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目覚めると、空色の空間にいた。

白い、雲のようなもの… 雲だな。


じゃあここは空か?空色じゃなくて空か?

目が覚めたと思ったけど、夢を見ているのか。


「夢ではないぞ」

「え!」


いつの間に!


目の前には仙人のような(イメージ)おじいさんがいた。

急に声をかけられてビビった!しかも


「すまんの。驚かすつもりはなかったんじゃが」


心の声を聞かれてる?


「神だからの。おぬしのイメージでは仙人のようじゃけど」


聞かれてるし!


「……あの、夢ではないと言いましたか?」

「まぁお座り」


と言われて見れば、雲で出来たようなテーブルと椅子がある。

いつに間に!


これ、大丈夫なんだろな?雲っぽいけど…。

恐る恐る座る。

おぉ! 大丈夫だった! 雲(かて)ぇ!


「おあがり」

「ありがとうございます」


雲の?湯のみでお茶が出される。緑茶っぽい。テーブルには煎餅まで出されていた。

和風だな!神様は仙人風だし!


「さて本題じゃが、おぬしは死んだ。ここは世界の狭間はざまじゃ。ここからおぬしは異世界に転生するか、元の世界で輪廻に入る。どちらにするかお選び」


本題がいきなりすぎる!衝撃的な事がぶっ込まれてるし!なんか大事な事を選べとか言われてるし!



……というか

俺、死んだのか。 そっか…。 まぁそうか…。



って! バリバリと煎餅を食べる音がしている!

シリアスになれない!

ズズズとお茶をすする音もするしな!神様!!


これが夢じゃないとして


「夢ではないと言っておる」


よく読んでいた、流行りの異世界物の入り口として


「そういう事じゃ」


そこってどんな世界だろう。

やっぱ魔法と剣の世界なんだろか?


「そんな感じじゃ」

「心の声に合いの手いらないし!」


フォッフォッフォ。

笑い方仙人じゃねぇか!(イメージ!)


「決めたか? 望むなら、異世界では賢者にも勇者にもなれよう。男のロマン、ハーレムも思いのままじゃ」


神様俗だな!

そんなすぐに決められねーわ!


でも。う~ん…。

死んだんなら生き返れないんだろうな。


元の世界で生まれ変わったら、きっと普通に記憶もなく最初からだろう。

異世界転生なら、お約束の記憶をもったままでの生まれ変わりか?

あぁでも、大人の記憶や感性をもって赤ん坊からは厳しいな…。


「今の記憶を持っての転生はお約束じゃが、それで生まれたてからは厳しいか。ではあちらの世界では成人から始める事にしようかの」


また聞かれてるし。まぁいいか。神様だし。

成人からか。ならいけるかな。 よし!


「賢者とか勇者とか、そんなんはいいです。現代日本で生まれ育って、一般的な道徳教育と倫理観をもって三十年も生きたんです。そんな俺が人を殺せる訳がないし、何なら動物や、魔獣だって殺せるとは思えないですよ。

俺は平和な日本人として正々堂々と人に助けてもらってやっていきます!


という事で、補助魔法とか支援魔法とか回復魔法とか、そういう魔法を使えるようにしてください。

あぁそれと、現代日本人として不便な生活は厳しいし、不衛生は受けつけません。生活魔法もお願いします」

「ほお」


神様は面白そうに笑った。


「あと、言葉は分かるようにお願いします。コミュニケーションがとれないのは死活問題です」

「それはお約束の初期装備じゃ。他には?」


ちょっと考える。

本当は一番最初に願わなければいけなかった事だよな。


「ではもう一つ。親に最後の挨拶はできますか?先立つ不孝なんてしちゃったもんで…」

「夢で、という形なら会わせられよう。いっておいで」






「ありがとうございました」


先立った親不孝はしっかり謝ったし、生きていたら言わない恥ずかしい感謝も伝えた。

ついでに、これから冒険してくると明るい未来?も伝えたから、少しは親の心も軽くなった…、と思いたい。


「もうよいのか?イケメン、とかいうのはいらんのか?あちらでモテモテになれるぞ」


ほんと神様俗だな!

ちょっとしんみりしていたのに笑ってしまったじゃないか。


「いりません。今んとこ恋愛は考えられないんで。俺は無双系じゃなくてスローライフ系を目指します」

「そうか。おぬしの望みは全て叶えよう。それと、わしからの加護もあたえよう」


神様の加護! 何か凄そう! 

だけどどんな効果があるかわからない!


「使い方は、おぬし次第じゃ」


曖昧! 

大吉みたいなものと思っておくか。


「ありがとうございます。神様に守ってもらえているだけでも心強いです」

「では、そろそろいっておいで」


フォッフォッフォ。

大吉がおかしかったのか、神様は笑いながら言った。


目の前がだんだん眩しくなっていく。

開けていられずに、たまらず目を閉じると


「そうじゃ、伝言があった。

『いー君、たくさん楽しんでからおいでよ』

との事じゃ」



え…



「さらばじゃ。楽しくおやり」

「ちょっと待った!」


俺をそう呼ぶのは一人しかいない。 


まさか! まさか!


待ってと言ってるのに!

俺の叫びと意識は、眩い光の中に吸い込まれてしまった。







初めましてのお方、よろしくお願いいたします。

お馴染み様、毎度ありがとうございます^^


初の男性主人公に挑んでみました。

初という事で、もう二つほど趣向を変えてみようかと思っております。


ひとつ、一話あたり二千文字くらい、サクサク読める少な目に。

ふたつ、頻度は分かりませんが、後書きに出没しようかと^^

不評でしたら即埋没します!


作者には今までにない、男性主人公のうえ冒険者です。

冒険者、難しいです><

大らかなお心でお付き合いくださいませ。




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