第86ゲーム『1人//一人との邂逅する僕と僕』
※さて読者の皆々様、実はすでに真実へ至るための材料は出そろっています。
推理しながら読んでいってみてくださいませ。
……あれは…………オトだ。
リアルで見るとこうなのか……。
ログインしてないと顔がマネキンみたいに固まっているけど。
たしかに僕だ。
水色のハットの帽子。
期間限定イベント攻略したときに手に入れたんだっけ。
あれが荒波の家の初戦だった。
僕らは中途半端な功績しか残せなくって手に入れたたった一つの戦利品。
ゲーマーとして最も誇りに思う装備品だ。
能力はいまいちだけど、このハットはジャンプ力上昇のバフを仲間にも常時発動してくれる。
思い出のアバターだ。
僕はオトに触れようとする。
するとオトは光の粒子になってバラバラに崩れ、その光が僕の中に入ってくる。
「何だこれ……?」
僕だけじゃなくタクローやナミカも同じだ。
自分のアバターと僕自身が融合していくのを感じる。
服の上にアバターの服が重ね着されていく。
「にゃあ」『そうか、ここはゲームと融合した空間!
なら現実とゲーム、両方の姿ってことで行けるんだ。』
「でもこの姿じゃスキルって……。うぉ!?」
スキルと言ったら僕の目の前にスキル用のウィンドウが出てくる。
これならいける……!!
「なかなかにイケメンになったじゃない!みんな!」
アカリ先生は、仮面を取って先ほどのケムリさんの様に消えかかっている。
「ありがとう先生。」
「ラーメンの件は忘れてないけど……グッジョブよ!。」
先生はサムズアップする。するとスミさんが懐から何らかの紙切れを出す。
「アカリ姉さん、これ駅前のラーメンのタダ券あげる。」
「……え?あ……ありがとスミ。また食べに行こう。
レンガやみんなも誘って。」
そう言ってアカリ先生は現実へと帰っていった。
▽ ▽ ▽
このゲームの姿じゃあナオトと呼んでいいのかオトと呼べばいいのかわからないけどとりあえず現実での『ナオト』という呼び方で統一していくつもりだ。
さっきタクローが開けた穴。
そこは外壁と同時に床の一部を破壊しており、そこから下へ降りれそうだ。
僕は目の前に出たUIを操作しアイテムからロープを選択する。
するとロープが目の前に出現する。
「降りるぞ……。」
僕は降りようとする前にリュフォーに近づきあることを頼む。
「リュフォー、ここから先君がまた操られないとも限らない。」
「ああ、そうだね。」
「その前に、これをやってほしい。」
僕はリュフォーにあるメールを送る。
「……なるほどね…………。
いい判断だと思う。」
「時間はかかるけど頼んだよ。」
「うん。ボクはここでそれをやる。」
僕らはリュフォーと別れ下へと降りる。
ロープを掴みするすると降りるとかなり大きな部屋に出た。
恐らくここが世界樹の中心。
ここから先に全ての黒幕もいる。
最後の裏切り者が誰なのか。
――――見定めてやる。
▽ ▽ ▽
ラストフロント第XXX層_THE Throne(玉座の間)
▽ ▽ ▽
ついにたどり着いた。
ここが玉座の間。
ロープを降りるとまるで円筒状の舞台で世界樹の中なのに、なぜか壁に青空が映し出されていた。
舞台の大きさは大きく25メートルくらいはありそうなくらい広い。
床の周りには取り囲むように水が流れ落ちていてどこか神秘的だ。
そして中央には物々しい4つのカプセルがあり、上の部屋のパイプもそこに繋がっていることがわかる。
カプセルのおいてある台座には本の形のような長方形のくぼみがある。
あとカプセル以外にも二つ台座がある。
ここにリュフォーを含む、キーアイテムを置けって言うのがゲームの指示なのだろう……。
僕らは鋼鉄の物々しい床に降り立つ。
「ここが……玉座!!」
ゲームの由来になった最も重要なエリア……。
金属の床が僕らの足音を響かせる。
「…………なぁ、ナオト。あのカプセルに入ってるのって…………。」
タクローの指さすカプセルの一つ。
そこに入っていたのは赤い髪の毛に一本角。
「ケン兄ちゃん……。」
患者達だ……。
「タクロー……ケンさんは…………。」
僕がケンさんの正体について言おうとすると、タクローは首を横に振る。
「……………………俺様は気づいていたよ。
だからこそ、必死になってんだ。
でも兄の気持ちを尊重したいんだ。
俺様に気づかれていないっていう、この偉大な兄の思いをな。」
…………そうか、気づいていたのか。
タクロー…………。
「ねぇ……、ほかの二人が赤と緑の王様たちなんだよね?ナオト?」
妹が指さしているのは赤と緑が入ったカプセルだ。
赤と緑の王……。ネツコ様、タイボクさん…………。
「あとひとつは……ああ、トレースのか。」
かつて戦ったトレース。
あいつのが恐らくあの空のカプセル……。
恐らく今現在、治療中なんだろう。
犯人の姿はどこにもないけど、彼らをカプセルに入れて何のつもりだ?
願いを叶えるのではなく本来想定されていた通りの使い方をしている。
「しかし、カプセル以外何もないなここ……玉座の間だというのに肝心の玉座がないし……。」
『さがせェ!!さがすんだァ!!』
ホーリーが言うように探そうにも探す箇所がほぼない……。
犯人がいるって思ったのに……。
犯人は誰なんだ……?
このゲームの世界にいるのか?
いや……待てよ……。
『M』のイニシャルを持つ人……。
『ラプラスの悪魔』がうずく。
『アバウトミラクル』は知っている。
一番最初の疑問が解消されていない。
始まりの疑問。
それは予言書を貰ったあの時。
『こういうゲームものの小説とかでは、まれに『NPC』が実在の人物並みの思考をしたりするっていうのがありがちだが…。
フロントゲーム・オンラインというゲームにおいて…それはありえないんだ。』
そう…………Mから始まる人物に出会った時の感覚。
ハナビさん達がいるから、『ありえてしまう』と認識していた。
だが同じ機械人のレンガさんは『プレイヤー』らしかった。
つまり『NPC』ではない。
では、わざわざ彼女は『NPC』として登場した理由は?
ビクトリアでさえ片言でぎこちない喋り方だ。
圧倒的に不自然な存在に僕らはいまだに再会できていない。
僕らを監視できる存在は?
ゲームの裏側でお茶会を行う人物。
ゲームと現実がまじりあった世界。
ゲームのピクセルなどの『仕様』を理解している存在。
――――――――本当にそこまで高度な知性を持つ存在がただの『舞台装置』でいるのか?
あれは本当にNPCなのか?
高度な知識を持つ人工知能か?
あるいは……。
ああ、分かった。そうか。
全ての黒幕ってのは『最初に出会っていた』。
「…………なるほどね。いるんだろ?出てきなよ。」
僕は振り返り4つのカプセルの後ろに潜む彼女をにらむ。
そう、こいつだ。
ずっと気が付かなかったけど、こいつが原因だ。
「ふふ……気づいたのね。」
彼女はスッと立ち上がり、白い魔女帽を揺らし妖艶に微笑む。
「マーリン。
君が事件の黒幕だ。」
「お久しぶりねぇ~!ユーザーオト!!
いや!!光奈波音!!」
美しい顔を蛇のように歪ませ僕らへ嘲笑う。
白き魔女マーリンは指で銃の形を作り、ケンさんが入ったカプセルへ突きつける。
「動くな。動けばこのカプセルを撃ち抜く。」
「ケン兄ちゃん!!」
まずい!人質に取られた。
動揺するな……。
人質にとるって言うのは何らかの目的があってのことだ。
逆に言えば目的があるからこそ、説得できる可能性もある。
こいつの目的……。
マーリンのもう片方の手に白き預言書が出現する。
あれがフォルトゥーナの予言書!!
「僕らを消費して、願いを叶えるんだろ。
マーリン、貴様はゲーム側の存在として、願いを叶えようとしているんだな!」
「君達を消費して願いを叶えようとしているっていうのは当たっているわ。
でもニアミスってとこね?
この『マーリン』ってキャラはユーザーにはNPCに見える特殊なアバターであって、ちゃんと中の人はいるよ。」
ゲーム側の存在ではない……とすると…………おそらくこいつが最初に猫状態のリュフォーを起動した『プレイヤー』。
はじまりはリュフォー。
マーリン
三つの予言書
白き預言書『フォルトゥーナ』の予言書の内容
理への挑戦
デバック
病気
願い
欲望
知能
僕の能力が理解を始める。
悪魔は全ての変数をつなげようとする。
それがラプラスの悪魔。
――――この世の理をえぐりだす。
「さぁ、真実を暴き出してやる。
フォルトゥーナの予言者マーリン。
お前の中にいるその正体。
お前の願い。そしてすべてをここで止めてやる。」
「いいよ。かかってきな。魔女は悪魔さえも統べるのだから。」
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この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。
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~FrG豆知識のコーナー~
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タクロー「この状態だとスキルが使えるみたいだな。ゲーム同様……。」
ナミカ「まさにゲームとリアルが混ざった姿だね。」
タクロー「でもなんだか服に立体投影しているみたいで感覚がないぞ?」
ナミカ「さすがに服の感覚のデータは入力していないからだと思うよ?」




