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第77ゲーム『2人の作戦と緑の裏切り者』




 ――――――ん?



 また妙な感覚がする。

 デジャブのような……。





『話を戻すけどあの時メルカたちが、襲われた場所。

そして三角形の中心つまりは『フロント』には何があるのか。

ナオトたちが向かうべき世界樹の中心も『そこ』。

奴にとっても向かうべき場所はそこなの!

ちゃんと思い出すの。』



「……。」

『ナオト?聞いてる?』

「え、ああ。聞いてる。」

 何でこんなにもぼーーっとしてしまうんだ?



 いや、気持ちを切り替えていかないと……!

 裏切り者の家は抑えた、逃げ道は断った。

 残りは今いるであろう潜伏先……。

「お、珍しく俺様分かったぜ!

この地図を豪快に見る限り、裏切り者、ナオト、そしてイトさんの家をつないだ中心にある場所……。」



挿絵(By みてみん)



「「「学校!!」」」

「学校でパソコン、ゲームがある場所と言えば……探偵団アジトかな?」

「いや、あそこにいるとは考えづらい。」

『あり得るとしたら視聴覚室なの!』

 やはりメルカ……!!メルカはすべてを解決する……!!

 メルカがいると一気に推理が進む。





「僕らは学校に向かう!世界樹への入り口もそこにあるんだろ?」

『気を付けて!』

「にゃーー!」『ボクの身体を持って行って!今から意識を警察署にある人間体に移すから!

ボクは操られるかもしれないからここから指示する!

猫の身体も拘束しておいて!』

「俺様が豪快に運んでいってやるよ!」

 猫リュフォーをカバンに詰め込み、僕らは出発準備を整える。

「あ、ナオトー。敵は攻撃してくるかもしれないよ?

ナオト、リアルでは私にも劣るくそ雑魚じゃん。

自衛できるの?」

 そりゃ地味に体育の成績が高いナミカ、お前に比べりゃくそ雑魚だろうけど。

 心配しないでほしいんだよなぁ。

 僕には植物状態中にチャージしたストックした筋力がある。

 それにお前達が近くにいてアバウトミラクルが使えない状況であろうと、ちょっと秘策があるんだよねぇ……。

「ナミカ、少し耳を貸してくれ。」

「は?まぁ……いいけど…………。」

 僕が思いついた作戦を告げる。



 ――そして敵が考えそうな狙いも……。



 ▽ ▽ ▽ 



「いいね!私達ならきっと行ける!」

「ああ、頼むよ!妹!」

「うん、お兄ちゃん!」

 僕らは互いにうなずき合い、実に久々となる学校へ登校する。

 さぁ、うちのめしてやるぞ!










 ▽ ▽ ▽ 

 裏切り者の視点

 ▽ ▽ ▽ 



 ――――――時刻14時半。



 さて……そろそろ、ログインするか。

 アイツらはどうせ世界樹にたどり着く。

 どうせリスポーンバグか何かを使ってな。

 現実側で食い止めるのは難しいだろう。

 だがゲーム側なら食い止められる。

 所詮は中級のしょぼいクランだ。

 ログイン時間もなんとなく察しが付く。

 アイツらはこの世界の拡大を止めるためにゲームのアバターと現実の肉体が2つ必要なはずと知ってしまった。

 ならば2つのうち1つを妨害すれば、ゲーム化の拡大は止まらない。

 ほかの患者も死ぬだろう。





 ここもバレることはほぼないはずだ。





 どうせ視聴覚室だと思っているはずだ。

 だが学校っていうのは意外にもパソコンが多い。

 視聴覚室や職員室に隠しカメラを仕掛けたあいつらが入ってきたら一発でわかる。

 探し回っている間に、逃げ回って職員室とかの、パソコンを奪ってあいつらをゲームの世界で叩きのめしてやる!



「ここならまず見つからない。

…………………………………………とか思っているんだろ?」

「な、なに!?」

 ワガハイの後ろに数人の人影が見える。

「な、なんだい……?

ナオト君……?みんな揃って……。

け、怪我は大丈夫だったのかい?長らく休んでいたが……?」

「ああ、お前のおかげでな!」

 薄暗い部屋の中、ドアの隙間から照らされた彼は仁王立ちで強気の口調で叫び、ワガハイへ指をさす。









「お前が裏切り者!緑の予言者!

黒幕か、あるいはそれに結託してメルカたちを襲った犯人だ!

こんなところに潜伏していたなんてな!!もう逃げられないぞ!!」

 ()()()の電気が灯る。











「探偵団の所長!!西岩ニシイワ 法矛頭ホウムズ!!

いや……緑の柱国の先王!!

『真天上英主レスト』って言った方がいいかな?」









「……ッ!?」

 なぜ!?ワガハイのアバター名まで……!?

 思わずアフロヘアーがずれる。



「おいおいゲーマー特有の妄想かい?

大丈夫、まだ植物状態から治り切ってないだけだから安心……。」

「お前がいる限り安心なんて僕はできないよ!

リュフォーがお前だって教えてくれた。」

 リュフォー!?あの時から目覚めずにいたはずなのに!?どうやって……!?

「お前なら様々な物事につじつまがいく!

偽の情報を流すこともできるし、情報をコントロールしてホーリーに疑いの目を向けることもできる!

さらに言えば、僕らと直接会わないようにしてボロをあまり出さずにうまいこと情報をリュフォー達に渡すこともできる!」

「あと俺様達さっき確認しに行ったんだけどホーリー曰くお前は、この学校の生徒じゃねぇな?

学生服を手に入れて探偵団アジトにいさえすれば職員の目からも逃げられる。うまいこと考えたもんだぜ。

スパンコールで派手な服とアフロヘアーで目立ちすぎて逆に話しかけづらい姿で変装し、この校舎に潜伏していたわけだ。」

 堀岡社太郎ッ!!

 あの男!!どこまでもワガハイの邪魔を!!





「その先は簡単、無線有線どちらにせよネットワークに接続しようとしてくる。

もし僕達を止めようとするならできるだけ回線の精度がいい有線を使うだろうと踏んだんだ。

視聴覚室とか職員室とか、ありえそうなところかなって最初は思ったけど。

僕ならそこにトラップなり隠しカメラを忍ばせているんじゃないかと思った。

そうすれば逃げやすいし。

そこで校長先生をこの世界から除外させたとしたら、ここに入り込むのは容易だ。

この校長室ならLAN回線があるととっさに閃いたんだ。」

「お前はメルカを襲ったあの日。

探偵団アジトであえて窓を開けることで、不自然にホーリーやほかの容疑者を出そうとして疑いの目を向けさせていたが、よくよく考えれば単純だ。

なにせあそこの鍵はもともとお前が持っていた鍵だ。

最初にメルカが推理した通り、探偵団アジトの中からバリケードを取り払ったのであれば、その鍵を使って入ったっていうことでつじつまがあう。

くり~む君を注目させてもう1匹の猫であるニャンタから目をそらさせることも簡単だろ。

目立たな過ぎて露骨すぎるしな。」



「おいおい、待て待て。

言っていることがわからないんだが……。

鍵なら職員室でリュフォー君やヒバナ君だって借りられるだろ?

リュフォー君の記憶違いや推理の間違いかもしれないじゃないか。

それを盗んだり複製だって作れるかもしれないじゃないか。

推理小説で探偵が犯人役であっちゃあ駄目だろ?

ほら、曲がりなりにもワガハイは『探偵団』なんだし。

そもそもレストって何だい?」

「お前がレストでありすべてが記載された記録。

それなんだな。

お前が犯人だっていう決定的証拠は!」

「??」

 証拠なんてない。

 そんなへまはしない!

 ワタシが緑の国の王なんてプレイヤーはわからないんだ!



「じゃあその証拠を見せてもらおうか!!」









「カルテだよ。」








「……ぁ。」

 …………しまった。

 ワガハイの顔を見てニヤリとナオトという小僧が笑う。

「リュフォーが病院がお前のテリトリーって言っていた。

お前の家、それは病院の近くだ。

偶然か、それとも運命か、このタクローの家も兄が入院している病院の近くにあるんだ。

あと『緑』の予言書を持っているのは誰か?って考えると、一番怪しいのは7号病室に入院していた『緑』の先王なんだ。

謎があまりにも多すぎるのに誰も知らない。彼が誰なのか?

そう考えると主に『難病』の患者が長期で入院するって考えたら、お前の家の位置は必然と病院の近くになる。

色々と状況証拠が揃っていたんで、警察に頼んでしっかりと調べてもらったよ。

探偵が犯人ではないというのは推理小説の読み過ぎからくる言い訳に過ぎないし!

カルテにある本名と病状、緑の王だってこと全て!看護師や医者は覚えていたぞ!!

これが動かぬ証拠だ!!」

 ナオトのスマホに映し出されているのは間違いなく我がカルテだ!!







「所長!!お前はもう詰んでいるんだ!!

観念しろ!!西岩……いや確か本名は!!」

「……………………トレース。

…………森亜亭モリアテイ 取錬須トレスっていうんだよ。この名前は……。

贋作に隠れた王だよ。」





「……ふ…………。

フハハハッ!!ハハハハ!!」

 ワガハイ……いや吾輩様・・・はアフロヘアーとスパンコールの変装を取り、ここまで見破ったクソカス共をにらみつける。

「よくぞ、見破ってくれやがったな。

吾輩様のことをよォ!!ナオトォォォ!!」

 ゲーム化さえ広がっちまえばこっちのもんだ!!



 その前に!!







 ――――ここでこいつらをぶっコロすッ!!



※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます…!!

この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。


■ ■ ■ ■

~FrG豆知識のコーナー~

■ ■ ■ ■

タクロー「メルカが無事だった……。よかった……。」

ナオト(まぁ無事でも、お前はまだ告白できていないんだけどな……。)

ナミカ(まぁメルカが仮にタクロー結婚したら、尻に敷かれるのはタクローだけどね。)

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