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ゴーレムダンジョン二日目。
しっかり休んだから気力体力共にバッチリ回復している。
よし!今日もバリバリ稼ぐぞ!
地下三階に下りると…、暗いな。
夜明け前くらいの、薄っすらとした暗さというか明るさというか。
やっと見えるくらいの視界には、凍てついた大地が広がっていた。
寒っ!!
急いで自分とマックスに結界を張る。
薄く体を覆うように張った結界内を適温にして固定する。
「マックス、この感じで出てくるならアイスゴーレムかな?」
「アイスゴーレムはわかりませんが、この気温とこのフィールドならヨシトさんの言うとおり氷系かと思われます」
「俺も名前しか知らないけど…」
アイスゴーレムとは対戦した事がないんだよね、ゲームの話だけど。
対戦してないから対策も弱点もわからない。
まぁゲームと同じかわからないけどさ。
氷ってどうなんだろう。
地下二階の土のゴーレムは硬かった。それより下にいるんだから土のゴーレムより強いんだろう。厚い氷とか硬そうだし。
硬いのは刃が気になるんだよ。鉄があれば何とかできそうだけど、ないもんはどうしようもできない。早く鉱物ゴーレムの素材が欲しい。
「氷ってどう戦うんだろ。マックス戦った事ある?」
「氷系の魔物とは戦った事はありません。戦いながら倒す方法を見つけるしかないかと」
「そっか…」
戦った事のない俺が考える事なんてしょせん机上論だろうし、単純すぎるかもしれないけど…。
「マックス、トレントの時みたく、剣に火を付与してみたらどうだろう?氷相手なら火の攻撃は有効だと思うんだ」
「火龍は大丈夫でしょうか」
「思い切り振りぬかなかったら大丈夫だろ。戦いながら倒し方を探すっていうなら、試してみてもいいと思うんだ」
マックスは思案顔だ。あの一面の焼け野原は衝撃的だったもんな。
でも今回はあぁはならないと思う。だって一面の氷の世界だし。
「そうですね、やってみましょう」
「マックスがちょうどよく倒せるようになるまでは、俺も援護するよ。試してみないとわからないけど、ちょっといいような魔法があるし」
「よろしくお願いします」
「や、お願いするのはこっちだから」
という事で、剣に火を付与して歩き出す。
もちろんいつもの身体強化とスピードアップとシールド、隠蔽セットの魔法もかけている。
そうして、歩き出してすぐに氷のゴーレムが現れた!
隠蔽をかけているけど、中級ダンジョン(上)も地下三階もの魔物にもなると感知できるのか、マックスに狙いを定めているようだ。
存在感のない俺には目もくれない。目はないけどな!
こいつもやっぱり、つみ木と土ブロックのゴーレム同様、アイスキューブを組み立てたような人型のゴーレムだ。やっぱり簡単な姿をしていて、顔はない。
ゴーレムってこういう感じだっけ?
マックスは火龍を気にしているのだろう、少し力を抜いて剣を使う。
剣は炎をまとってアイスゴーレムを切りつけた。
浅い!
切り付けたまわりを少し溶かしただけだ。
でも傷はついた!
“粉砕!”
バラッ…
バラバラバラバラ……
アイスゴーレムは欠片になって、山になった。
「「…………」」
今度はこうきたか。
マックスと二人、呆然としている間に山はなくなって魔石が残った。
今まで見てきた中で一番きれいな魔石だ。純度の高い水晶みたいだな。なんて宝石はよくわからないけどさ。
アイテムボックスに収納して先に進む。
その後もマックスが調整する間、俺も魔法で援護する。
相変わらず氷の欠片になって、そのままか魔石になるか素材になった。
素材は大小さまざまな氷のブロックだ。
何故かちゃんと氷の欠片と見分けられる謎。
これ、何に使うんだろ?
よくわからないけど、高額買い取りを望みにせっせとアイテムボックスに収納する。
マックスは、十戦する頃にはすっかり火剣を使いこなせるようになった。
火をまとっているからか硬い氷にもなめらかに刃が入っていく。俺はお役御免だ。
さすがAランクというのか、いや、マックスは戦うセンスがあるんだろな。
メラメラとゴーレムを倒して、地下四階に進む入り口にたどり着いた。
着いた安全地帯には誰もいなかった。
地下三階を始める時は何組かパーティーがいたけれど、俺たちが一番に終わったみたいだ。
すでに時間は昼頃と思うけど。
「誰もいないから、マックス、好きなものを食べようぜ。何がいい?」
「少々疲れたので、ガッチリとステーキが食べたいです」
「OK」
火龍で気疲れしたかな?
焼きたて熱々のステーキをテーブルに出す。サラダとパン、コーンスープも出す。
ちょっとステーキハウスのランチみたいだ。水も出す。完璧!
「ヨシトさん楽しそうですね?」
「まぁね!さぁ食べよう!」
「はい」
よっぽど疲れたのか、マックスはステーキ八枚食べてたよ。




