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「改めまして、暁の星のリーダーをしてます、マギーです。助けてくれて本当にありがとう」
暁の星…。
やっぱり中二なパーティー名になるんだな…。
マギーと名のった女の子は、茶色い髪に青い瞳の綺麗なお姉さんって感じの子だった。
身長は俺と同じ位かな?(百七十ないくらい)スラっとしてるけど、しっかりメリハリボディの、ってこれセクハラになっちゃう?
「助けてくれてありがとう!私はジュディね!剣と、弓も使えるわ!」
助けを求めて走ってきた子だ。
サンドベージュの髪色に薄い青色の瞳をしている。元気いっぱい生命力にあふれてるって感じの子だな。
身長は俺より少し高いかも。やっぱりスラッとしたアスリート体系だ。
「リズよ。助けてくれてありがとう」
魔女っ子は、茶色というには金色っぽい、くすんだ金髪とでもいうか、そういう髪色と、灰色がかった青い瞳の利発そうな子だった。
この子は俺より背が小さい。ほっそり体系とわかるのは、ファンタジー仕様で?ローブがミニだからだ。
「俺は良人。あっちはマックス」
簡単に名前だけ告げる。
「もしかして…。ジャイアントボア五頭の?」
「ん? あぁ、たぶん」
「え!すごーい!」
「倒したのはマックスだからね。俺はすごくない」
マックス無言。無口か!
「とりあえず、おねーさんたち水飲む?」
あんな後だ。アイテムボックスからコップを出して生活魔法で水を注いで渡す。
もちろん一番の功労者、マックスにも渡す。
「マックスお疲れ!」
「ありがとうございます」
「何この水!美味しい~!」
「ほんと!この水美味しい!!」
「アイテムボックス持ち…」
喉が渇いていればそりゃあ美味いだろうけど、俺も飲み比べてわかった。俺の出す水美味いんだ。
神様の加護のおかげ?
水を飲んで落ち着いたところで聞いてみる。
「それでおねーさんたち、これからどうする?装備もそんなになっちゃったし、いったん戻る?」
女の子たちは回復はしたけど、また魔獣に襲われたら困るだろう。
戻るなら森の外まで送ってやろう。
「装備ね…。困ったなぁ」
そもそもこの子たちは、って子供扱いは失礼か。
暁の星の三人はギルドの依頼で北の森に調査に来ていたそうだ。
「寒くなってきて魔獣が山から下りてくる時期だから、調査にきてたのよ。危ないのが増えたらギルドから討伐依頼を出すためにね」
「私たちはCランクだけど、調査だけならできるのよ。Cランク以上の魔獣探知をしながら慎重にやってたんだけど、ホーンラビットがいたもんでついね」
ホーンラビットはCランクの魔獣だとか。
調査の依頼報酬は、一人一日金貨一枚。
……金貨一枚(一万円)で命がけって。
金貨一枚はいいけれど、狩れる魔獣がいるのなら狩りたい。
討伐対象の魔獣なら、後から依頼受付で報酬がプラスになるし、買い取りをしてもらえるならばその分も収入になる。
こんなに若い子が、元の世界なら高校生くらいの女の子が、命がけで必死に働いている…。
おじさんほろりときちゃったよ。
暁の星の三人は自分達でも狩れるホーンラビットに夢中になった。
森の浅いところだから強い魔獣がいないだろうという油断もあった。
気づいた時には、フォレストウルフに狙われていたと…。
「攻撃をかわしながら何とか逃げてたけど、Aランクの魔獣からは逃げ切れなかったわ。私は足をやられて走れなくなっちゃったし」
「それでこの中で一番足の速い私が助けを求めに行く事になったの。分の悪い賭けだってわかってたけど、このままじゃやられるだけだったから一か八かね」
「私が火の魔法で時間稼ぎをしてたけど…、正直助けが来るとは思ってなかったわ」
三人は心底ホッとしている。
「戻るしかないわね…。あ~ぁ、違約金!」
「しょうがないって、命が助かっただけでもよかったわよ!」
「うん。またがんばろう」
え、ちょっと待って。また違約金!
たった金貨一枚(一万円)で命がけの仕事に来たのに、それがもらえないどころか違約金を払わなきゃならないなんて!
命が軽すぎるだろ!可哀想すぎて涙が出てくるよ!
俺はチラリとマックスを見た。
マックスも思い出したように苦笑いをする。
「マギー、このフォレストウルフくれる?俺たちフォレストウルフ二頭の依頼を受けてきてるんだ。さっき一頭倒してるから、これをもらえたら調査につき合えるよ」
「え!くれるも何も、倒したのはマックスじゃない。私たちは助けてもらった方なのに、それをよこせとは言わないわよ」
うんうん。二人も首を縦に振る。
「じゃあそういう事で」
なるべく見ないように、フォレストウルフをアイテムボックスに入れる。
「で?調査ってどうするの?」




