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第84ゲーム『2561号//一番目の姉との繋がり』




 リュフォーは猫の姿になり、現実世界との通信を開始する。

 ハナビさんにケムリさんの電話番号を教えてもらい、直接交渉だ。

 ここを降れば僕らはいよいよ、この世界の中央へ至るはずなんだ……。



「にゃー!」『少し待ってね……』

 電話に出るかどうか、説得できるか、そしてメルカのスマホの近くにいるかなどの壁がある。

「なぁ、俺様は疑問なんだけどよ。メルカのスマホの近くに絶対にいなきゃならないのか?」

「にゃ……。」『ボクが配布した召喚するための容量が超重いアプリを持っているのがメルカだけなんだ。』

 どうやらこういう理由で、メルカのスマホにいないとこっちの世界に召喚できないらしい。



「にゃにゃにゃ!!」『出た!ケムリさんだ!今、代わるね!』

 スマホの音質がわかりやすく変わる。

『も、もしもし……リュフォー……くん?

え?何かしら~?もしかしてリュフォー君もこっちの世界に戻ってきたの~?

みんなの姉である』

「ケムリさん!僕らは、こっちの世界で戦っています!っていうか状況把握してないんですか!?」

「お姉ちゃん、昔っから状況を把握するのとか苦手だから……。

ナオト君、交代して……。」

 ハナビさんが僕を押しのけてスマホへ近づくと大きく息を吸い込む。

『あら~~!その声ハナビ?

お姉ちゃんに最近会えなくて寂しかったのね~!

大丈夫!また会えたらお姉ちゃんが愛の抱擁をしてあげる!

だってお姉ちゃんのほうが、テルよりも先に生まれたし優秀ですごいんだから!』

 その言葉を聞くやいなや、ハナビさんは眉毛を引く突かせて握りこぶしをつくっていく。

 歯をむき出しにして、はたから見ていてものすごく怖い。



 すぅ……はぁ………………。

 と言う呼吸音の後……。




「…‥いい加減にしろオオォォォーーッッ!!!

この!恥さらしの大馬鹿姉ェーーー!!!

なぁああああにが優秀だァァッ!!!

ゴチャゴチャいつもいつも言って迷惑かけやがってッ!!

ハナビ達の身にもなってよッ!!

姉なら姉らしく、大人らしくしっかりと責任持った発言してよ!!

ガキじゃあないんだから!馬鹿アアアアァァーーーッ!!」







 ハナビさんの絶叫が世界樹にこだまする!!







『馬鹿って……ボクは……』

「うっさい!!黙れ黙れ!

黙れぇッ!!

ハナビは!ハナビ達は!!

あんたを引き立たせるために妹やってんじゃないの!!

先に生まれただけでしょ!!

いい加減にしてよッ!!

姉なら姉らしく、妹にかっこいい所見せてよ!!

テルお姉ちゃん、アカリお姉ちゃんと仲直りしてよ!!

いつまでガキやってんのッ!!?」

『………………。』

 ハナビさんは少し、涙を流し大きく地団駄をする。







 ケムリさんは少し、沈黙を保ったまま。





 少し息を吸い込む。



『……わ、わかった。ごめん……ハナビ……。

…………ちょっと精神統一のために、この『あめちゃんパチパチ』食べたら謝りに行くよ……。』

「はぁ……まぁやる気が出るなら知育菓子くらいなら許すけどさ…‥!

でもちゃんとお姉ちゃんに謝ること!そしてこっちに来て!」

「うん……。」

 ン?『あめちゃんパチパチ』?それって確か……。





【『あめちゃんパチパチ』のA袋を先に入れるのを阻止しなければ人生が詰む。】





 まずい。この予言だ。

 これは阻止せねば!!

 さらに言えば厄介なのは、この『あめちゃんパチパチ』を『こっちの世界』に持ってこさせたうえでA袋を入れるのを阻止せねば!!

 僕の予言書は『ゲームとリアルが混ざったこの世界』に限定した予言だ!

 仮に向こうの世界で阻止したり、『あめちゃんパチパチ』を向こうの世界に置き忘れたりすると、予言に反してしまう!!

 ただでさえゲームを止めるのに予言書が必要なんだ!!

 矛盾率をこれ以上あげるとどうなるのかわからない!!



「ケムリさん!!ストオオーーーップ!!」

『ぶぇ……!?』

「その『あめちゃんパチパチ』を持ってきてメルカのところいってください!!

理由はいいから!!今すぐに!!途中で作ったりしないでくださいよ!!」

『え……でもテルに謝ることもしないと……。』

「早く!!こっち優先!!こっちが終わってからテルさんに謝ってください!!

必ず『あめちゃんパチパチ』を持ってきてください!!」

『……う、うん。

なんだかよくわからないけど、これ持ってメルカちゃんとこ行けばいいのね?

ちょうど隣の部屋に泊まってるから行くね。』

 ほ……何とかなったみたいだ……。







「にゃー!」『それじゃあボクはそろそろ、ケムリさんを召喚する準備するね。

一応身を守るものを持ってきてほしいって言っておく!』





 ▽ ▽ ▽ 







 ――そして数十分後……。



 猫のリュフォーがぶるぶると震えた後、目がカッと見開く!

 目から不思議な青白い光が出て、そこからちかちかと人型の影が点滅し中から、ケムリさんが出現する。

 ただケムリさんは腕に大きな鋼鉄の手を装備しており、足も金属製だ。

 そして不思議なひし形のような仮面をかぶっている……。

 だけどもがっつり部屋着のスウェットだ……。

 あと大きな指にしっかりと雨ちゃんパチパチが入ったビニール袋を引っ提げている。

「……………………ここどこッ!!?」

 やっぱり状況把握していなかった!!

「説明している暇はないんです!!3分間しかないんです!!」

「カップ麺時間!?」

 いや確かにカップ麺ができる時間だけども!?









「お姉ちゃん!!」

「あ……ハナビ……さっきは電話越しでいろいろと……。」

「ゴチャゴチャいうのは後!!

お姉ちゃんにはこの水の中に潜って、水を張っている栓を外してきてもらいます!!」

「……えー……この水汚いし……。

飴ちゃんパチパチ……。」

「お姉ちゃん、そういう目的で作られたでしょ!

はよ行け!!」

 ハナビさん、ブチギレ加減がやばい……。

 ケムリさんは渋々ながらもガスマスクを付け気合を入れる。

 ……なんだかケムリさんの行動が若干、すっとろい感じがする。

 スローな感じだ。

 まぁいきなりこの状況になるとこうなるのはわからんでもないけど。

「帰ったらクリーニング代払ってもらうからね!」

 そう言ってケムリさんはビニール袋を投げ捨て水の中へダイブして行ってしまう。

 どーでもいいことかもしれないけど、スウェットのクリーニングを払うのか……。





 ▽ ▽ ▽ 






「ケムリさん、大丈夫なんでしょうか?たったの3分間ですよ?妙にゆっくりだったし。」

 僕がそうハナビさんに尋ねると、怒りから笑みへと表情が変わる。

「余裕よ。ケムリお姉ちゃんは水の中だとスペックが明らかに違うから。

あの足にはスクリューがついているし、腕を使って器用に高速旋回。

水上バイクなんて目じゃない速度で移動ができるし、ワイヤーアームを使って自分の身体が通らない狭い場所でも作業できるの。

目もいいから細かいことによく気が付くの。」

 あの人普段の言動があれだけど、そんなことできるの!?







「あ、終わったみたい。」

「えええぇ!?」

 振り返るとハナビさんが説明している間に、水位が下がり始めている!?

 おかしくない!?もう!?

「さすが私達のお姉ちゃん。」

 水位が下がりケムリさんの腕が床を掴み、みょーーーんとリール状の腕を使って身体を引っ張り上げる。

 スウェットが水によって非常に重そうに身体に張り付いてはいるがナミカの様にときめきはしない。







「終わったよ!」

「うん。ありがと……。

いろいろ言ってごめんね。私の自慢のお姉ちゃん。」

「でしょ!!でしょ!!ボクは人に自慢できる凄いお姉ちゃんなのだ!!」

 喧嘩したことなんてなんのその。

 目の前で水が引いていくように、ハナビさんの怒りも引いていき優しくハグをする。

 ケムリさんは子供の様に笑う。

 姉として誇り高く笑う。









 きっと明日も笑うだろう。僕らが世界を守るから。

※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます…!!

この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。



■ ■ ■ ■

~FrG豆知識のコーナー~

■ ■ ■ ■

ハナビ「昔はお姉ちゃんや私も成長できない10歳くらいの子供だったんだよ。」

ナオト「じゃあなんで今、この年齢程度の身長に?」

ハナビ「ちょっとツテで成長できるように願いをかなえてもらったんだ。」

ナオト「??」

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