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マックスの故郷に行こう!といったものの、上陸した港町で二日ほど休んだ。
陸に上がってからもずっと、身体が揺れているようで体調がすぐれなかったからだ。
マックスの故郷まで馬車で四日かかるらしい。今の体調じゃちとキツイ。
みんなと別れてから、毎度町の外れの邪魔にならないところに家を出す。
隠蔽と結界をかけて、久しぶりにゆっくり飯を食べて、たっぷりのお湯につかり、柔らかいベッドで眠る。
やっぱ我が家はいいなぁ。
翌日、目が覚めた時はすでに昼近かった。
よく寝たおかげで少しマシになった気がする。
マックスはすでに起きて、どこかに行っているようだ。
相変わらずマックスの体力すげーな!
しかも働き者だ。
きっとマックスはすぐにでも故郷に行きたいだろうにすまんね。
俺だってもう一日くらい休めば復活する!
ちょっとだけ待っててくれ。
なんて思っているうちにマックスが帰ってきた。
両手に大量の荷物を持っている。
「ヨシトさん起きましたか。体調はどうですか?」
「おかえりマックス。だいぶいいよ。もう一日だけ待ってもらってもいいかな?」
「一日といわず、しっかり体調が回復してから行きましょう」
「ありがとう、でもあと一日くらいでいけると思う。マックス、買い物に行ってきたのか?」
「はい、食料の買い出しと馬の手配をしてきました」
「俺は寝てたというのに悪いね。お疲れさん」
荷物を受け取りながらマックスを労う。
「調理はまかせてくれ!マックス、飯は食べた?」
「朝は市場で。昼はまだです」
「じゃあ一緒に食べよう。何がいい?」
「今日はトンカツが食べたいです」
「OK」
こんな感じでまったりと過ごし、疲れを癒した。
翌々日、予定通りマックスの故郷に向かう。
馬は冒険者ギルドから借りて、馬車本体はアイテムボックスから出す。
二人で御者台に座って、いざ出発。
道々、南大陸の事を聞く。
南大陸は獣人族の大陸だ。国らしい国はなく、種族ごとに集落を作って暮らしているんだとか。
別の種族とも特に仲が悪いという事はない。
お互いの領分を侵さず、というか、接するほど近くに住んでないらしい。
ほどほどに交流もあるそうだ。
ちなみにクィーンクェ(俺が最初に降り立った国)がある大陸は人族が多く住む大陸で、その他の種族も少数だけど暮らしている。
東に龍族の住む大陸、方角的に西に魔族の住む大陸がある事から、中央大陸と呼ばれているとか。
「そうか〜!全大陸制覇したいな!」
「はい!」
冒険少年の夢は膨らむ。
だけどその前に、マックスの家族と幼馴染の様子を確認しなくちゃな!
ゴトゴトと馬車は進む。
「つきました。ここが私の生まれた村です」
こうきたか。
そこは特に囲いのない、家と畑が点在する、村?だった。村なのか?
「ここからここまでとか、村の範囲みたいなもんはないのね」
「獣人にはそういう考えはありません。よその土地を奪わねばならないような貧しさもありませんし」
「え、だってマックス…」
「あれは自然災害でしたから。そういう時は、どこにいっても同じです。ですので、わざわざ自分の土地を捨ててよそに移る必要はないのです」
「そうなんだ」
飢饉とか教科書でしか知らないからな。マックスがそういうならそうなんだろ。
そんな話をしながらマックスの家に向かっていると、遠くから子どもが二人駆けてきた。
もの凄い速さだ。
「「兄ちゃーん!!」」
子どもたちはそう叫びながらマックスに飛びついた。俺だったら完全に吹っ飛ばされている。
いや、飛びつかれなかったけど、勢いで御者台から落っこちた!
「ヨシトさん!」
「いててて。大丈夫大丈夫。それよりその子たち、マックスの弟妹?」
俺は回復魔法をかけながら尋ねた。
十歳くらいの男の子と女の子だ。
「はい。おまえたちヨシトさんに挨拶しろ。俺の命の恩人だ」
「うん!兄ちゃんを助けてくれてありがとう!」
「こんにちは!助けてくれてありがとう!」
「こんにちは。俺こそいつもお兄ちゃんに助けてもらってるんだよ」
「そうなんだ!」
「兄ちゃんは何でもできたもんね!」
それにしても、この子たちの年齢的に、九年前に別れたマックスを憶えているんだろか?
後で聞いたところ、匂いを憶えているんだとか。それと、うっすらとだけど可愛がってもらった記憶もあったらしい。
ほんとかい!すげーな!獣人!
弟と妹に案内されて向かったマックスの生家には、マックスのお母さんがいた。
マックスが自由になった事を告げると、お母さんは泣きながらマックスを抱きしめた。弟と妹も抱きつく。みんなで大号泣だ。
俺までもらい泣き。
三十を超えたくらいからめっきり涙腺がゆるくなったよ。
あ、今は十五だったか。
作者の涙腺もゆるいです><。




