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第82ゲーム『1歩先//一歩前との協力し合い』



 ■ ■ ■ 

フロントライゲーム・オンライン[ログイン]

 ■ ■ ■ 



 僕らは持ってきたパソコンからゲームをプレイする。

 力強い人種である鬼人のタクローとは言え、三つの小型パソコンとポケットwi-fiを含む機器を持ってきてすでにへとへとらしい。

 あとパソコン自体のスペックもあまりよろしくないから無茶な動きはできない。

 このことを念頭に置いてプレイせねば……。



 荒波の家のアジト。

 まだ、ラストフロントに入る前だ。

 今のうちに確認しておきたいことがある。

「さて前回、僕らは強引な方法で世界樹までぶっ飛んだんだよな?」

「ああ、バネブーツで限界高度ギリギリでワザと自分たちのチームフラッグをぶっ壊したんだよ。」

「そう……だからリスポーンバグを発生させる条件は整った。

前回の続きの位置から始められる。

ゲームの限界高度の位置にあるから幹を伝ってリアルまですぐのはずだ。

僕らは突入できる。問題があるとすれば……。」

「チームではなく、青の柱国自体が世界樹戦で豪快に敗北してラストフロントにいられなくなるっていうことだな!」



 そう、昨日僕らが敵の戦艦に乗っているとき、緑と赤の軍勢にだいぶ進行され国そのものが負けそうだった。

 忘れがちだがこのイベント世界樹戦は、三国の全面戦争だ。

 もし青の柱国にある国家用のフラッグがぶっ壊れたら、その時点で世界樹……つまりラストフロントから弾かれてしまう!

「クロス、あとどの程度持ちこたえられそう?」

 ニュース記事を見ているクロスに尋ねるとどう見ても顔が真っ青だ。

「現在国家フラッグのHPは四割を切った……。」

 マズイな……。

 防壁とかそういうのがない……。

 いつもだったらバイグス王が何とかするけど、今は三国の王、全員がいない。

 トレースが捕まったから、緑の柱国も混乱しているだろうけど負けている青の柱国をぶっ潰す機会を彼らが逃すはずがない……。

「持って数時間……。」

「急いでラストフロント……世界樹にいる私達の元に行くよ!」

「「おう!!」」



 こうして僕らはラストフロントへと旅立った。



 ▽ ▽ ▽ 

 ラストフロント第256層_TestArea_0

 ▽ ▽ ▽ 



 僕らの視界に映るのは真っ青な空。

 白い雲、そして地面は木の上に立っている……。



「リスポーンバグ成功!」

 なんとなく思った通り!うまくいった!!

 僕らは互いにうなずき合う。

 なおミカもオペレーターではなく、普通にフィールドにいる。

 だいぶ太い枝の上にリスポーンしたみたいだ。

「とにかく、ここが枝の上っていうならあっちの方向にリアルの俺様達がいるってことだよな?」

 クロスの指さす方向に僕らがいるとは思うけど、問題点として。

 僕らはどこの枝の中にいるのかがわからないってことだ。

 リアルの僕らは枝の中を進んでいた。

 でもゲームでの僕らは枝の上、外側だ。



 せめてリアルの僕らにゲーム内の道具を渡せれば話は違うんだけどなぁ……。



 …………待てよ。

 場所なら探知できる!

「ミカ!サウンド系統のスキルで、ソナー代わりにして僕らを探知できるよな!」

「え?ああ。そういえばフロントにあまり出ないけど、出た時たまに使うアレ?」

「そう、僕の近くにある増殖中の空き缶の音を探すんだ!」

「オーケー!索敵サーチスキル:サウンドソナー!」

 このスキルの索敵範囲は半径1.5キロ!つまり直径3キロだ!

 世界樹の大きさから考えてギリギリ範囲に入るはず。

 範囲に入らなかったとしたら真反対の位置にある幹に僕らはいることになる……。







「わかった!私から見て斜め右上、あそこにあるあの幹の中にリアルの私達がいる!」

 ミカが指さす方角……。

 それはやや離れた位置にある結構高い位置にある幹だ。

 この世界樹は名の通り巨木。

 ただ幹との間の離れている距離感のスケールも無駄にデカイ!

 目視しようにも、たどりつくことは難しい。

 僕らはここまでの移動でほとんどのアイテムを使い切ってしまっている。



「オト……世界樹ってのは『木』であってんだよな?」

「クロスいまさら何を……。」

「豪快に燃やしちゃダメかな?」







 ……え?






 まてまて!それってやばい!

「俺様の爆弾でリアルの俺様達がいる幹に穴をあけるっていう……。」

「いやリアルの僕ら死ぬからな!ソレ!!」



 いや……。





 …………あ、そうだ!それだ!!

「よくよく考えたらソレだよ!」

「「へ?ソレ……って何?」」

「壁抜けさせて、空き缶を凍らせればいいんだ!!」

 ゲームではよくあることだ。

 壁際に隠れていたのに、壁を貫通して攻撃が当たりゲームオーバーになる奴!

 技の判定が壁を超える奴!!

 あれをやればいいんだ!!

「クロス!アイスボムを!!」

「あいよー!飛距離的に怪しいからサポート頼む!」



 クロスがメジャーリーガーさながらの投球フォームを取る。

上昇バフスキル:オオカゼ!」

「いっけー!攻撃アタックスキル:アイスボム!!」

 野球ボールの様に周囲を凍らせる爆弾は幹へと向かっていく!!

 ミカのバフも相まって風がのっている素早い!!





 そして……!





「やったー!着弾した!!」

 遠くの幹が段々凍って……。

「……へ……へっくしょい!!」

 なんだか寒くなって思わずくしゃみをしてしまう……あ…………。

「早くログアウトしろ!!」

「「……あァ!?」」



 リアルの僕らめがけて撃ったスキルつまり……。



 ■ ■ ■ 

フロントライゲーム・オンライン[ログアウト]

 ■ ■ ■ 



 そりゃこっちはこうなってるよね~~!

 ログアウト後、パソコンの電源を落とすと、壮大な光景が広がってる

 遊園地のアトラクションとかで見たぞ。氷の大迷宮的な奴!

 普通に寒いし、滑る。

 ココがゲームの中とはとてもじゃないけど思えないほど寒さがリアルな感じ!

 当たりは氷におおわれているせいか、空き缶の増殖は止まったようだ。

「よ、よーし!進むぞー!!」

 寒さで震えながら進んでいく。

 だが空き缶がじゃまだ……。



「あたいに任せな……。この空き缶蹴散らせてやる!」

 スミさんはこの足元がおぼつかない中、ケンタウロスの姿になり僕らをかき分ける。

「いくぞ……突進ッ!!」

 直線にある空き缶を盾とやりを使い砕いていく!!

「そらそらそらそらぁッ!!」

 空き缶は氷と共に結晶となって消えていく。

 スミさんの活躍により道は開いた。



 僕らは幹の中をずんずん進んでいく。





 ちなみにだがゲーム外の僕らは大丈夫なはずだ。

 ここまで登ってくる奴はまずいない。

 恐らくあの位置からリアルにいる僕らまではあまり距離はないはずだ。





 ▽ ▽ ▽ 



 奥に進んでいくと広い場所に出た。

 恐らくここが幹なんだろうけど……。

 異質な感じだ。

 木の内壁なんだけど、目の前には円形の水たまりがあった。

 水はだいぶ深そうで、それを取り囲むように通路がある。

 見た感じ水族館の裏側って感じの場所だ。

 違いがあるとするなら木かガラスかの違い、生き物がいるかってだけだ。





 第二の試練だ……。


※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます…!!

この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。



■ ■ ■ ■

~FrG豆知識のコーナー~

■ ■ ■ ■

タクロー「パソコンて豪快に重いなぁ~!」

ナミカ「そりゃ3台分だからね。」

ナオト「タクロー、君の人種が鬼で良かった。僕だったら潰れてる。」

タクロー「うおおおお!!俺様が豪快にすごいってことだな!」

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