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すっかり気を抜いて休んでいたところに急に話しかけられたから驚いたよ!

でもまぁ一応言葉遣いは丁寧なので大丈夫だろう。


「水魔法という程のもんじゃないですよ。生活魔法ていどです」

「俺、魔法はよくわからないんで聞きますが、水を出すと魔力みたいなもんが減るんすか?」

「いや、このくらいじゃ減らないですね(俺はだけど)」


男は、ぱぁっと顔を輝かせた。


「それじゃあ、水代を払うんで一杯飲ませてくれねっすか?さっきから二人が飲んでるのが美味そうで美味そうで!水代がいくらかよくわからねっすけど」


男の、心から飲みたそうな顔に笑ってしまった。


「水一杯くらいで代金なんていいですよ。コップあります?」

「ありがとっす!じゃあこれで!」


水を注いでやると、男は一気に飲み干した。


美味うめ―! ヤッバ! 見た通り美味かった!

や、ごちそうさん。美味い水で元気が出たっす。俺、グレンていいます」

「おい、何ずうずうしい事言ってるかと思ったら。

すんません、こいつと一緒のパーティーで、山谷さんやの緑風のライアンていいます。ついでにあっちはケリーです」


ライアンが残るもう一人の紹介までしてくれた。

山谷の緑風。なんか爽やかなパーティー名だな。


「俺は良人よしと、こっちはマックス。水一杯くらい別にいいですよ。よかったら飲みます?」

「そんなずうずうしい事…」

「飲ませてもらえよ!山の水くらい美味かったぜ!」

「山の?そんなに?」


という流れで、ライアンと、話しているうちに寄って来たケリーにも水を注いでやる。


「美味っ!」

「美味い!」

「な?」


聞いた話によると三人は幼馴染で、故郷の山を出てきて冒険者になったのだそうだ。


最初に話しかけてきたグレンは茶色い髪に茶色い瞳、体系も俺と似ていて中肉中背。だけど筋肉量が全然違う。剣使い。


リーダーのライアンは俺よりちょっと背が高い。百七十半ばってとこかな。ガッチリしていて、同じように茶色の髪に茶色の瞳と地味系なのにちょっとイケメンだ。ライアンも剣使い。


ケリーは濃いグレーの髪に濃いグレーの瞳、スラッとしていて見た目クール系。だけどそうでもないらしい。弓使い。


三人とも十五歳。一応タメになるのか?

同じ歳だと言うと


「何だよ、早く言えよ!マックスより年下には見えたけど、俺らよりは上かと思ったじゃねーか!」


と、あっさり口調が崩れた。

マックスに見習ってほしい。


グレンたちはダンジョンの町(ラビュリントゥス)にやって来て約八ヶ月。やっとこの下級ダンジョン(上)まで来られたんだそうだ。ランクは新人のE。


EランクからDランクに上がるには、通常一年前後かかるらしい。

下級ダンジョン(上)を全部踏破すれば晴れてDランクに仲間入りできる。ちなみに(上)は後四つある。


ついでに、DランクからCランクまでは平均二~三年、それからBランクへは更に十年程。

ほとんどの冒険者はCランクか、いってもBランク止まりらしい。

Aランクは数が少ない、狭き門だ。


「強いとは思ってたけど、マックスほんとすごいんだな!」

「え!マックス、さん、Aランクっすか!」

「Aランク! すげー!」


俺たちの賞賛の声と眼差しに、マックスは照れてしまった。


Aランクの剣技見てみてー!とか、やっぱすんごい業物わざものを持ってんのかな?!とか、冒険少年たちの夢と妄想は広がっていく。


というか、すんごい業物? 心躍るワードだ!

勇者の剣とか?聖剣とか?妖刀とか?妖刀は剣じゃないか。あ、魔剣とか?

……俺もまあまあ冒険少年だった。




なんだかんだとけっこう休んでしまった。

そろそろ再スタートしなければ。今日中に終わらない。


山谷の三人とは別れて、地下二階に進む。

山谷も同じ地下二階を進むけど、一緒にはいかない。進み方が違いすぎる。俺は戦わないしな。


助けがいる時以外、戦って自分たちに力をつけたり、仲間との連携を作っていかなくてはならないだろう。

彼らはまだ新人()ランクなのだ。


地下二階も一階と同じく、マックスがトレントを倒す、俺が木材を拾うを繰り返す。

結構な数になってるけど、アイテムボックスは無限に収納できるから全然OKだ。


それより、一階よりトレントが太く大きくなってるのに、ドロップする木材は変わらない謎。

あと、トレントって見た目木なんだけど、やっぱり手応えも木なんだろか?

マックスの後を歩きながら素朴な疑問が浮かんだ。

それなら剣より斧の方がいいんじゃないか?


地下二階も終わり、地下三階への中間地点、安全地帯にて質問してみる。

隠蔽いんぺいが解けて俺が標的になると、マックスにいらない手間をかけさせるから、魔物がいる場所では声は出さないのだ。


「マックス、トレントってやっぱり木の感触なの?それなら硬くない?剣の刃大丈夫?」

「そうですね、木のように思います。ですが他の魔物でも、厚い皮や骨も硬いので気にはなりません。剣はまた直しに出せばいいのです」

「すまないね、剣一本に負担をかけて」

「気になさらず。大丈夫ですから」


と言われても…。

木が相手なら俺だって対戦できる。気持ちは。攻撃力的に倒せないんだよね。

何かいい方法はないかなぁ…。




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