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ギルドに着いて、依頼達成報告とフォレストウルフの買い取りを頼む。
今回は四頭いるのでけっこういい値段になると期待する。
報酬が、四頭で金貨八十枚
買取は、皮が金貨六十枚(今回は皮の破損が少なかった)
角や牙なんかが金貨二十枚
それと、魔石が一つあったのでそれが金貨十枚
合計金貨百七十枚、一人金貨八十五枚になった。
受付で金を受け取って、帰ろうと出口に向かうと暁の三人が見えた。
「お疲れ!」
「ヨシト!この後予定ある?」
通り過ぎざま声をかけると、マギーにそう聞かれた。
「鍛冶屋と市場に行こうと思ってるよ」
「助けてもらったお礼に、一緒にご飯でもどうかってみんなと言ってたのよ」
「今日は私たちもけっこう収入あったし、ご馳走するわ」
え、年下の女の子に奢ってもらうの?
こっちの世界じゃ年下だけど、中身はおじさんだからなぁ、躊躇するよ。
マックスを見る。
「マックスどう?」
「ヨシトさんに任せます」
「そう。 ……じゃあたまには外で飯を食べようか」
助けられた礼をしたいと言ってくれてるんだもんな。かなり気は引けるけど、彼女たちの気持ちを受け取ろう。
こうして夕飯を一緒にする事になった。
まだ時間が早かったので、いったん鍛冶屋に寄ってもらう。
マックスの剣がまた刃こぼれしたからだ。フォレストウルフ四頭相手にしたからね。
それにしてももろすぎないか?
剣とか知らないし、こんなもんなのか?
これじゃあマックスが言ってた通り、金はなかなか貯まらないだろう。
「マックス、こんなに頻繁に剣を直しに出してたんじゃ商売あがったりだな」
「いえ、今まではこれ程ではありませんでした。ヨシトさんと一緒に狩るようになってから数が増えたもので」
え、そうだったの?
なんて話していると鍛冶屋に着いた。
ついでにマギーとジュディも剣を直しに出してたよ。
その後「Cランクの収入でもお財布を気にせず飲み食いできるのよ♪」という店に連れて行かれ
「遠慮しないで食べて!」とたくさんご馳走になった。
三人は酒も飲んでいた。十八歳と聞いていたけど十代ですでに酒豪だ。
俺は飲まなかった。この国では成人だろうけど、俺の中では十五歳は未成年だし成長期だ。
俺は健やかに成長したい。
それにどうしても飲みたいわけじゃないし、今はまだいいや。そのうち飲みたくなったら飲もうと思う。
マックスも飲まなかった。個人に所有されていた頃はもちろん、国所有になってからも飲んだ事がないそうだ。
マックスには金を貯める目的があるからな。
酒の入った席は賑やかになる。
その夜はこの世界に来て、初めて楽しい時間を過ごした。
たくさんご馳走になった次の日、今日は薬草の採集をしようと思う。
マックスの剣がないし、アイテムボックスの中に買い取ってもらえないバラの薬草があるので。
混雑を避けるために、少し遅めにギルドに出勤する。
中に入ると、みんなの視線が集まった…、ような?
あれ?これ最近体験したぞ?
まぁいいかと歩き出したら、いきなり声をかけられた。
「よぉ、ジャイアントボア五頭に続いてフォレストウルフも四頭やったなんてすげーじゃねぇか」
声の主を見ると
……やっぱりゴロツキじゃねーか!
いや、ブライアンの事もある。こいつも悪いヤツじゃないかもしれない。ちょっと小綺麗だし。
だけどなんかイヤーな感じがするんだよな。
「おはようございます。ジャイアントボアもフォレストウルフも、やったのはマックスですよ」
社会人の常識、きちんと挨拶をしてから答える。
「いや~、そいつは今までちまちまと一頭ずつしか狩ってなかった。おまえが何かしたんだろ?」
イラっとする。
見ず知らずのおまえにおまえ呼ばわれされるいわれはねーよ。
イヤーな感じの男の後ろには、やっぱりイヤーな感じの仲間らしき男達がいる。
うぜぇな。
鑑定で見たこいつらは、一応Aランクの冒険者らしい。
Aランクって高位だろうに。人格とか品位はなくてもいいんだな。
視界の端にブライアンの心配そうな顔が見えた。
暁の三人は今にも飛びかかってきそうな雰囲気だ。Aランク相手にやめときなさい。
というか、こいつらそういう感じなの?
俺を庇うようにマックスが前に出ると
「奴隷に用はねぇ、引っ込んでろ」
マックスが一般人に手が出せないと知っているんだろう、強く肩を押した。
マックスはまったく微動だにしなかったけどな! ぷっ
それにしても、こいつらそういう感じな奴らなのね。
Aランクのくせに小物臭漂う、やられキャラに決定!




