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第45ゲーム『7姉妹と過去と今』



「「「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」」」

 食事中に色々と話したかったけど、それどころではなかった。

 あんなにもあったピザはあっという間に消えた。

 正直言うと僕とナミカはほとんど食べていなかった気がする。

 何を隠そうこの姉妹、全員ありえないくらい食べるのだ。

 LLサイズのピザが瞬く間に消えていく。

 一番やばいのはハナビさんだ。

 あの人だけで、何枚食べたんだ……?

 しかも姉妹全員、食い意地が張っているのか?

 カルタとか百人一首でもしているかのように、ピザをぶんどっていくから、とてもじゃないが落ち着いた食事風景とは言えない……。

 こんな戦争みたいな食事は初めてだ。



 食事が終わるとハナビさんがゴミを片付け、ケムリさんが横になろうとする。

「いや~~食った食った。」

「ケムリお姉様、制服を着替えてから横になってください。

はしたないですし、しわになりますわ~。」

「あと食後に横になると牛になるよ。姉ちゃん。

っていうよりお客人がいる前でよくそういう風に大胆としてられるなぁ……。」

「ほ~い。あとメカは牛になりませ~ん。」

 そう言い、ケムリさんは二階に上がっていく。

 テルさんとアカリ先生は同時にため息を吐く。

 どうやら手のかかる姉をお持ちのようで……。

 僕らもあんちゃんがいるからなんとなくわかる。



「…………ウ、ウチもそろそろ……。」

「「ちょい待ち!」」

 テルさんとアカリ先生は立ち上がろうとしたレンガさんのしっぽを引っ掴む。

「うぎゅ……な、なんなのよ…………。」

「お前、どうせ人の話聞かないだろ。この後大事な話があるから聞いていきなさい。」

「…………ひ、ぁ……う、う、うぅぅ、ん…………。はい……。」



「騒がしい姉妹で済まないね。」

 彼女たちを見てスミさんは少し苦笑いで僕らへ謝罪する。

 少し派手な格好だけど、根が真面目そうだ。

「いえ、僕らの家も似たようなのがいますし……。」

「さて……片付け終えたし少し話しましょっか……。

君らがかかわっている事件について。」

 ハナビさんがゴミを片付け終えたのか僕らの目の前に座る。



 ▽ ▽ ▽ 



「この前、私の喫茶店であなた達話していたでしょ?」

「その時偶然ヒバナが作戦会議している内容をピアノを調律してた、あたしが聞いちゃって、全部問いただしたってわけ~。

だからだいたい知ってるわよ~。」

「(ボソッと)テル姉様の地獄耳……。」

「聞こえているわよ~ヒバナ~?」

 どうやら予言のことから全部筒抜けになってそうだ……。

 いや、実際そうなんだろう……。

 この姉妹、仲のよさそうな感じから事情は大体知っていると考えていいだろうな。

 僕はナミカと顔を見合わせたのちに手をあげる。





「率直に聞きます。あなたたちは何を知っているんですか?

それは僕たちの知らないことですか?」

「……質問を質問で返すようで悪いけど、あなたたちの遊んでいる『フロントライゲーム』ってのは何?」

「え……それは……。

陣取り形式のオンラインゲーム……ですけど……。」

 テルさんは少し険しい……というより理解ができないといった顔をしている。





「ふひ…………。

今人気のVRゲーで、三つの柱国に分かれて戦いあうゲームだってのよ……。

テル姉の情弱乙なのよ……。」

 そう発言したレンガさんへテルさんが鋭い視線を向ける。

 そしてすぐにそっぽを向く。

 ただ眼は僕らの方を向いている。

「あ……あと、おまいもプレイヤーか……あ、あとでフレ登録しろし……。」

 レンガさんもプレイヤーかな?

 どんなキャラ使ってるんだろ……。

「はぁ……まぁいいわ。

レンガはそっちの方は知ってたのね~……。

本当だったのね…………。」

「テル姉ちゃん。オレの話は事実だったろ?」

「ええ、疑ってごめん。アカリ。」

 なんだ?なんだか姉妹が困惑してる。



「えっと……どうしたんですか?」

「どうしたもこうしたもないわよ~……。」

「学校で君たちと話しているときに何か妙に話が合わないというか……おかしいなぁ……。

って思ってたんだ。

だから色々とさぐるためにお昼ご飯を一緒に取っていた。

そして家に帰ってからテル姉ちゃんとソレを話して一緒に困惑してたんだ。」

「え?なんですか?」

 2人は顔を見合わせて困惑している。











「あたし達が知っている『フロントライゲーム』ってのは、陣取り形式のオンラインゲームなどではないのよ。」










 テルさんがこちらへと目を向ける。

 真剣なまなざしで、何かの前提を揺らいでいくそんな言葉と共に。



「は……?それってどういうことですか!?」

「じゃあ私達がやっているゲームは何なの!?」

「……テ、テル姉何を言ってるのよ……??」

「なんでそんな面白そうなことに、お姉ちゃんである僕を誘ってないの!?

僕だってあのゲーム大好きなのに~!テルのおばか~!」

「落ち着いて……。

あとケムリお姉様は言ったら状況をややこしくさせるから言わなかったの。」

 僕らが詰め寄る中、少しテルさんは呼吸を整える。





「まず第一にあのゲームは本来、ケムリお姉様、あたし、そしてアカリ。

七姉妹の中で上の三人しか知らないの。

子供の時プレイヤーの関係で四人でやると一人溢れちゃうし、お姉様が『我儘こんなの』だから喧嘩が起こらないようにレンガが生まれた時やらないでおこうって決め合ったの。」

「……あ、う、ぇあそうなんだ……ウチのため……。」

「あ~それは違う……オレ達にとってケムリ姉ちゃん(おこちゃま)から身を守るための自己防衛みたいな感じだったけどな。

あの頃の姉ちゃんは手が付けられなくて(今も大して変わらないけど)テル姉ちゃんと、理由付けて4人でできるパーティゲームや2体2の別のゲームへ変更ゆうどうした。

だからフロントライゲームを知っているのはこの3人だけなの。」

 切実な姉妹事情……。





「じゃああなたたちが知っている『フロントライゲーム』っていうのは何なんですか?」





「そもそもアレは、デジタルなゲームですらないの。

……………………『ボードゲーム』。

三つの柱でできた国を『予言』によって発展させ『ピクシー』を手に入れ、最後に出現する玉座を奪い合う。

それがあたしたちの遊んでいたゲーム。」

 ボードゲームだと……?





「正式名称は

『Future.Roleplay.Omen.Now.Throne.Rule.Yearner _GAME』

頭文字をとって『F.R.O.N.T.R.Y_GAME』

言葉の意味は『未来、役割、予言、今、玉座、ルール、欲望を持つもの_ゲーム』。

表紙の煽り文句には『未来を予言で演じ、現れし玉座を奪い取れ。』だった。

古い名前は確か『三つ柱』

これがあなた達が探していた()()……。

そのゲームの正体はあたしたちが昔遊んでいた盤上で行われていた『ボードゲーム』。

あなた達のやっているゲームの世界観的に恐らく『同じゲーム』あるいは『原版』。」





 ――――――――まさか……これが…………。





 ――――……この時、僕らはようやく真実の一端を手に入れた。





「ウ、ウチが生まれる前にやっていたってことは…………。

リリースされるよりもずっと前じゃないのよ!?

マ、マジ原版とか激レアなんですけど、ありえないくらい価値があるのよ……。」

「あのそのゲームはどこに…………。」

「……あ~~~それは………………。」

 チラッと苦笑いでテルさんはヒバナさんを見て苦笑いをする。







「昔住んでいた研究所に置き忘れてきちゃった…………。」







「「「「「えええぇぇぇエエ~~!?」」」」」



 手がかりがなくなったの!?

「でも置き忘れただけだから探せば見つかると思う。

ここの近所だし。」

「最後にやろうとしたのが、確か………。」

「ヒバナが生まれた日……あの日久々にやろうとしてケムリお姉様とあたしで倉庫まで行ったのを覚えている。

…………()()とあったから、置き忘れちゃったの……。

明日にでも取りに行きたいけど、あたし仕事だし……。

アカリは体調がまだ万全じゃないし……。」

「私も喫茶店のシフトが入ってる……。」

「……………………ウチ……イベントの消化に忙しいのよ……それにお、推しの配信大事なのよ……。」

 テルさん、ヒバナさん、レンガさんが気まずそうにそっぽを向くが……。

「僕!僕行く!!昔の家行ってみたい!」

「「「……。」」」

 ケムリさんの勢いのある言葉に姉妹も僕らも、思わずシラケ顔になる。



「僕が行くの~~!僕が行くの~~!!」

「わかったわ……お姉様、無茶はしないで……。」

「あたいもついていくよ……非番だし……。」

 スミさんが、明らかに『行きたくない、貴重な休日無駄にしたくない』という顔だが動向を志願する。

「僕らも行きます。」

「うん!あなたたちがどんなところで育ったのかちょっと気になるし!」

 僕らも少し気になる……まだあのゲームとこの姉妹とで何か大きなものが隠されている気がする。

「そんなにもアタクシ達のことが気になるなら、お部屋案内するよー。」

「え?いいのー?」

 ナミカとヒバナさんの女子たちがキャッキャと騒ぎ始める。

 二人とも二階に行こうとして立ち上がり僕もついていこうとするが……。

「あ、ナオト君はレディの部屋には駄目だよ~。

それに少しナオト君だけちょっと込み入った話があるから。」

「?」

 ナミカは頭に?マークを浮かべながら、ヒバナさんとともに二階へ上る。





 テルさんはハナビさんへ相槌を打ち、ハナビさんは少し姿勢を正して僕の方へと向き直る。

 扉をしっかりとテルさんが閉める。

「さて……ここからは私が話をするわ。

このことは………………一番詳しいから……。」

「ハナビさん……話って…………。」

「あなたにするのはゲームではない、この世界の一つの秘密。

あなたの能力ちから

私が6年前、彼らと旅をして知った。

創造と終焉と心、いろんな次元によってつくられた()()()()()()()()。」





「――【Idアイディー】について話をします。」




※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます…!!

この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。



■ ■ ■ ■

~FrG豆知識のコーナー~

■ ■ ■ ■

ナミカ「そういえば、ヒバナちゃんって生まれた時からその姿なの?」

ヒバナ「ううん。10歳くらいの子供の姿だったの。今となっては成長もできる便利な体なの!」

ナミカ「へーー……あ、ロボットだから生まれた時とかの記憶って持ってたり?」

ヒバナ「アタクシは思い出したくない……。凄く苦しかった感じだったから、ね。」

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