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第17ゲーム『一人の王』



 ――……翌日



 昨日の予言は大したものがなく、

【国語の抜き打ちテストがある。】

【朝のニュースキャスターの言葉を覚えておくように。】

【洗濯物が乾かない。】

 という内容だった。

 朝のニュースキャスターの言った言葉が国語のテスト内容に直結しており、それが雨期に関する俳句の季語だった。

 おかげで僕はいつもよりテストの結果がよく気分は快調だった。

 予言もたまには役に立つ。やはりそれぞれの予言は1つの物事を差しているようだった。



 そして僕は帰宅し、御前試合前でナミカとともに気合十分といった感じだ。

 僕らが互いの部屋に入り息を整える。



「――行くぞ。」



 ただ一言のみ発し僕らの戦場フロントへと向かう。





 ■ ■ ■ 

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 ■ ■ ■ 



 昨日、ログアウトをした御前試合会場、そこはこの国の中央。

 すでに人だかりができており、何やら騒がしい。

 まるでお祭りで僕はもみくちゃにされる。



 ――青の宮殿、広場。





「来たか、オト!」

 大勢いる人だかりの中クロスを見つけた。

 後ろにはカルビ、さっき別れたミカもいる。

 ただし、どうやらメノはまだ塾で勉強中らしく今日はこれなさそうだった。

「なに……この……すさまじいまでのパッション!?」

「今日の御前試合の観客たちだよ!まったく豪快だぜ!」

 それもそうか……試合、つまりが来る。

 このゲームに三人しかいない偉大なプレイヤー。

 統治者で、人前に出ること自体滅多になく激レアだ。野次馬も出てくるだろう。

 そして野次馬とともに王として皆で見物するというのがこのゲームでの御前試合だ。

 ここで認められたら、強豪として名を連ねることが多いのだ。





「荒波の家が来たぞー!!」

 野次馬の誰かが叫ぶ、確かこの声は製造業で僕らの拠点が贔屓にしている家具屋だ。

 それに気づいた他の野次馬が僕らによってたかってくる。

「頑張れよ!」

「相手は圧倒的強者だ!」

「ゲンジョーは遠距離だけじゃないぞ!俺も相手にしたからわかる!」

「勝て!そして青の国に名誉を!」

 そんな受け答えに愛想笑いをしていると、突然。



 ――パーッパラッパラッパパー!!



 というラッパの音が宮殿の広場に響き渡る。

「皆、静粛に!これより御前試合を開始する!

クラン荒波の家、前へ!」

「はい!」

 僕らは大臣に言われて宮殿の中央へ行き、玉座の前へ膝まづく。

 玉座はきらびやかで金でできており、その左右に大理石の柱が四つ。

 その玉座の裏には青い国旗。

 さすがに緊張し僕らは生唾を飲み込む。



「頭を垂れ!控えおろう!

青の柱国ホリゾン!激流王!バイグス様のおなーりー!」

 僕らはおそらく後ろにいる野次馬を含め、全員が頭を下げる。

 床が擦れる音が聞こえる。

 僕はちらっと眼を動かすと目の前に青いマントが揺れ、玉座へと鎮座する。







「面を上げよ。」

 僕らは無言のまま、王を見る。

 その王は少年のような顔と身長だが、明らかに強者と分かる威圧感とややがっしりした体型。

 頭には子供の頭の大きさには不釣り合いな巨大な王冠。

 水色のマントに白いシャツ、青いジャケット、黒い長ズボン、式部しきぶ色の目。

 頬に傷があり、とてもじゃないけど()ではなさそうな幾千ものの修羅場をくぐってきたようなアバターだ。

 青の王……この人が玉座でこれから僕らの御前試合を見るのか。



 こういうのをなんて例えたらいいんだろうか……。

 そうだ……正直言って『恐れ多い』という表現が今の僕らに当てはまる。



「よく着てくれた、荒波の家のメンバーたちよ。

我は激流王バイグスである。お主らの働きにより国家レベルの上昇が観測された。

ついてはこれより赤の柱国『クリムゾン』のクラン『テスラレッド』との御前試合を行うものとする。

準備ができ次第、運営に信用された王のみが所有する赤VS青の特殊フロントへ転送する。

決して恥をかかぬように覚悟をもって挑め!」

「はい!」

 王の言葉に熱がこもっていく。

 口調からこれは思っていた以上にどうやら大ごとらしく、目に滝のような勢いがある。





「荒波の家、クランマスター、オト!我が前へ!」

「はい!」

 僕は王の目の前に行き、再び頭を垂れる。

 そして王は僕の耳元に口を近づけ優しく耳打ちをする。

「(僕にしか聞こえないほどの小声で。)

よいか、必ず勝て。

そして明日のパーティをこっそり抜け出し宮殿の中庭にお主だけ来い。

現状、お主の仲間にも()()()()()()()()

お主も我も互いに語り合わねばならん。よいな。」

 僕は小さくうなずく。



 王は元の声量で見物客に告げる。

「今回のレギュレーションは互いの力量差を考え!

一人にき個別に扱える消費アイテムは二つ!

スキルは二つのみ!

オペレーターが召喚できる乗り物は一つ!

防壁や大砲は合計四つまでとする!

フロントの環境は、『高層ビルエリア_404(フォーマルフォー)』!」

 今回はアイテムやスキルが極端に制限されている。

 ようは考えて行動しなければいけない。

 環境も実は初めて聞く特殊なエリアで、名前だけでしか見当がつかない。

 少しワクワクする。



 王は僕の目の前にウィンドウを出現させる。

 そのウィンドウには『GO』のボタンがぽつんとある。

「オト、そろそろ向こうの準備が整う頃だ。ここを押せば始まりだ。

覚悟はいいか?」

「…………。」

 僕は少し息を吸い込みチラッと仲間を振り返る。

 緊張しているようだが、準備万端のようだ。

「はい!荒波の家!出動します!」

 僕はボタンを押して、御前試合へと出撃する。





「………………Mを止めろ、その予言書は三つのカギへの――」

 フロントへ転送されていく中、ただ王は何かを小声で言った気がした。

 途切れた言葉なにかは僕らを何かへ導いている気がした。







 ――そして思えば()()から、すでに深紅の鎧との闘いはすでに始まっていた。




※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます…!!

この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。



■ ■ ■ ■

~FrG豆知識のコーナー~

■ ■ ■ ■

勉強中のメルカ『みんなどーしているかなー……。

噂によるとテスラレッドのゲンジョーは、プレイングスキルが高いってことで有名だったはずなの。

人間離れしている神業しか出さない男とか聞いてことがあるの。大丈夫かな……みんな……。』

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