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第22話:襲撃

俺は舅、宗久とともに安土城へ向かっている。ちなみに大手門を続く、大手通りは道幅が広く、直線の道が長く続いていた。宗久の言う防御策が乏しいといったのも頷ける。正面玄関である大手門に連なる階段は、天皇が行幸する時に使うらしく、俺たちのような庶民は登ってはいけないらしく、脇道を使っている。というか肝心の帝が行幸するとは限らないんじゃ・・・・


俺は心の中で思いつつも、豊臣秀吉の聚楽第、徳川家光の二条城行幸等があることから、可能性は否定できない。もしかしたら今上陛下である正親町天皇を退位させ、信長が推す誠仁親王を即位、安土城行幸を行う可能性もある


「さて着いたぞ。」


俺は改めて安土城の天守閣を見た。改めて見ると凄い。大陸と南蛮の文化が凝縮し、日本風にしたようなものだった。俺は天守閣に入り、信長の側近である「名人久太郎」こと堀秀政に案内され、信長の下へ向かった。その途中、当代の有名画家、狩野永徳が書いたと思われる豪華絢爛が絵画があり、俺はその出来の良さに見惚れてつつ、最上階へ上がり、信長のいる御殿にたどり着いた


「上様、今井宗久・新名内蔵助両名をお連れいたしました。」


すると扉が開き、中に入ると、そこは別世界だった。全てが赤に染められ、所々、金が張り巡らされ、仏の絵がいっぱい書かれていた。そして信長は後ろ向きで立っており、俺と宗久は平伏した俺たち。信長は向きを返して、着座をした


「よく来たな、宗久・利三。」


「今日は我等をお招き頂き、恐悦至極にございます。」


「うむ、今日はお主たちの労を労うために宴を用意した。」


「「ははっ!ありがたき幸せ!」」


俺と宗久は堀秀政に案内され、宴を行う場所へ向かった。改めて見ると吹き抜けがあった。安土城は火事で焼失したと言われるが、この吹き抜けが原因じゃないかと思う。そう思いつつ、宴を行う場所へ案内された。どうやら他にも客人がいたらしく、その中には安土城を建築した岡野又右エ門や、画家の狩野永徳がいた。俺たちは決められた席に座り、待っていると信長が俺たちの前に現れ、俺たちは平伏した


「皆の者、ご苦労であった。今日はお主たちのための宴だ、存分に楽しむがよい。」


「「「「「ありがたき幸せ!」」」」」


信長が宣言すると、俺たちは御礼を述べると、家臣たちが膳を運びに来た。運ばれた膳は、まさに和食を絵に描いたような様相だった。メインディッシは鮎の塩焼きである。琵琶湖で取れたのだろう、鮎にしては小ぶりである


「まあ、食えればいいか。」


俺は鮎の塩焼きを食しながら、ご飯を食べ、他のおかずも手をつけた。更に余興として曲舞を催していた。信長は幸若舞を好み、自ら「敦盛」を舞うこともある。当時の幸若舞の名人を招き、此度の宴で披露した


「ん、なるほど(よく分からん。)」


元現代人である俺には、よく分からん。俺は文化に関しては茶の湯(茶道)の他に、和歌・連歌・漢詩・書道・漢方医術といった生きていく上で必要な事を学んだが、能やら申楽やら、そういう芸能については、俺の中では正直、意味が分からなかったので習わなくてもいいと思った。見るだけなら暇を潰せるしな・・・・


「退屈そうじゃのう、内蔵助。」


隣で宗久が話しかけた。どうやら俺が退屈そうに見ていた事に気付いたようである


「ああ、私はこういう芸当に疎くて・・・・」


「信長様の前では、褒めておけよ。せっかくの宴じゃからのう。」


「心得ております。」


ようやく宴の時間が終わり、俺と宗久は信長に挨拶した後に屋敷へと帰った


「はぁ~、疲れた。」


宴とは言っても無礼講というわけにもいかず、織田信長がいるので、和やかに見えて、緊張感が半端ない。少しでも粗相を起こせば、信長がぶちギレるかもしれない空気の中での宴は居心地が悪い


「今日は休んで、明日は堺へ帰ろう、うん、そうしよう。」


俺は明日、堺へ帰ろうと決意した。決意したにも関わらず、今井家の奉公人である茂助が俺の下を訪れた


「内蔵助様、御客人がお見えにございます。」


「客、一体誰が?」


「二人組の若侍です。」


「誰だ?」


「それが名を名乗らず、内蔵助様に会わせろとの一点張りで・・・・」


それを聞いた俺は玄関口で会うことにした。念のために傭兵や忍びたちを予め配置しておいた。俺も念のために、着物の下に鎧を装着し、その若侍の下へ向かった


「お待たせして申し訳ありません、手前が新名内蔵助でございます。」


俺は若侍を見ると、二人ともまだ十代前半くらいで幼さが残っていたが、目だけは殺気だっていた


「斎藤利三だな。」


1人の若侍が俺に名を聞いてきた。こいつ俺の前の名前を知っている。俺は警戒しつつ・・・・


「かつては名乗っていましたが?」


すると2人の若侍は刀を抜き、切りつけてきた


「死ね!利三!」


2人の刀の振り方が単調だったため、俺は問題なく交わした。そして配置していた忍びが棒手裏剣を放ち、2人の刀の持つ腕に刺さった


「ぐぅっ!」


「あっ!」


2人は刀を落とした瞬間、傭兵たちが取り囲み、鳩尾に当身を食らわせ、気絶させた


「おい、これはどうしたのだ!」


そこへ宗久と茂助が駆けつけた。茂助が宗久にも知らせていたようで、修羅場に鉢合わせしたのである


「内蔵助、こやつらは何者だ!」


「分かりませぬ。」


「おい、茂助!すぐに奉行所に連絡せい!」


「はい!」


その後、奉行所の役人が来て、2人の若侍は連れていかれたのである。俺としては嫌な予感を感じつつ、明日は帰れないと直感するのであった







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