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昼飯を食べて少し休憩したら、地下四階へ挑戦だ!
地下四階に下りると、 え…?
今までと違って、少し開けただけの空間だった。
むき出しの岩肌がゴツゴツとしていて、洞窟の中のようだ。
ここからトンネル状の道が五本出ている。
ランプや松明など、何も光源になるものは見当たらないのに、この空間も薄っすらと明るい。
まったくどうなってるんだろう。
とりあえず地下四階の出口を探索する。
入る時の受付で、中級ダンジョンは地下四階までと聞いていた。ここは最終フロアだ。
出口の方向が分かったので、左から二番目の道に進む。
やっと鉱物ゴーレムに会える!会えるというのは言い方が間違ってるな。やっと鉄が手に入る!これだな。
さぁ、張り切っていこー!
期待して歩き出せば、やった!鉱物ゴーレムが現れた!
こいつも隠蔽セットをものともせず、最初からマックスに狙いを定めている。俺の事はガン無視だ。
鉱物ゴーレムか…。
うん、たしかに金属っぽい。表面はつるっとして見える。
鉱物ゴーレムも上三体と同様、金属っぽいキューブで組み立てられた人型だった。簡単な姿と顔がない事まで共通している。
倒すのに人型なのは心が痛むけど、表情がないのは救いだな。
おっと!観察している場合じゃなかった!
マックスはすでに攻撃開始している!
キーーーン!!!
金属同士がぶつかる高い音が響く!
ガラスを引っ搔くような、歯医者で削る時のような、鳥肌ものの不快な音だ!
ずいぶん硬い金属なんだろう、マックスの剣技でも傷ひとつつかない。
どうしよう。こいつに合う魔法はなんだ?
ステータス画面から探すけど、決め手になる魔法が見つからない。
魔法がないなら物理ではどうか?
もちろん剣とか力業では俺にできる事はない。
だけど俺には経験とゲーム知識がある。
考えろ!
あいつが金属でできてるなら、サビさせればそこが弱点になるんじゃないか?
どうしたらサビるっけ?
考えて思い出したのは、雨ざらしの自転車だった。水か!
そういや海の近くには塩害という言葉もあった。塩水か!
塩水ならイメージも思い込みもいらない、しょっぱい水だ。
“塩水!”
ザバン!!!
大量の水のかたまりが鉱物ゴーレムに落ちた。
トン単位だろう水圧でゴーレムは倒れた。
辺りは水びたし、戦っていたマックスも水びたし。
あれ、これなんかちょっと懐かしい。
起き上がろうとしているゴーレムの動きが悪い。
おぉ!すでに赤茶けている!もうサビたのか!すげー!さすが神様の加護!!
「マックス!今だ!」
「はい!」
マックスは、もろくなったゴーレムの魔核を的確に突き刺した。
起き上がろうとしていたゴーレムはそのまま倒れて金属のインゴットになった。
やった!ほしかった鉄だ!
いや、鉄か? 鋼か? オリハルコンか?
鑑定をかける。
神様の加護たのむ! 鑑定の結果は…
「オリハルコンきたーーー!!!」
神様の加護すげー!! 引きが強い!!
びしょ濡れのマックスに、大喜びで剣の強化が出来る事を告げると、マックスも喜んだ。
おっと、いけない!
マックスを真水で洗い流して、温風で乾かす。
これまた懐かしい。
「懐かしい気がします」
マックスも同じことを思っていたようだ。
ニヤリとする。
それから剣の強化!と思ったけど、俺が剣を持っている間にゴーレムが襲ってきたら、マックスに戦うすべがない事に気づいた。
どうしようか…。
オリハルコンのインゴットを持つ。
重いな、十キロくらいあるんじゃないか?
でもこれだけの量があれば、剣一本作れるだろう。
俺はもちろん剣なんて作った事はないし、元の世界でも刃物なんて包丁くらいしか握った事がない。
こっちの世界では鍛冶屋に行った事はあるけど、店内には入らなかったから何も見てないし、まったく何にもわからない。
だからオリハルコン頼みだ!
マックスの剣を見てそのまま
“形成!”
見た目だけは立派な剣になった。それを
“固定!”
魔法項目で使えそうなのはこれしかわからなかった。
上手くいったかはわからないけど、とりあえず純度百パーセントのオリハルコンの剣はできた。
「マックス、剣を持ってみて」
「なんて素晴らしい…」
差し出した剣を見ただけで、すでにマックスは感動している。
うん、見た感じすごくマックスに似合っている。妙にしっくりきてるというか。
「振ってみてよ。 ……どう?」
マックスは軽く剣を振った。
そして感嘆のため息をついた。
「とても素晴らしいです……。 これを、私に?」
「そりゃそうだよ。俺は剣を使えないんだから」
「ありがとうございます!生涯の宝にします!」
「や、俺は剣の知識がないんだから、試さないとわからないからね!みてくれだけだったらまたこっちの剣で戦わないとだから!」
では試してみようか。




