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昼になったので、いったん飯にする。

アイテムボックスから野営セットを出す。


アウトドアみたいだな。

といっても飲み会のバーベキューくらいしか経験ないけど。

あとは中学の林間学校でカレーを作ったくらいか。


マックスに木の枝を持ってきてもらう。

ステータス画面の魔法から、抽出で水分を抜く。

枝はしっかり乾いた薪になった。

ファンタジー小説知識だ。


木だけじゃない、マックスは昼飯用に何やら狩って来てくれた。

俺が死んだ姿がダメなのを知っているから、見えないところで精肉にまでしてくれた。ありがたい。


精肉になっていれば、スーパーのパックで売られているのと同じだから調理は出来る。

うちは普通に共働きだったから家事は分担していた。料理はわりと得意な方だ。いわゆる男の料理だけどな。


ここには便利な調理道具はない。

金串に肉をさして塩コショウ(しっかり買って来た)をして火で炙る。


香ばしく焼けたら、脂したたるジューシーな肉を、切れ目を入れたパンにはさんでマックスに渡す。豪快過ぎる男の料理だ。

コップに魔法で水も()ぐ。


「熱いから気を付けて。水は飲み放題だから」

「ありがとうございます」


俺も食べるか。いただきます。

ガブリとかぶりつくと、おっ…。

野性味あふれる癖のある味に、コショウを追加する。

うん、食べやすくなった。これはハーブなんかもほしいな。

パサパサのパンもジューシーな脂のおかげで少しはマシになっている。


「美味い」


マックスはあっという間に食べ終わっていた。


「お代わりあるよ」

「いただきます」


マックスの身体的に、一つじゃ足りないもんな。俺だって三つはいける。

マックスなら倍は食べるだろうと、最初から肉は全部焼いている。


焼いてある肉をパンに挟んでどんどん渡す。

水も足す。一気飲みだからその都度足す。


「美味かった!こんな美味いものは初めて食べました!水も今まで飲んだ中で一番美味いです!」


そんな大げさな。

でもそんなに喜んでくれるなら作った甲斐があったというもんだ。


まぁ宿屋で食べた飯よりは美味かったな。

ちょい食べ過ぎた。


いや、あきらかに食べ過ぎた。

腹いっぱいになった俺たちは、屈んでいるのが苦しすぎて早々に帰る事になってしまった。

反省。




予定していた時間よりだいぶ短くなってしまったけど、依頼数はヒール草十本からだから問題はない。


ギルドのカウンターで、アイテムボックスに入れておいた薬草類を出す。

預かっていたマックスの分も一緒に出す。

お馴染みの、時間が止まっているアイテムボックスだから薬草は採りたて新鮮だ。


「こんなに状態のいい物は初めて見ました!しかもこんなにたくさん!高額で買い取らせてもらいますね!」


アネモネさんが興奮気味に言う。


「ありがとう。期待してるね」


若い子の明るい声はいいもんだ。

なんておっさんくさい事を思っていると


ヒール草四十本、銀貨四枚プラス銀貨二枚

マナ草三十本、銀貨六枚プラス銀貨三枚

毒消し草十五本、銀貨六枚プラス銀貨三枚

合計、金貨二枚と銀貨四枚になった。


銀貨十枚で金貨一枚は計算しやすい。慣れた十進法は助かる。

それにしても基本報酬の半分のプラスがつくとは!アイテムボックスさすがだな!


「薬草採集の報酬で金貨を見たのは初めてですが、それほどいい状態と量だという事です!助かります!回復薬はいつでもたくさん必要ですからね、またよろしくお願いします!」

「はい」


と返事をしたものの、昨日の報酬と比べると少なすぎる。

そりゃあ薬草採集は人気がないだろうよ。

危険は少ないだろうけどさ。


アイテムボックスの中には、指定された数にならない半端の薬草が残っている。

またそのうち採集するとしよう。

これじゃ金貨千枚貯めるのが遅くなるもんな。




まだ日の高い街中を、マックスに連れられて鍛冶屋に向かう。


新しい土地は場所がわからない。

というか…。

俺はかなり方向音痴だ。地図は読めるんだよ?

だけど方向が思っているのといつも逆な謎…。


まぁ何とかなる!

俺には探索や探知の魔法もあるからな!


鍛冶屋につくと、俺はまた店の外で待つ。

夕方の忙しくなる前の時間からか、街はのんびりとした空気が流れている。


のどかでいいなぁ…。

薬草を採りに行った壁の外ものどかだった。


そういや夕飯はどうしよう。宿屋の飯は美味くないんだよな。

マックスを待つ間、のんびりとそんな事を考える。


レストラン的な?この世界でいうなら食堂っていうのか?で食べるとすると、だいぶ金がかかるのかな?


金貨千枚貯めるのが目標だから無駄遣いは出来ない。

美味い飯を食べたいと考えるなら…、自炊か?




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