17
暁の星はCランクだから、森の深層部までは行かなくていいらしい。行けるなら中ほどまで。
朝行って、夕方ギルドに戻るまで歩き回ってわかる範囲でいいとの事。
ザックリだな!
元々森は広いから、一組ですべてを調査する事はムリだ。他に何組も調査依頼がされているそうだ。
この国は魔獣の出る森や荒野が多いと三度目の紹介だけど、なかでもこの町は東西と北に大きな森があって、森に関していうなら国一番の要所になる。
こことは別に、特にダンジョンが多いダンジョンの要所の町もある。
冒険者が集まれば、それを相手に商売する人も集まる。結果、人口が増えるという訳だ。
王都と、この町と、そのダンジョンの町が、この国の三大都市との事。
適当に送られたと思ったけど、大きな町に送ってくれたんだな。神様ありがとう。
マックスとも出会えたし、そういえば近世っぽい世界なのに、そこそこ生活しやすいかも。
三人には隠蔽と消音と消臭の魔法を伝えて、五人ともにかける。
更に身体強化とスピードアップとマジックシールドの魔法もかける。
三人には驚かれたけど、これで二倍の行動力になるだろう。
そうしてから午前中いっぱい歩き回った。
昼をすぎて森から出た。
「一日分の調査にはなった?」
「十分よ!私たちだけではあんなに歩き回れなかったわ」
「収穫もあったしね!」
途中途中で手ごろな獲物を狩っていた三人はホクホクだ。
俺たちも、あの後二頭のフォレストウルフを狩った。
「腹減った、マックス飯にしよう。
マギーたちはどうする?昼も過ぎたし、昼飯食べてから帰る?」
「そうね、調査量的には依頼達成になると思うけど、今帰ったら早すぎてどうしたってなるわね」
俺は魔法を口止めしてないけど、三人は言いふらす気はないようだ。
色々聞かれるのも面倒くさいしな、ありがたい。
「今更私たちが話さなくても、ジャイアントボア五頭で有名人になっちゃってるけどね!」
おぅ…。
気を取り直して。飯だ飯!
「マックス、何にする?」
「朝がパンだったので、オニギリがいいです」
「じゃあ、スープは合わせてあっさりにしとく?」
「はい。あと…」
「わかってるって!肉は何にする?」
「ステーキが…」
「なに遠慮してんの!マックスが倒したヤツじゃん」
でかい男が遠慮しながらオーダーするのは悲哀を感じる。悪いけど笑ってしまった。
アイテムボックスから出来立て熱々のスープとステーキを出す。
とたんにめちゃくちゃ美味そうな匂いが辺り一面広がった。
収納してある皿によそって渡すと、マックスは嬉しそうに薄く笑った。
自分の分もよそって、さて食べようかと…
視線が…。
「……なに?」
「何それ!めちゃくちゃ美味しそうなんだけど!」
「すっごくいい匂い!アイテムボックスって熱々のまま入れられるの?」
「美味しそう…」
見ると三人は携帯食を持ったまま、こっちの飯を凝視していた。
女の子らしい可愛い弁当、なんてもんはなかったんだな。
食べづらい…。
「……食べる?」
「いいの?!ありがと~!」
「食べる!ありがとー!」
「ありがとう」
スープとステーキは個別に皿によそって渡す。
おにぎりは大皿に山盛りでドン!と出す。
「どうぞ」
「「ありがとー!!」」
「熱っ! すごい熱いままじゃない!美味しい!!」
「美味しい!!お米をこんな風に食べるなんて初めて!」
「外でこれほどのご飯が食べられるなんて…。羨ましい」
賑やかだなぁ。女の子がいる飯は明るくなっていいなぁ。
なんておじさんくさい事を思いながら見ていたら、最初の一杯はあっという間に食べ終わってるし!
それ、だいぶ熱かったと思うんだけど…。
「お代わりあるよ」
「お代わり!」「お代わり!」「お代わり」
三人から空の皿が出されて、お代わりを渡す。
マックスにも渡す。コップに水を注いでそれも渡す。おじさんじゃなくてオカンだった。
マックスと同じ勢いで食べてるんだけど!
すげーな!
貪るように食べていた三人は、満腹になったのかようやく手が止まった。
「あぁ美味しかった!ありがとう!」
「ほんと!こんなに美味しいものが食べられて、今日はいい日になったわ!」
「死にそうになったけどね…」
リズのツッコミに、二人が苦いものを食べたような顔をする。
「それでもこんなご飯が食べられたから、まぁよかったかしら」
ニッコリ。
ツンデレという程でもないけど、クール系のリズがデレた!可愛いな!おぃ!
ギャップ萌えとかいうのを体験したよ!
「満足したならよかった」
おじさんもデレる。
ただしこっちは気持ち悪い。
それから、少し早いけど帰ろうかという事になった。
食べ過ぎたから身体強化の魔法はかけずに自力で歩いていく。
それにしても…。
女子でもアスリート。(違)
昨日作った大量のおにぎりとステーキがなくなったよ。




