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翌日、ギルド内の食堂兼酒場に支払いに行く。

いくらになってるだろ。


いつものように混雑を避けて少し遅くギルドに行くと、いつもより人が多いような…?

その場の皆さんから挨拶代わりに礼を言われる。

そんな中


「昨夜はご馳走様♪新人君はいなかったのね~」


メリハリボディのお姉様にも礼を言われる。

しなやかな指が、俺の顔の輪郭をなぞったりして…。


朝からお色気イベントか!


「喜んでもらえたならよかったです!」


こういうのは予想してなかった!

早々に移動する。


その後もひっきりなしに礼を言われた。

いや、お詫びだからね!礼はいいからね!


「鼻の下伸ばしちゃって、いやらしい~」

「ヨシトも男よね。あー、やだやだ!」

「不潔」


何!何なの?!

暁の三人が蔑むように見てくるんだけど!!


鼻の下伸ばしてないし! ……ちょっとしか。

男だもん、色っぽいおねーちゃんにあんな事されたら、そりゃあソワソワするわ!

三十過ぎても!いや、今は十五だけど!


とりあえず支払いをすまそう!


酒代は金貨百枚とちょっとだった。

みんな飲んだなぁ!




支払いをすますと、暁の三人に一緒に東の森にいかないかと誘われた。


この町の冒険者は、だいたい一つの森を専門にしている。

森は広くて魔獣は多い。たくさん通ってよく知った方が危険は少なくなる。


暁の星のホームは東の森だ。

俺たちは北の森。マックスが北にしているようだったから。

北の森は一番広くて、危険な魔獣も一番多い。


「ヨシトは北の森ばかりじゃない?違う森の狩りもいいと思うわ」

「魔獣も住み分けがあるのか、森によって他の森にはいない種類がいたりするのよ」

「ヨシトは新人だから色んな経験をした方がいいと思う」


なるほど、三人が言う事はもっともだ。


だけどうちの戦力はマックスだからな、マックスの意見を聞く。


「マックスどうする?」

「私はどこでもかまいません」

「じゃあ行ってみようか」

「はい」


という訳で、今日は東の森に行く事になった。


町の大門を出ると、いつも通り身体強化とスピードアップの魔法をかける。

今日は暁の三人にもかける。三人には、いつもの半分の時間で移動出来たと喜ばれた。


東の森に着くと、昼に待ち合わせていったん別行動にする。

ランクが違うから狩る獲物も違うのだ。


俺とマックスに、いつもの隠蔽いんぺいと消音と消臭の魔法をかける。

これは三人にはかけない。暁の三人とはいつも一緒に狩りに来る訳ではない。彼女たちの通常を変えてはいけないからな。


さて、準備が出来たから始めるか。


俺たちは二人パーティーだけど、実質戦うのはマックス一人だ。

多数を相手にする時、隠蔽セット(隠蔽、消音、消臭)の魔法をかければ、不意打ちで最初の一頭は狩れる。

だけどAランクの魔獣にもなると、その殺気でマックスに気づいてしまう。仲間が倒されたのも見えてるしね。


マックスが一対一で戦えるよう、俺は他をしっかり足止めしなくてはならない。

スロウや重力魔法や弱体化魔法など、魔力を強くしなくてはならない。

親ジャイアントボアとか、そこそこ動けちゃってたからね。


それではどうしたらいいか?魔法なんてわからないし。

やっぱ単純に練習というか、数をこなす事だろうか?


魔法はイメージだと読んだ事がある。

実際それで完全回復ヒールも上手くいったし。

そういえば俺は無詠唱だったな。やっぱイメージか?


という訳で、今日も魔法をガンガン使う。

色んな場所での戦闘も慣れないと。


俺だけじゃない、マックスもどんどん技を磨いていると思う。素早く無駄なく。

マックスはマックスで俺に負担をかけないようにと考えているようだ。




昼には待ち合わせ場所でいったん休憩する。

腹減ったー!


今日は簡単にカツサンドだ。

柔らかくしたパンに、たっぷりのキャベツの千切り、とはいえない百切りくらいの太さになったキャベツと、はみ出る程のジャイアントボアのトン?カツ。ソースもこぼれる程かかっている。ザ・男の料理だ。


「美味い」


いつものようにマックスはそう言うと、これもいつも通り無言で食べている。

無言だけど食べる勢いで喜んでいるのはよくわかる。


「食欲をそそるいい匂い!!見た目もインパクト大だし、何より美味しい!!」

「この前ご馳走になったのも美味しかったけど、これも物凄く美味しいわ!」

「やっぱり熱いまま保存できるのは羨ましい…。美味し」


暁の三人にも大絶賛された。

今回は最初からカツサンドを渡してある。

カツは大量に揚げてあるし問題ない。

何よりあの視線をまた浴びるのはイヤだ。


うん、美味い。

イノシシの肉なんて日本では食べた事なかったけど意外といける。

あふれる肉汁を熱々スープで流し込む。


この国はもうすぐ冬になるらしい。

そういえば晴れた日中だというのに少し肌寒いような気もする。

熱々スープがよけい美味く感じるなぁ。




そうして一日で狩った獲物は、フォレストウルフが二頭、北の森では見ない、Bランクの大きい角のある山羊の魔獣が三頭になった。


フォレストウルフはつがいだったので足止めの練習ができた。

一度に多数を止められるようどんどん練習したい。


まずまずの成果で、日が落ちる前に町に戻った。




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