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俺がステータス画面の魔法項目を見ているうちに、マックスは一体目の土のゴーレムを倒していた。
重い音をさせてゴーレムが倒れたので終わった事に気づいた程、ものすっごく集中していたよ!
「お疲れさん」
マックスを労ってから、倒れたゴーレムに近づいて触ってみる。見たまんま硬いな。軽く叩くと、中身の詰まった音がする。
う~ん、見た目以上に硬いかも。
あれだな、干上がった地面みたいだ。これならよく染み込むだろう。
少しでも柔らかくできないかと、使えそうな魔法を探したんだよね。
神様の加護のおかげか、俺の出す水って美味いんだ。
ただの美味い水、思うものに作り変えられないかな?
例えば、あれほど硬いゴーレムの身体を溶かせるようなものとか?
「マックス、次のゴーレムが出たら俺に魔法を試させて。上手くいくかわからないから、ダメだったらマックスが倒してね」
「はい」
辺りを警戒してくれているマックスと話していたら、次のゴーレムが現れた。
俺は溶解液をイメージする。
いや、そんな立派なもんじゃないか。土に水をぶっかけて泥にするようなイメージだ。
俺が使えるのは生活魔法だけど、火龍を出せるくらいの神様の加護がある。と思う。
まぁ火龍を出したのはマックスの力だから、俺がやったんじゃダメかもだけど。
襲ってくるゴーレムに向けて溶解液を
“浸透!”
ドシャッ
ゴーレムは一瞬で崩れ落ちた。
「「ええぇぇぇ!!!」」
えげつなっ!!
なんというか…
どろどろの泥の山ができている。
イメージ通り?
それから素材に変わったのか山はなくなり、ひとかたまりの土が残った。
……何だろ、これ?
「ヨシトさん…」
「うん、俺もびっくりしてる。でもこれで剣の負担は軽くなったかな?」
「……ありがとうございます」
ちなみにあの素材?に鑑定をかけたところ、良質な粘土だった。
粘土?皿とか茶碗とか作るアレ?
俺、陶芸とかやった事ないんだけど?
良質らしいし、高価買取してもらえるかな…。
その後も同じ要領でゴーレムを倒していく。
俺には隠蔽セットをかけ直して、姿を見せているマックスを襲ってくるゴーレムに溶解液を“浸透”。ドロップしたら素材や魔石を拾う。
マックスにはおとりと、二体目が出たら足止めをしてもらっている。
土のゴーレムがドロップする素材は良質な粘土の他、レンガやタイルなど、やっぱり土に関するものが多い。塀なんかに使うような大きいブロックとかね。使い道は分からないけど売ればいい。
魔石もドロップする。どんどん倒してどんどん拾う。
かなり時間をかけて地下三階への入り口にたどりついた。
時計もないし空の色も見えないから分からないけど、たぶん夕方頃だと思う。
今日はこのままダンジョン内で野営だ。
野営をするのは休憩場所と同じく安全地帯だ。
テントを張ったり、簡単に寝袋みたいなもので横になったり。
俺たちは踊り場には入らず、入り口付近の邪魔にならないところに家を出した。
家が踊り場には入りきらないからだ。
それから家全体に隠蔽と結界をかける。
「腹減った!マックス飯にしよう!」
「はい」
「何食べる?」
「カツ丼が食べたいです」
「OK!」
手洗いうがいをしたら、さっそくテーブルに出来立ての料理を出す。
出来たて熱々のカツ丼を一気に五杯!マックス三杯、俺二杯だ。
熱々がいいから、お代わりは食べ終わってからまた出す。
育ち盛りの男子は驚くほど食べるんだぜ。
肉だけじゃダメだ。野菜たっぷりのスープも出す。
育ち盛りの男子は同時にオカンでもあるのだ。
「では「いただきます!」」
先に食べてていいと言ってるのに、マックスは律義に俺を待つ。
そして俺が言う「いただきます」を覚えて、一緒に言うようになった。
俺には違和感はないので、まぁよし。
ちなみに「ごちそうさまでした」も言う。
たらふく食べたら、食後のお茶を出す。俺たちは酒を飲まないからな。
飯中の温かい汁物もホッとするけど、食後のお茶もホッとするなぁ。
飯の後はゆっくり風呂に入って、ゆっくり休む。
若い身体は一晩眠れば復活する。
明日もまたゴーレムダンジョン頑張ろう。
◇◆◇◆◇◆
お久しぶりです。暁の星です。
忘れ去られる前に再度の登場です。
「リズ、何ぶつぶつ言ってるの?」
ジュディに声をかけられてハッとする。
いけない、いけない。危ない人になっていたわ。
「(えっと、何か話題…)ダンジョンの町に行ったヨシトたち、どうしてるかな…」
「ヨシトの魔法とマックスの腕があれば心配ないわよ!」
「そうね。私たちも頑張らなきゃ、あっという間に追いつかれちゃうわね」
数年後、この頃すでに追いつかれていたと知る。
「ヨシトといえば、ヨシトのご飯食べたいな」
「言わないで!食べたくなるから!」
「美味しかったわね…」
「だから言うなって!」
数日後、青い雷光の面々に自慢されて、三人ともラビュリントゥスに行く!となったのはしょうがないと思う。行かなかったけどね。
まだ少年の可愛らしさを残す顔を思いおこす。
三つも年下なのに、妙に頼れるというか、落ち着いた雰囲気を持っている子だった。
お姉さんとしては、次に会った時に恥じないように成長しておかなくては。
タイトル詐欺^^;




