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何組かいた新人パーティーが、少しずつ時間をあけて初心者用のダンジョンに入っていく。

俺たちは一番最後に入った。

おじさんは血気盛ん、やる気満々の若人に先を譲るよ。


待っている間に身体強化とスピードアップの魔法をかけておく。念のためにマジックシールドも。

俺はやわだからな、未知の(スライム)相手にも万全を期すのよ。


最後の子たちが行ってからしばし、やっとスタートする。

ゴツゴツした洞窟の入り口から階段で地下一階に下りると、見渡す限りの荒野が広がっている。地下だから空はないのに、薄曇りのような明るさは謎だ。


あちこちに、先に入った新人君たちが見える。これ、どのくらい広いんだろう?

地下二階の入り口がどこにあるかわからないな。ちょっとずるいけど


“探索!”


あったあった。

入ったところから真っ直ぐに行った一番奥だ。

ずいぶんストレートだな。さすが初心者用。

一番奥までは十キロくらいありそうだ。さっそく歩き出す。


「おぉ!!スライム!!」


歩き出してすぐにスライムが現れた!頭の中に有名なゲーム音楽が流れる。

よく知るあの水色、あのフォルムだ!感動する!


「ヨシトさんどうしますか?」

「うん、これならできそうだ。やってみるよ」


ゲームでは、レベ上げのためイヤになる程倒した。動物って気もしないし、やれると思う。


ダンジョン用に買っておいた初心者用の剣でスライムの中心を刺す。

う~ん。団子に楊枝を刺すような感触。


スライムはフルフルと揺れて、動きを止めた。

中心にあった、本体より少し濃く見えていた魔核がなくなっているから死んだのだろう。


あ~…。

死んだと思ってしまった。ゲームなら倒したと思うだけだった。死んだ、殺した、という意識を持ってしまったから、もう二度と剣を向けられない。

フルフル動いていたのが生きているっぽかったからだろうか。いや、生き物だけど。


「マックスごめん、スライムもダメだわ」

「そうですね、そういう顔をしています。ではここは素通りして下に向かいましょう」


マックスは呆れもせずそう言ってくれた。

たぶんこの世界では、俺のような意識は異質だろうに。


「ありがとう、そう言ってもらえると助かるよ。でもちょっとまって」


俺はスライムを触ってみた。

誰でも思った事があるだろう、スライムってどんな感触なんだと!


ほおぉ…。


もっと柔らかい、ゼリーみたいなものかと思っていたけど、もうちょっと硬い、グミというか、ゴムみたいな感触だった。

そういやさっき、団子のような弾力だと思ったな。


ふ~ん…。


なんかちょっと閃いたぞ。これ上手く加工できないかな?

ステータス画面の魔法項目には錬金魔法系もあった。

このスライム、使えるかもしれない。持って行こう。


ダンジョンには魔物がいて、倒すとレア素材に変わったり、魔石と呼ばれる高価買取素材にもなる。いわゆるドロップといわれる物だ。

そうならない、魔物自体が買取素材になる物もある。ダンジョンはお宝天国だ。


捨て置かれた魔物は、時間がたつとダンジョンに吸収される。

ここまではゲームや小説なんかとほぼ同じだろう。


ちょっと違うのは、この初心者用ダンジョンがドロップしないという事だ。入場受付でそう説明された。

魔物もザコいのしかいないから、本当にチュートリアル的なダンジョンなのだろう。


という訳で、いたるところにスライムが落ちている。すべてアイテムボックスに収納する。

俺は倒さない事になったので、走りながらマックスにスライムを狩ってもらう。それも拾って収納する。

そうしながら地下二階へ進んだ。




地下二階も見渡す限りの荒野だった。

目に見える風景は一階と同じ。違うのは、スライムの他にコボルトが追加された事だ。


コボルト!

これがまた色んな物語で描写されている通り、犬の頭をしている人型の魔物だった。

人の顔に獣耳とかじゃなくて、二足歩行なのに犬の顔なのは不思議だ。

いや、人の顔に獣耳も不思議か。


このコボルト、見ようによってはゆるキャラに見えなくもない。

特別可愛らしい顔をしているという訳ではないけど、犬は切れない。そもそも人型だし。俺は人型は切れない。


先に下りてきていた新人君たち何組かが戦っているのが見える。

申し訳ないけど先に行かせてもらおう!


行く前にしっかり探索をする。

地下一階と同じ、下りたところからまっすぐ進んだ一番奥に地下三階への入り口があった。

これ、この初心者用のダンジョン、全部同じ仕様なのかな。


地下二階も、走りながらマックスにスライムを狩ってもらう。俺は収納する。それを繰り返す事十キロほど。

地下三階に下りる入り口に着いた。







最初はやっぱりスライムですよね^^




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