、

 瞬く間に宝石のような鮮やかな青色へと光り輝く。

 人工皮膚の下に血流が通うかのように青い輝きが走る。

 各々が、その光景に目を奪われている。

 

「こんなの……こんなことが起きるなんて……」


 タケルが驚きの声を上げる。

 

「ああ……でたらめだ……。

 我々の理論そのものを侵食している。こちらの設計なんてお構いなしか……」

 

 ベンは深刻そうな表情でモニターのパラメーターを注視している。

 用意していた領域メモリに未知の変数が満ちていく。

 ジェネシスギアの素材がなにか別のテクスチャーに置き換わっていく。

 ベンがまったく想定していない何か不可解な力によって起きているものだった。

 

「全く……常識なんてまるで通じないのね……。でも……」


 リナがため息をこぼすとサオリが続けた。

 

「美しい……です」

 

 マキも頷く。

 

「うん、綺麗だ……」

 

 最先端の技術によって作られたクレイドル。

 だが今やその面影はない。

 まるで神話の一シーンのような荘厳な空間へと変わっていた。

 その奇跡のような景色を作り出した2人の少女の寝顔を優しく包むように。


 量子フィールドでは無数の光の支流も光の海も全てがノアの姿と統合された。

 朧気なシルエットだった少女は今やはっきりとした形を伴っている。

 あのジェネシス・ギアと同じ、青い髪を輝かせた少女の姿。

 ノアは少しだけ名残惜しそうにユリの手を離す。

 

 ――ユリ、ありがとう。すぐ、会いに行くね。

 

 ユリは優しく微笑む。

 

「うん、向こうで。また会おう」

 

 ユリの意識は、ゆっくりと現実の世界へと戻っていった。

 モニターのパラメーターを見ていたベンがユリの帰還を告げる。

 

「ディープエンタングルの終息を確認。戻るぞ」

「心拍、脳波安定領域です。メディカルに異常はありません」

 

 サオリがそう告げるとマキとリナは顔を見合わせホッと胸を撫でおろした。

 2人はユリの元へと駆け寄る。

 寝台の上でユリが目を開けると、2人の心配そうな顔が目に入った。


「心配性だなぁ、二人とも。ただいま、戻ったよ」

 

 ユリは、はにかむような笑顔で言った。


「おかえり、心配くらいさせろよ。私なんてそれくらいしかできないんだからさ」

 

 マキはユリを軽く小突くと手を差し伸べてユリを寝台から起こした。

 ユリは辺りを見回わす。

 先ほどまで神秘的な光に満ちていたクレイドルは落ち着きを取り戻していた。


「ノアは?ジェネシスギアは?どうなった?」

 

 ノアのポッドの前に立っていたリナが体を少し横にかわす。


「驚くわよ。自分の目で見てみて」

 

 ガラスの向こう。

 ポッドの中で眠る少女。

 その髪は、夜空の銀河のように深く、そして鮮やかな青色に輝いていた。

 白い皮膚の輪郭にも仄かに青白い光をまとい、長いまつげがきらきらと光っている。

 

「おなじだ……あっちで会ったときと」

 

 ユリはノアの元にたどたどしい足取りで寄り添う。

 プシュー、という音と共にポッドの扉が開く。


「ノア、聞こえる?」

 

 長いまつ毛が、ぴく、と震えた。

 小さな口が僅かに動く。


「あ……あー」

 

 清らかなハミングのような高い音がノアの喉から発せられた。


「聞こえる……声……ノアの声……ユリの声も」

 

 その唇が、愛らしい声を紡いだ。

 ユリがノアの手をそっと握る。

 

「私にも聞こえる、ノアの声。私の手、分かる?」

 

 ノアの口元が優しく動き笑みを浮かべた。

 

「……うん、分かる。ユリの手あたたかい」

「 目、ひらいてもいいの?」

 

 量子フィールドで交わした約束が果たされようとしていた。

 ユリの瞳が僅かに潤む。

 そして最高の笑顔浮かべ頷いた。

 

「うん、いいよ。目を開けてみて、ノア」


 そして、ノアの瞳が、ゆっくりと開かれる。

 まるで銀河を宿した宝石のような青い瞳。

 その目がまっすぐユリを見つめる。


「ユリだ……ユリがいる……来たんだね、ユリのいる世界に」

 

 嬉しそうにノアが笑いかける。

 ユリは堪えきれずに溢れた涙で頬を濡らしながら微笑む。


「うん、そうだよ……ようこそ、ノア。私たちの世界に」


 その様子をそばで見ていたマキは感動ですでに泣き腫らして顔をしていた。


「こんなことあるんだね。奇跡ってあるんだ。

 すごい……すごいよ。ノアもユリもみんなも……。」

 

 リナがマキの肩をそっと抱きしめる。


「あなたも十分すごいわ。

 今があるのはユリちゃんをずっと支えたあなたが居たからだもの」

 

 リナの瞳は、目の前の奇跡を確かに喜んでいた。

 が、それと共にその先の何かを見据えているようでもあった。

 彼女の視線の先。

 コンソールの前では、タケルがひきつった表情を浮かべている。

 タケルはベンに振り返り何かを訴えている。

 

「教授……ノア、笑って……ませんか?

 表情の制御なんて機能はないはずだし制御系からは何の信号も……。

 どういう原理なんです、あれ?」

 

 ベンの額には汗が浮かび、視線はノアに釘付けになっている。

 

「そうだな……。奇跡という言葉は好きではないが……。

 あれはもう……そうとしか言いようがない。」

 

 ベンは視線をモニターに移し答える。

 ノアの目覚めと同時にモニターに映し出された滝のように流れるエラー警告。

 あり得ないエネルギー放出量を示すグラフ。

 幸い、放射線の類は検出されていない。

 だが、彼の左手は、赤い緊急停止ボタンのカバーの上で、微かに震えている。

 

『……』

 

 カメラでその様子をアドが黙って見守っている。


『ノアの認識に従って現実のほうが書き換えられたのかもしれません。

 ジェネシス・ギアの構成素材が変質していますね…。

 これは奇跡というより……』


「なんだよ、アド……まさか神の御業……とでも言うの?」


 タケルが恐る恐るその言葉を口にした。

 ベンはその疑問に首を振る。

 

「アレがなんなのか、今の我々に計り知れるものではない。

 まずは……状況を見守ることだ」

 

 ユリは目に溜まった涙を拭う為にノアの手を離した。

 その様子を見てノアは不思議そうに呟く。

 

「ユリ……?泣いてる?悲しい?」

 

 小首をかしげユリの瞳を宝石のような瞳が覗き込んだ。

 ユリは大きくかぶりを振る。

 

「ごめん、違うんだ。これはノアに会えたことへの喜びの表現」

 

 照れ隠しにユリは笑う。

 ユリの頭を小さな手が優しく包む。

 

「だいじょうぶ」

 

 ノアはそっとユリの頭を撫でた。


「もうだいじょうぶ、ノアがいるから」

 

 ノアの思いがけない行動にユリは固まってしまった。

 顔が赤く紅潮していくのが分かる。

 全部見透かされているような恥ずかしさ。

 今まで自分が抱えていたモノが溶けていくような温かさ。

 複雑な心の葛藤が渦巻いた。


「あらら、ノアがお姉さんみたい」

 

 リナが微笑ましくその様子を見ながらマキに同意を求めるように振り返る。

 マキは口元を手で押さえている。

 その頬にはツーっと涙が流れ落ちる。

 ノアの小さな手がユリを慰めようとする光景。

 マキにとって、それはあまりに神聖なものだった。

 

 救いを求めていたユリを、自分は無理にでも引き留めることしかできなかった。

 ノアは自分にはできなかった、ユリが求めていた救いを与えている。

 そう思えた。

 その思った理由は分からない。けれでもただ後からあとから涙が溢れてくる。

 小さな手で頭を優しく撫でながらノアは天使のように囁く。

 

「よしよし、ユリはもうだいじょうぶ」

 

 その瞬間、ユリの涙腺は決壊してしまった。

 ノアの心の声が聞こえていた。

 

 ――今ユリが一番欲しい言葉ってなんだろう。

 ――1番優しい方法ってどんなだろう。

 ――ユリならきっとこうする。

 

 ノアはそう考えて精一杯の優しさを与えてくれていた。

 生まれたばかりの、まだ世界の何も知らないはずのノアが。

 

 マキが生きる強さを与えてくれた。

 けれど、与えられた強さは借物でしかなかった。

 強さの返済催促で心が折れそうになった。

 だから自分が「与える側」になることでようやく返せると信じていた。


(そんな自分はずるいって、思ってたよ……)

 

 自分の心の負債を、生まれたばかりの小さな手が全て溶かしていく。


 ――でもユリは暖かい

 

 気が付けば声を上げてユリは泣いていた。

 いつのまにか、その横でマキも一緒になって泣いている。

 

 「なんでマキまで泣いてるの」


 ユリが聞くとマキは掠れた声で


 「ワガラナイ――」


 と嗚咽まじりに答えた。

 ノアはよしよしと言いながら二人の頭を撫でる。

 2人はノアの小さな体を抱きしめていた。

 

 その光景を、大人達と少年は見守っていた。

 ベンの指が、ぴたりと止まっていた。

 ベンはゆっくりと、その手をボタンから離す。

 リナはベンに代わりコンソールを操作した。

 ノアの生体データを「保護」モードへと切り替える。

 

「いいのか……?」

 

 リナは黙って頷く。


「正しい選択をする。私達はそう決めた、でしょ?」

 

 ベンとリナのその表情にはある種の決意めいたものがあった。

 ベンはリナにだけ聞こえる程度の小さな声で今の胸の内を語った。

 

「開けてはならない扉……か。

 彼女達の絆が見せたこの光景こそが、それを正しく扱う唯一の方法なのかもしれないな」

 

 それを聞いてリナはベンに答える。

 

「ベンにしてはめずらしくロマンチストが過ぎるって言いたいところだけど……。

 そうね。あの光景を守る人間に私達はならなければならない。そう思うわ」

 

『……リナ、教授、ありがとうございます』

 

 アドが囁くような声で感謝を伝えた。

 タケルは呆然とその様子を見ていた。

 

「僕たちはいったい何を生み出したんだろう……ノアは何なんだ……」

 

 2人の少女とノアが肩を寄せ合う光景をタケルは不思議な気持ちで見ていた。

 その問いに、ベンは静かに答えた。

 

「我々は創ってすらいないさ。ノアが生まれる手伝いをしただけだ」

 

 そして、まるで自分に言い聞かせるかのように、付け加える。


「だとしたら我々にできる最も合理的で、

 唯一正しいアプローチは管理や隔離ではない。

 その”心”に寄り添い、観測していくことだけだ。」

 

 タケルは隣に立つ大柄な白髪交じりの男を見上げる。


「教授って……たまにカッコいいこと言いますよね」

 

 ベンはタケルの頭にその大きな手を乗せる。


「年季が違うからな」

 

 そういうもんですかね、と言うとタケルに、そういうもんさ。

 とベンは答えると2人はノアの元へと歩みだした。

 その光景を見つめ、様々な思いを心の中で巡らせながら

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